サイバーセキュリティ

 ジョーシスは6月11日、サイバーセキュリティ戦略に関する記者説明会を開催した。日本企業を取り巻くサイバー攻撃の現状として注目されるのが、その被害件数の多さである。IBMの2024年の調査レポートによると、日本のサイバー攻撃の被害件数は世界1位で、22.4%を占めた。特にランサムウェアの被害件数が増加傾向にあり、この背景として、ランサムウェアの攻撃手法が近年変化していることが挙げられる。攻撃者はかつてのように脆弱性を突くのではなく、窃取した認証情報を利用して正規ルートで侵入するのだ。

 こうした攻撃手法に対し、認証情報の保護が非常に重要となってきている。ジョーシス 代表取締役社長 松本恭攝氏は、アイデンティティセキュリティの重要性について「サイバー攻撃の標的となった日本企業にとって、アイデンティティセキュリティはサイバーセキュリティの中心となっています。高市政権の『成長戦略17の戦略分野』にサイバーセキュリティが選定されており、国家戦略としてもその確立は急務とされています」と語る。

 しかし、同社が行った調査によると、日経225企業およびそのグループ会社の96%で認証情報の漏えいが確認されている。この根底には、国内の圧倒的なセキュリティ人材の不足がある。そして、その上に管理のサイロ化による構造上の課題、過剰なアラートによる分量上の課題、検知の困難さによる技術上の課題を抱えている。

JosysのAIによる新機能

 アイデンティティセキュリティを手動で担保するのはすでに限界を超えている。そこで、ジョーシスが提供するSaaS統合管理プラットフォーム「Josys」において、AIによるアイデンティティセキュリティの担保を目的とした三つの新機能が発表された。

 一つ目は、漏えいした認証情報の検知だ。ダークウェブ上に漏えいした認証情報を自動で検知した上で、どのユーザーの認証情報が漏えいしたのかを即座に特定し、該当するユーザーのアプリケーションへのアクセスを遮断する。

 二つ目は、AIエージェントの検知・管理だ。社内で稼働しているAIエージェントを自動で検出し、オーナー情報やアクセス権限を一元管理できるほか、管理者による設定変更にも対応する。

 三つ目は、AIによるポリシーの自動実行だ。12カテゴリー・60パターン以上のプリセットポリシーに基づき、350個以上のアプリを管理できる。AIが検知からアクションまでを自律的に行うため、リスクの発生から封じ込めまでの時間を大幅に短縮可能だ。

 ジョーシスは3年以内に日経225企業の半数以上にJosysを導入し、日本企業のランサムウェア被害を現状の半数まで減少させることを目指す。

自動で検知された組織の認証情報の漏えいやマルウェア感染端末は、リスクレベル・検出日時などの情報と共に管理画面で確認できる。