事業戦略

 レノボ・ジャパンは5月28日、2026年度の事業戦略を発表した。この戦略の鍵となるのが、予想を上回るスピードで進化するAIだ。同社とIDCが共同で世界のCIOを対象に行った調査では、7割近くがAIを組織的に導入済み、または試験運用中であると回答している。このうち、投資利益率(ROI)が3以上だと回答した割合は8割を超えており、導入したAIをどのように活用していくかを考えるフェーズに移行している。

 こうした状況を受けて、レノボ・ジャパンは「Smarter AI for All」というミッションを掲げている。あらゆる企業や組織、個人にAIの恩恵を届け、その成果を上げてもらうことを施策の中心に据えているのだ。同社 代表取締役社長 檜山太郎氏は、IT市場への向き合い方について「製品の価値だけでなく、関連するAIの投資も意識したサービスや付加価値をお客さまに提供しなければいけません」と語る。

 しかし、ミッションの達成を阻む課題が三つある。一つ目は、GPUやメモリーといった部品の不足だ。これに伴い、部品コストも上昇している。二つ目は、電力消費の増加だ。AIは電力の消費が激しく、2025~2030年にかけて、世界のデータセンターの消費電力は3倍になると予想されている。三つ目は、AIを運用するためのリソースの不足だ。AIの運用は企業価値の向上に必要だが、国内のIT部門は既存デバイスの管理に忙殺されており、AIの運用にリソースを割けないのが実情である。

 レノボ・ジャパンは自身が持つ三つの強みでこれらの課題を解決していく。一つ目は「ポケットからクラウドまで」の幅広い製品ポートフォリオだ。AIの進化を予測することが難しい中でも最適な製品の提供を目指す。二つ目は、世界で年間1億3,000万台以上という出荷規模だ。同社では、この出荷台数の多さをユーザーからのフィードバックや課題を理解する機会と捉えている。三つ目は、業界トップクラスのサプライチェーンだ。国内22カ所の拠点を最大限に活用し、日本経済の発展と地域社会の活性化に貢献していく考えだ。

檜山氏は「国内の開発拠点や製造拠点を最大限活用し、日本、そして地域の活性化のために努力していきます」と意気込みを語った。