SNSの運用ルール
SNSを運用していくうちに、担当者のモチベーションが落ちてきたり、何のために運用しているのか、ぼんやりしてしまったり……そんな経験はありませんか?また、一生懸命投稿したり、フォローしたり、いいねをしたり、フォロワーを増やしていったものの、特に何も起こらなかったなどという話もよく耳にします。「SNS運用あるある」ですよね。
せっかくSNSを運用しているのであれば、こうした事態は避けたいもの。そこで、おすすめしたいのが「運用ルール」の作成です。「運用に関わる担当者の認識を統一する」「迷ったときの指針になる」「軸がブレてきたときに基本に立ち返ることができる」など、多くのメリットがあります。
Xに限らず、企業でSNSを運用する際には、指針となるルールを策定し、明文化しておきましょう。これから開始する方だけでなく、すでに現在運用中のアカウントがある方も、一度見直してみてください。
運用目的を明確にしよう
SNSを運用するうえで、もっとも大事な要素の一つが「運用目的」です。必ず明確にしておきましょう。事業の売上や利益に貢献できるのが一番ですが、SNSの特性を考えると、スタートしたばかりのアカウントでは、「認知の拡大」を目的として設定するのがよいでしょう。
運用目的は、以下のようなものが考えられます。複数目標を設定することもありますし、段階に応じて目的が変化する場合もあります。
- 認知の拡大
- 自社サイトへの誘導
- 顧客との交流、ファンとのつながりを維持
- プロモーションの実施
- 顧客理解を深める(ソーシャルリスニング) など
例えば、目的が「プロモーション」だったとします。
まずは「認知拡大」という段階を経て、顧客と交流したり、ファンとの繋がりを持ちます。その後、タイミングを見て、プロモーションを実施していくというように、段階に応じて軸となる目的を変える、あるいは優先順を変更していくことも考えられます。
ユーザー層を明確にしよう
次に考えるのは「ユーザー層」です。ざっくり「30~40代の男性」とするよりは「30~45歳の男性、ビジネスパーソン。日経新聞電子版を読んでいて、会社の中では中間管理職(もしくは役職あり)。休日はアウトドアを楽しんでいる。よく使うSNSはXとTikTok」といったように、ある程度人物像が明確になっていた方が、運用しやすくなります。
あまり絞り込み過ぎるとターゲットが狭くなり、市場も小さくなってしまいますが、対象者に響くようなコンテンツやメッセージを作るには、人物像がはっきりとしていた方がよいでしょう。また、このユーザー層は自社からフォローしていくときの対象者でもあります。
運用目的に合った目標指標(KPI)を設定しよう
目的に合う目標を設定することが大切です。各SNSには「インサイト」や「アナリティクス」という分析機能があり、自分の投稿が何人に届いたのか、反応の数、リンクのクリック数などの項目を確認できます。目標を設定するにあたり、まずは自社のアカウントの現状を確認しておきましょう。
Xの場合は、以下の手順で、アナリティクスを閲覧できます。
※ここで紹介する画面は、Xプレミアムを利用しているアカウントのものです。
Xのアナリティクスを閲覧するには、有料版(プレミアム/プレミアムプラス)の契約が必要です。無料版の場合は、個別の投稿に表示される「コメント」「リポスト」「いいね」「表示(回数)」を確認しましょう。
【1】PCブラウザ版でXにログインし、左サイドバーの「プレミアム」をクリック

【2】「アナリティクス」をクリック

【3】期間ごとのパフォーマンスが確認
タブを切り替えて、さまざまな項目を見てみましょう。この数値を参考にしながら、目標とする値を検討していきます。

認知の拡大であれば、月間のインプレッションやフォロワー数の伸びをチェックします。フォロワーとの関係性向上が目的であれば、エンゲージメント・エンゲージメント率・リポストなどを確認します。また、フォロワー増を目指しているのであれば、プロフィールへのアクセス数もチェックするとよいでしょう。運用目的に合わせて、自社の目標指標(KPI)を設定しましょう。
KPIとは
KPIはKey Performance Indicatorの略で「重要業績指標」を意味します。目標を達成する上で、達成度合いを計測するための定量的な指標です。
合わせて以下についても決めておきましょう。
- 利用するメディアの特徴と利用する理由
- 各メディアの集客手段
- 参考アカウント
- 運用担当者、運用責任者
- 数日程度の投稿案など
特にXにおいては、企業もユーザーもフラットな関係という空気感があるため、商品やサービスに関する質問も気軽に届くことがあります。その際、誰がどのように回答するのかなども決めておくとよいでしょう。一律で「サポートへ連絡してください」と案内するのか、あるいは想定問答集などを用意し、SNS担当者から回答するのかなど、あらかじめ決めておくといざというときに慌てずに済みます。
緊急時の対応について
不測の事態が起こった時に、誰がどう対応するのか?これも非常に大事な要素です。特に自然災害が増えている昨今、何かしらの被害が発生している中、通常どおりの投稿をしてしまうと「不謹慎」と捉えられてしまう可能性があります。最悪のケースとして炎上に発展する事態もないとは言えません。
特に予約投稿をしている場合や広告をかけている場合は、すぐに止められるようにしておきます。また、その時の誰が止める担当者になるのかも明確にしておきましょう。可能であれば、複数の担当者を設定しておきます。
ソーシャルメディア運用ポリシーと社内ルールについて
ここまで解説してきた運用企画についてですが、これは主にSNS担当者と上長、責任者向けに共有するものになります。その他、社員全員向けの規定をまとめた「社内ルール」、外部に向けた「ソーシャルメディア運用ポリシー」を策定するケースもあります。
外部に向けたソーシャルメディア運用ポリシーは、Webサイトに掲載している企業や団体があるので、参考にしてみるとよいでしょう。
参考サイト:
総務省公式SNS等(X(旧ツイッター)、Facebook等)運用方針
NECグループ:ソーシャルメディアポリシー
シャープ 公式X(旧Twitter)アカウント コミュニティ・ガイドライン
まとめ
SNSをビジネスで活用する際は、ただ投稿を続けるのではなく「何のために運用するのか」「誰に届けたいのか」「どの数字を確認するのか」をあらかじめ整理しておくことが大切です。また、担当者や責任者、投稿時のルール、トラブル発生時の対応方法などを決めておけば、複数人で運用する場合でも安心して継続できます。
SNSの機能やトレンドは変化しますが、運用の土台となる考え方は変わりません。自社に合ったSNS運用のルールを整備しておきましょう。

