
教育と産業をつなぐ学びを実現する
followのドローンプログラミング教育
プログラミング教育やSTEAM教育の教材として、教育現場でドローンの活用が注目されている。画面上だけで完結するプログラミングとは異なり、自身が組んだコードに基づいて、現実世界のドローンが動作することで、論理的思考能力や空間把握能力の育成に役立つとされている。その教育向けプログラミングドローンを提供しているのが、followだ。同社が国内に向けて展開するプログラミングドローンから、現在のSTEAM教育やDXハイスクールにおけるドローン活用の動向を見ていこう。
“飛ぶ”楽しさが学びを変える
followは、韓国のEdTech企業であるALUXの日本国内総代理店として、教育用のロボットやプログラミング教材の輸入販売を行っている企業だ。
同社は教育向けドローンとして小中学生向けの「コーディングドローン」と中高生向けの「コーディングライダー」の2製品を展開している。
小中学生向けのコーディングドローンは、アンプラグドでドローンへのプログラミングが行えるカードコーディングや、ドローンを傾けてコーディングを行うモーションコーディングにも対応しているため、小学校低学年からでも学習に取り入れられる。
中高生向けのコーディングライダーは全面にLEDが搭載されており、豊かな視覚的演出が可能だ。さらに本製品には障害物センサーが内蔵されており、センサー制御を行いながら飛行させるといった制御も行える。
コーディングドローンとコーディングライダーは両方ともブロックコーディングを行える「Scratch」やテキストコーディングを行える「Python」によるプログラミングに対応している。PC上でプログラミングした内容に合わせてドローンを飛行させることが可能だ。また1台のPCから複数台のドローンを飛行させる編隊飛行や集団飛行にも対応するため、複数台のドローンを同時に飛行させることの多い授業シーンにおいても安定した飛行を実現できる。
follow 執行役員 野々部美里氏はドローンプログラミングによる教育効果を「学びの上でもっとも重要となるのは『楽しむ』ことです。その観点から見ると、ドローンの“飛ぶ”という非日常体験が生徒の興味関心を喚起させやすいというのは大きなメリットといえるでしょう。また、プログラミングの結果がすぐに確認できる点もメリットです。うまく飛行しなかった場合もその場で試行錯誤しながら、プログラミングを楽しんで学べます。また、コーディングドローンにもコーディングライダーにもさまざまなセンサーが内蔵されているため、AIや画像認識技術などの先端技術を活用した学習につなげやすいでしょう」と語る。
こうした新しい技術は、社会に開かれた教育課程との相性も良い。特に昨今、ドローンは夜空に立体的なアニメーションや文字を描くドローンショーへの活用が進んでいるだけでなく、災害時の被害状況確認や物資輸送など、有事における活用も広がっている。今後はインフラ点検やドローン物流などへの広がりが想定されており、教育の一環としてドローンプログラミングを学ぶことはさらに重視されていくだろう。

高校を中心に導入が加速
実際、コーディングドローンやコーディングライダーは、多くの教育現場で導入が進んでいる。特に導入が多いのが高校であり、全体の約6割を占める。背景には、文理横断的・探究的な学びを強化する高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択校での導入が進んでいることが挙げられる。
「高校では、情報Ⅰや情報Ⅱの授業でコーディングライダーをPythonプログラミングの教材として活用されるケースが多いですね。授業の流れとしてはPythonの基本的な概念を身に付けながら、段階的にプログラミングの知識を身に付け、編隊飛行を実施する例などがあります。最後に理解度を確認しながら、テスト形式でドローンを飛行させる実技を実施しています。小学校では総合的な学習の時間などの探究学習において、コーディングドローンが採用されています。例えば防災の授業を実施する際に、コーディングドローンをプログラミングして、『人が行けない場所にドローンを制御して飛ばしてみよう』といった学びが実践されています」と野々部氏は語る。
followではドローンを5台以上購入した教育機関に対しては無償の教育カリキュラムを提供しているほか、有償の講師派遣(現地・オンライン対応)も行っているため、プログラミングに関する専門的な知識がない教員でも安心して教育に取り入れられる。
企業が主催するプログラミング教室においても、followのドローンプログラミング教材は数多く採用されている。例えばKDDIが定期的に実施している「遠隔ドローンプログラミング教室」や、三井住友銀行が実施した「ドローンプログラミング体験イベント」などだ。いずれもfollowがドローンプログラミングの教材提供やカリキュラム提供を含めたサポートを実施している。
followのドローンプログラミング教材の今後について、同社 代表取締役 佐多 大氏は「『N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想』(以下、ネクストハイスクール構想)の採択校からの引き合いが増加しています。授業の計画段階から参画し、共に産業イノベーション人材の育成に向けた取組を進めていく方針です」と語る。
またfollowのグループ会社である東京ドローンプラスでは、農薬散布ドローンなどの産業用ドローンを取り扱っているほか、同じくグループ会社の日本ドローン機構では国家資格ドローンスクールの運営にも携わっている。こうしたグループ企業との連携により、プログラミング教育だけでなく、そこを足がかりに実際の職業訓練に至るまでサポートを行っていく方針だ。
「当社ではドローンプログラミングのほか、幼児・低学年向けのプログラミング教材『VINU』(ビヌ)も提供しています。PCやネットワークとの接続不要で、場所を選ばずにプログラミング的思考が学べるため、ドローンプログラミングへのステップアップ教材としておすすめです。今後は民間プログラミング教室や大学・民間教室への導入拡大も目指していきたいと考えています」と佐多氏は展望を語った。
