もはやCopilot+ PCという言葉を知らない読者はいないだろう。あらゆるアプリケーションにAIが組み込まれる時代において、AIを十分に活用できるPCは、ビジネスで必要不可欠になる。しかしCopilot+ PCの必要性を感じていても、具体的にどのような導入メリットがあるのかを理解しきれていない人も、まだ多いのではないか。そこで本記事では、Copilot+ PCの要件を満たすCPU「インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサー」の特長と、インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーを搭載する日本HPのノートPCの魅力を紹介していく。

初めてIntel 18Aを採用
通常業務の応答性が向上

インテル
技術・営業統括本部
IA技術本部
部長
太田仁彦

 Copilot+ PCの魅力を知るために、まずはCPUの特長を見ていこう。Copilot+ PCに採用されるCPUの中で、今注目したいのがインテルの「インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサー」だ。

 インテル 技術・営業統括本部 IA技術本部 部長 太田仁彦氏は、インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーを語るに当たり、以下のように切り出す。「インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーは、最新の半導体製造プロセス『Intel 18A』 を初めて採用した上に、新たに設計されパフォーマンスが向上したCPU、GPU、NPUを搭載しています」

 続けて太田氏は、インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーの特長をこうアピールする。「インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーは、PコアとEコアを共に新しいアーキテクチャに刷新しています。それによってプロセッサー自体も進化を遂げており、AI以前に通常業務での応答性が高くなっています。さらに、アプリの動作状況からタスクをどちらのコアに割り振るか判断する『インテル スレッド・ディレクター』も前世代より賢くなっています」

 Copilot+ PCで注目すべきものと言えば、NPUの性能だろう。太田氏は、もちろんこの点にも強みがあると話す。「NPUは単体で50TOPSのAI処理性能を発揮します。さまざまな業務アプリケーションにAIが組み込まれるようになってきていますが、50TOPSはまだまだゆとりのある数値だと考えています。しかし、今後数年でAI搭載アプリケーションは急速に増加することが予測されます。AI搭載アプリケーションが増えるにつれて、『やっぱり50TOPSあって良かった』と感じる方が多くなってくると思います」

 加えてインテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーは、GPUにも強みがあるのだ。「最もブーストされたのがGPUです。GPUにAIアクセラレータが実装されているため、インテル Core Ultra シリーズ3の最上位構成である『12Xe-core』では、GPUだけで120TOPSを提供します。また、外付けGPUと同等以上の性能を持っており、内蔵GPUにもかかわらず高いグラフィック性能を提供できるのが、インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーです」(太田氏)

ハイブリッドワークに適した
3種類のCopilot+ PCとは

日本HP
パーソナルシステムズ事業本部
クライアントビジネス本部
モバイルビジネス部長
岡 宣明

 では、インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーを採用したPCの中では、どのようなものを使っていけばよいのだろうか。そこでおすすめしたいのが、日本HPが提供する14インチノートPCの「HP EliteBook X G2i 14 AI PC」と「HP EliteBook 8 G2i 14 AI PC」、そして16インチノートPCの「HP EliteBook 6 G2i 16 AI PC」だ。

 日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部長 岡 宣明氏は、三つの製品に共通する特長をこう話す。「インテルさまがインテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサーに詰め込んだ進化を、当社のソフトウェアでしっかり支えています。その中で、今回紹介する全製品にデフォルトで搭載されているのが『HP Smart Sense』です。こちらはAIがPCの利用状況を予測し、デバイスのノイズや温度、パフォーマンスを自動で最適化するものになっています。ユーザー側で設定することなく、バッテリーの持続時間を向上させたり、ファンノイズを軽減させたりできます。プロセッサーを適切にチューニングすることはPCメーカーの使命だと考えているため、その点はしっかり取り組んでいます」

