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Chromebookと「kintone」で非IT部門が主導するワークスタイル変革を実現

Chromebookと「kintone」で非IT部門が主導するワークスタイル変革を実現

2022年09月28日更新

Chromebook×kintoneで業務を改善
非IT部門が主導するワークスタイル変革&DX

ービスだ。開発経験がなくても簡単に業務システムを作れるのが特長で、非IT部門における導入実績は93%を占めている。クラウドサービスなので、Chromebookでの利用においても何の制約もない。業務で使う情報の蓄積や整理を可能にするkintoneは、Chromebookによる新しい働き方を強力にサポートしてくれる。

ノーコード/ローコードで簡単作成

 kintoneでは、勤怠管理、顧客対応履歴といった業務に応じたシステムを作成できる。この業務システムのことを「アプリ」と呼んでおり、アプリの中心となるのがさまざまな情報を蓄積するデータベースだ。一般的にデータベースというと、IT部門が整理するデータを体系立てて設計し、固定化されたフォームに規則正しく入力していく。だがkintoneでは、そうした複雑な開発や設計を不要にし、ゲームのコンストラクターのような感覚で情報を蓄積するアプリを設計できる。

 具体的には、情報を格納したい項目をドラッグ&ドロップで、新たに作成する業務処理の画面に配置していくだけ。データベースの設計にプログラム用コードを記述する必要がないので、ノーコード/ローコード開発と呼ばれている。こうして開発されたデータベースには、関連する人たちを取りまとめるためのワークフローと、相互に情報をやりとりするためのコミュニケーションツールによって、従業員同士で連携しながら業務に必要なデータの追加や参照などが可能になる。これまで、電話やメールでやりとりしていた情報も、kintoneを介して手軽に情報を交換できるようになり、必要な情報は現場のニーズに合わせて設計したデータベースに手早く格納されていく。そして、それぞれのデータベースが業務のデジタル化に貢献し、使い込んでいくうちに業務改革へとつながっていく。

どんな業務にも応用できる柔軟性

 kintoneは、どのような業務のデジタル変革に最適なのか。効果を発揮するのは、現場が主体となって取り組んでいる業務だ。導入事例の中には、大手チェーン店のストア管理や、多拠点に跨る販売管理、自治体での新型コロナウイルス患者の搬送管理などがある。これまで紙とExcelで奮闘していた現場の業務であれば、そのほとんどをkintoneに置き換えられる。その秘訣が、ローコード/ノーコードにある。

 そもそも、ある情報を体系立てて整理するという情報処理の基本は、一般の教育では習得する機会がない。情報を蓄積・整理・管理するためのデータベースの設計や開発には、それなりの知識と技能の習得が必要で、国家資格やデータベース専業メーカーの認定制度などを取得した技術者のスキルが求められていた。そのため、設計、時間、予算もかかるデータベースを主体としたアプリ開発には、優先度があり現場の細かい業務にまでは、対応が及ばないケースが多かった。

 そこで、現場の担当者の中でPCの操作に詳しい人たちが、紙に書かれた情報を整理するために、Excelを活用するようになった。Excelのワークシートにも、データベースに共通する機能は備わっているが、多くの現場ではデータを蓄積する器としての利活用よりも、手書きの表を置き換えただけ、という利用が中心となっていた。その結果、統一されていないExcelのワークシートがあちこちに作られるようになり、「どの表が最新なのか」を管理するのも不可能な状況になっている現状がある。情報を体系立てて蓄積するデータベースとして活用されていないExcelでは、入力されたデータを業務と連携させるのが困難なのだ。こうした課題を克服するには、クラウドで共有できるデータベースで開発されたアプリの存在が不可欠となり、その役割をkintoneは担ってくれる。

パートナーと二人三脚で技術支援

 kintoneを利用している企業では、93%が非IT部門に及ぶという。つまり、プログラム開発やデータベース管理などの経験がない人たちでも、kintoneを業務で使いこなせているというわけだ。

 おそらく、少しITに詳しい人であれば、用意されているチュートリアルを参考に、短時間で簡単なアプリは作れるようになる。一つ二つとアプリを試しに作っていくうちに、より具体的な設計のイメージが湧いてきて、そのアプリをほかの人にも使ってもらうようになると、さらに現場のニーズにあった情報管理のできるアプリへと進化していく。

 そうした開発や修正も、全てChromebookのChromeブラウザーから操作できるので、業務部門での情報革命やワークスタイル変革にとっても、Chromebookとkintoneの組み合わせは、非常に相性がいい。さらに、kintoneのライセンス価格とは別になるが、オプションでシングルサインオン(SSO)のサービスも用意されている。全社規模でChromebookを導入し、全てGoogleのSSOに統一するといった利用環境においても、kintoneは対応できるのだ。

 ローコード/ノーコードで現場がアプリを開発できるとはいっても、kintoneの奥は深い。単に日報や伝票を蓄積していくだけではなく、収集されたデータをほかのアプリで使えるように連携したり、kintone以外のクラウドサービスとやりとりしたり、複数のアプリを組み合わせた業務の仕組みを作ったりするといったニーズが出てくる可能性もある。そうした要望に対して、全く開発経験のない現場の非IT人材だけでは、kintoneの持てるポテンシャルを100%引き出せないという心配もある。そうしたときに、すでに約360社あるkintoneのパートナー企業の存在は大きい。

 また、認定パートナーではなくても、kintoneを顧客企業に推奨する上で、継続的なサポートやアプリの保守をサービスとして提供できるような提案も有効だと思われる。kintoneの資料によれば、直近の2〜3年では、直販よりも販売パートナーを介した間接販売の比率が増えてきている。いくら開発が簡単だといっても、どの業務をどのようにkintoneに適応させていくか、といった課題に対してはITに知見がある販売パートナーによるコンサルティングやアセスメントが必要になる。特に、人材の少ない中堅・中小企業では、現場の担当者がかかりっきりでkintoneの開発から運用管理までを担うことは難しい。そこで、クラウドの利点を生かしてリモートでのメンテナンスや開発サポートを行う間接販売は、効果を発揮するはずだ。

田中 亘(Wataru Tanaka)
東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系ITまで、広範囲に執筆。代表著書:『できる Windows 95』、『できる Word』全シリーズ、『できる Word& Excel 2010』など。

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