【テーマ】周辺機器を見直して業務効率アップ

大人気の左手デバイスを活用してみよう

今回は、最近ひそかに人気が高まっている“左手デバイス”を紹介する。マウスやキーボードに加えて左手デバイスを使うことで、作業効率が大幅にアップするのだ。今回は、例としてXPPen Japanが提供する「ACK05」を取り上げていこう。

ビジネスにも使える左手デバイス

 左手デバイスは多くの種類があるのだが、基本的には、キーがタイル状に並んだデバイスだ。外観はテンキーのようにも見えるのだが、機能は全く違う。ACK05の場合は、10個のキーとホイールが並んでいる。ホイールの中心もボタンになっている。

 そもそもXPPenは、お絵かき用のドローイングパッドやペンタブレットをリリースしているメーカーなので、描画時のショートカットに使う機能が充実している。

 ところが、お絵かきを全くしないユーザーにも便利に使えるようになっている。並んでいるキーには自分が好みの機能を割り当てられるのだ。

 ACK05は、ケーブルもしくは専用のBluetoothレシーバー、もしくはダイレクトBluetoothで接続できる。机の上でケーブルが邪魔になることが多いので、ワイヤレスによる接続がお薦めだ。

 ACK05は、自由な方向に回転して置くことができる。縦横どちらに置いてもよく、左手だけでなく右手で使ってももちろん構わない。置く場所やホイールを回しやすい位置を自分で工夫しておけばいい。まずは、どの方向で使うのかを考えて設定する。

アプリの実行を割り当て

 ACK05には、大きく分けて四つの機能が割り当てられるのだが、お絵かき以外の用途で利用するなら、キーボードショートカットを割り当てる「エクスプレスキー」か「アプリケーションの実行」を使うことが多くなるはずだ。

 アプリケーションの実行では、起動したいアプリをボタンに割り当てられる。頻繁に利用するWebブラウザーやメーラー、ExcelやWordなどを割り当ててもいい。また、メニューから起動するのが面倒なツール類を割り当てる手もある。どちらにせよ、アプリがサクッと起動できるようになるのでなかなか重宝する。

 エクスプレスキーでは、ショートカットキーを割り当て可能。どんなキーでもOKで、例えば、「Win+D」でデスクトップを表示、「Ctrl+A」で全選択、「Ctrl+C」でコピー、「Ctrl+V」で貼り付けなどの定番ショートカットキーを登録しても便利だ。

 さらに、画面上部の「+」ボタンを押すと、機能を割り当てられるアプリを指定できる。つまり、ExcelとWord、Chromeブラウザーなどでそれぞれに異なるショートカットキーを割り当てられる仕組みだ。これがなかなか便利で、それぞれのアプリで多用するショートカットキーを登録しておく。すると、マウスとキーボードで操作していて、コピー&ペーストをする際には、ACK05をパッと2回押せばいい。慣れるとかなり使い勝手が良くなるはず。ショートカットキーを押すよりも手間もかからないのだ。

 ACK05は、シールが付属していてキーに貼り付けて分類できる。左手デバイスの機種によっては、キーが小さなディスプレイになっており、割り当てた機能の内容を表示できるものもある。価格はやや高くなるが、多くの機能を割り当てるならぜひ利用してみたい。

 ACK05には、ホイールが付いているのが特長の一つだ。ズーム、ブラシサイズ、スクロール、回転などの機能が当初から用意されている。スクロールは選択するだけで使えるはずだ。ただこちらもお絵かき用が基本なので、必要に応じて自分でカスタマイズすればいい。

 例えば、ExcelのズームはCtrl+Alt++を割り当てればOKだ。こちらも使い慣れるとかなり重宝する。

ACK05は、テンキーのようなキーが並んだ左手デバイスだ。
専用のレシーバーでPCと接続可能。Bluetoothでも接続できる。USB Type-C端子経由で充電や接続も可能だ。
ボタンはストロークが深めで押しやすい。
ホイールはクリクリという抵抗があって回るタイプで、こちらも使い勝手良好だ。

スクリーンショットもすぐ撮れる

 個人的には、スクリーンショットの記録に活用している。スクリーンショットは、画面全体、選択範囲、アクティブウィンドウのみなど、その時によって記録するエリアが異なる。そこで、左手デバイスにスクリーンショットアプリのショートカットキーを割り当てて活用しているのだ。複数のキーを組み合わせたショートカットは便利に使えるのだが、たまにしか使わないと忘れてしまう。いちいち使うたびに調べるのも面倒だが、左手デバイスに使っていると、意外にも位置で覚えられる。「右上のキーを押したら、全体のスクリーンショットだ」といった具合だ。
 ほかにも、よく使うアプリがあるならぜひショートカットを登録して使ってみてほしい。作業効率が大幅にアップすること間違いなしだ。個人的には、ライブ配信アプリのトランジットなども左手デバイスでコントロールしている。ボリューム調整も可能だし、テロップを割り当てておき、急きょ流すような作業にも重宝している。メニューを開くよりも素早く間違えずに作業できるわけだ。

 ACK05は、5,000円台と価格もかなりこなれているので、気軽に導入できるのがいい。サイズはスマホより一回り小さい程度で、75gとかなり軽い。かばんの中に常備して、出先で使ってもいいだろう。電源は充電式で、充電器にはUSB Type-Cケーブルで接続すればいい。フル充電すると、約300時間使えるので、月に2〜3度くらい充電すれば十分だろう。

 使ってみると、そのメリットや効率の良さが実感できて手放せなくなるはずなので、ぜひ試してほしい。

専用のドライバーから、アプリの起動を割り当てられる。
キーボードショートカットのCtrl+Aを割り当てると全選択できる。
ボタン一発で表が選択できた。