 また、つながりやすさを支えるサービスもあると岡氏は続ける。「当社では、法人向けMVNOサービス『HP eSIM Connect』を用意しています。PCと組み合わせて提供することで、より安価にハイブリッドワークが行えるようになります」

 それでは、各製品の特長を見ていこう。まずはHP EliteBook X G2i 14 AI PCだ。本製品は超軽量モデルとなっており、最軽量構成で約999gの本体重量を実現している。岡氏はHP EliteBook X G2i 14 AI PCのことを、以下のようにアピールする。「私たちは本製品を、究極のハイブリッドワークPCと名付けています。会社でしている負荷の高い業務を、自宅でも同じように行えるのです。さらに新幹線や飛行機での移動中でも、快適に使えるノートPCになっています」

 HP EliteBook X G2i 14 AI PCの特長は、本体性能だけではない。同梱するACアダプターも、窒化ガリウム(GaN)を使用することで、小型かつ熱を持ちにくいものにしたのだ。岡氏はこのACアダプターについて、こう補足する。「小型化したACアダプターはHP EliteBook X G2i 14 AI PCだけでなく、当社のエントリークラスやG2シリーズの法人PC全てに同梱します。しかし、GaNはコストが高いことが難点です。そのため調達を努力し、お客さまに負担をかけないようにしています」

 次はHP EliteBook 8 G2i 14 AI PCだ。8シリーズは、エンタープライズの標準値という位置付けのラインアップになる。そこで同社がこだわっているのが、堅牢性だ。米軍調達基準「MIL-STD-810H」に準拠しており、妥協しないクオリティに仕上げている。

 最後はHP EliteBook 6 G2i 16 AI PCだ。本製品はミッドレンジに位置付けられるもので、デスクトップPCの代替として導入されることが多い。16インチの大画面によって、生産性の高い業務を実現できるのだ。またHP EliteBook 8 G2i 14 AI PC同様、MIL-STD-810Hに準拠するほか、高いセキュリティ機能も備えている。

BIOSの書き換えを防御し
オフライン環境でもPCをロック

 それでは、日本HPのセキュリティ機能についても紹介していこう。まず一つ目は、法人向けのPC保護機能「HP Wolf Security」だ。セキュリティのハードウェアチップをマザーボードに乗せるため、アプリケーション、OS、BIOSが書き換えの被害に遭った場合でも、しっかりと書き換えられた箇所を発見し、自動的に修復を行ってくれる。起動するたびにBIOSが書き換えられていないか確認するため、被害を事前に抑えられるのだ。標準搭載の機能で、ユーザー側で複雑な設定をすることなく、セキュリティを担保できる。

 二つ目は、MDMソリューション「HP Protect and Trace with Wolf Connect」だ。本ソリューションは自動販売機などに使われるIoTの通信技術を応用し、PCが電源オフだったり、通信がオフラインだったりする場合でも、PCのロックをはじめとする対応が行える。そのため、PCの電波が届かない場所や海外に持ち出された場合でも、SSDにロックをかけたり、データ消去を行ったりすることが可能なのだ。

 最後に岡氏は、販売店に向けてのメッセージをこう話す。「ここ数年でAIの大きな進化が来ることが見込まれます。お客さまが将来の進化に備えられるように、4年後、5年後も安心して業務に使える製品をパートナーさまと提案していきたいです。また当社が主催するパートナーさま向けイベント『HP Partner Communication 2026』では、今後の販売活動やお客さまへの提案に役立つ情報を提供しています。興味がありましたら、イベントページより日時や会場をご確認の上、お申込みをお願いします」

 太田氏も、販売店に対して次のように言葉を贈った。「現在、私たちが日常業務で活用するAIは日々進化し、その数も増え続けています。そのような環境の中で、これからAI PCを検討する際には、将来どの程度のAI処理能力が必要になるのか、また、その要件を満たす製品ラインアップにはどのような選択肢があるのかを、プロセッサーの観点も含めてご検討いただくことが重要です。そうすることで、これから到来するAI時代にも安心して備えることができると考えます」