触覚センサーによる新たな操作性
「MX Master 4」はロジクールが約6年ぶりに投入したフラッグシップマウスです。本製品最大の特徴は「触覚フィードバック センスパネル」の搭載にあります。左側面に感圧&振動入力装置「触覚センサーパネル」が内蔵されており、それを親指でプッシュすると新型UI「Actions Ring」が画面上に表示され、さまざまなコマンドを実行可能となりました。


「Actions Ring」は、再生/一時停止、エクスプローラー、絵文字、スクリーンショット、Logi Options+、PCをロック、Explorer AI、New Noteなどが割り当てられた「全般プロファイル」のほか、「Photoshop」、「Lightroom」、「Premiere Pro」ごとに専用の「アプリケーションプロファイル」を用意。またインストール済みの任意のアプリケーション用に独立したプロファイルを作成できるほか、まだ数は少ないですが「Zoom」用などのプロファイルを「ロジ・マーケットプレイス」からインストール可能です。
この「Actions Ring」を簡単に言えば、親指プッシュでいつでも呼び出せるランチャー。アプリ起動、ショートカットキー入力、マクロ実行などなど、さまざまな用途に活用可能です。もちろんプロファイルを元にカスタマイズもできます。事前の設定は必要ですが、マウスの使い勝手を大幅に引き上げる新機能と言えるでしょう。





本体サイズは88.2×128.2×50.8mm、重量は150g。リチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、フル充電で最長70日間動作すると謳われています。






ハードウェア的な進化点としては、接続方式が「Unifyingレシーバー(2.4GHz)」から「Logi Bolt USB-Cレシーバー(2.4GHz)」に変更されたことが挙げられます。操作可能距離は約10mと変わりませんが、ドングルがType-AからType-Cに変更されたことにより、ノートPCに接続した際の出っ張りがコンパクトになりました。


個人的に最大の進化点と感じたのは、「ラバーコーティング」が廃止されたこと。ラバーコーティングにはしっとりとした手触りが心地よく、滑りにくいというメリットはあるのですが、購入してから数年経過すると「加水分解」を起こして、ベットベトになってしまいます。「MX Master 4」は樹脂の地肌をそのまま生かした表面処理となっているので、経年変化は基本的に起こりにくいでしょう。

ほかの要素は基本的に前モデルの「MX Master 3」を踏襲。解像度は200~8000dpi、総ボタン数は8個。「MagSpeed 電磁気スクロール」と名付けられたスクロールホイールは、クリック感をオンオフ可能で、また強く弾けば慣性がつき回転し続けます。長いウェブページやドキュメントを端から端まで一気にスクロールできるので、操作しやすくなっています。

作業効率を一段階引き上げたハイエンドマウスの新定番
「MX Master 4」は、高い完成度の前モデルに「触覚フィードバック+Actions Ring」という新要素を加え、作業効率を一段階引き上げてくれるフラッグシップマウスです。特に親指プッシュで呼び出せるランチャー機能は、一度自分のワークフローに組み込んだら、元の環境には戻れないほどの中毒性があります。ラバーコーティング廃止による経年劣化リスクの解消、USB-Cレシーバーの採用など、日常的なストレスをしっかり解消してくれている点も好印象です。
その一方で、これらのメリットを最大限活用するためにはプロファイル設定などの初期カスタマイズが不可欠。そのひと手間がハードルになる可能性はあります。また、本体サイズ・重量も「重量級寄りのスタンダード」なので、小型軽量マウスを求めるユーザーには向きません。
とは言え総合的には、作業効率化やカスタマイズ性を重視する方に強くオススメできる1台です。6年ぶりのモデルチェンジにふさわしい、ハイエンドマウスの新定番と言えるでしょう。






