アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のバックアップ/リカバリ市場規模推移および予測を発表した。2025年度の同市場の売上金額は、前年度比9.7%増の約584億7,800万円となった。ITRによると、同市場の2025〜2030年度の年平均成長率は12%で、2030年度には市場規模が1,000億円に達する見通しだ。
この背景には、近年のサイバー攻撃の深刻化がある。サプライチェーン障害への対策が経営リスク管理の重要課題として認識されるようになり、バックアップ/リカバリへの注目度が高まっているのだ。また、企業システムのオンプレミスからハイブリッド/マルチクラウド環境への移行の進展や、SaaS利用の増加に伴い、バックアップ範囲の拡大・複雑化が進んでいることも、市場拡大の要因となっている。
ITRの取締役/プリンシパル・アナリストである入谷光浩氏は、次のようにコメントしている。「ランサムウェア攻撃の深刻化により、バックアップは単なるデータ保護手段から事業継続の要へと位置付けが変化しています。ベンダーは、バックアップ/リカバリ機能の高度化にとどまらず、バックアップデータの感染の有無を確認する検疫機能や脅威検知機能、さらに迅速かつ安全なリカバリまでを統合したサイバーレジリエンス基盤としての価値訴求が求められます。また、AI活用の拡大に伴い、今後はAIモデルの学習データや参照データなどAI基盤を構成するデータ資産の消失リスクへの対応も視野に入れることが重要になります」


