顧客の安全なAI活用を支援する
Netskopeの新ソリューションとは

6月3日、Netskope JapanはAIセキュリティ機能群「Netskope One AI Security」の新機能「Netskope One AI Command Center」と、エージェント型アーキテクチャ「Netskope One AgentSkope」を発表した。AI活用が進むと、併せてAIに関する課題も増えてくる。そうした課題を解決するとともに、AIによって顧客の業務負荷軽減を目指す同社の新ソリューションとは、どのようなものか。会見の内容をレポートしていこう。

生成AIのユーザー数が約2倍に
さらなるAI利用の増加が見込まれる

 まずはNetskope Japan バイスプレジデント 兼 カントリーマネージャー 権田裕一氏が登壇し、現代におけるAIの課題をこう話す。「我々のお客さまのデータを見ていくと、この1年間で日本企業の生成AIユーザー数が約2倍になっています。そしてその中の4人に1人が、職場で個人アカウントを用いて、生成AIを使ってしまっています。これがシャドーAIにつながっていきます」

AIの課題を語るNetskope Japan バイスプレジデント 兼 カントリーマネージャー 権田裕一氏。

 権田氏はそのほかにも、ビジネス運営におけるAIの課題があると続ける。「AIのセキュリティを考えたとき、DLP(Data Loss Prevention)の導入を考えるお客さまが増えています。ですが、現状ではまだ4社に1社ほどの導入にとどまっています。また今後のことを考えると、現在の自社インフラではAIの新たな需要に対応できないと感じているお客さまは62%います。加えて、人材不足への対応策としてAIセキュリティを導入している日本企業は、まだ24%しかいません。つまりは、今後さらに多くのAI利用が見込まれるということです」

AI戦略の四つの柱を基に
AIセキュリティの新機能を発表

 権田氏に次いで、Netskope 創設者 兼 最高技術責任者(CTO) クリシュナ・ナラヤナスワミ氏が登壇した。ナラヤナスワミ氏はNetskopeのAI戦略を語るに当たり、まずはこう切り出す。「当社のプラットフォームは、次々と変わる要件に対応可能な、目的特化型のプラットフォームです。さらには全てのサービスが単一のプラットフォーム上で提供され、管理コンソールも全て一元化されています」

 続けてナラヤナスワミ氏は、同社のAI戦略は「AIネイティブプラットフォーム」「AIの活用とセキュリティ確保」「NewEdge AIインフラ」「AIエージェント」の四つの重点分野があると話す。

NetskopeのAI戦略を語るNetskope 創設者 兼 最高技術責任者(CTO) クリシュナ・ナラヤナスワミ氏。

 ナラヤナスワミ氏はまず、一つ目のAIネイティブプラットフォームについてこう話す。「当社は生成AIが普及する前から『Netskope AI Labs』を設置し、リアルタイムSSE(Security Service Edge)/SASE(Secure Access Service Edge)アプリケーションに特化した、大規模で信頼性の高いAI/MLモデルを開発してきました。現在、独自開発のモデルは190以上に達しており、AI/MLモデルで50以上の特許を取得しています。さらに当社のプラットフォームでは、データ保護や脅威対策など、さまざまな用途でAIを活用しています。加えて、きめ細やかなセキュリティ制御をポリシーによって行える点が、他社と一線を画しているのです。ユーザーに対するポリシー管理を、AIエージェントにも適用できます」

 次に二つ目のAIの活用とセキュリティ確保について、ナラヤナスワミ氏は次のように語る。「本日、AIセキュリティ機能群『Netskope One AI Security』の新機能『Netskope One AI Command Center』を発表します。これは、今AIがどのように使われているかという環境全体の情報を、一元的にダッシュボードで可視化するものです。昨今、懸念として語られているシャドーAIへ対応するために、AIの利用を監視できるものになっています」

同社はNetskope One AI Securityの新機能であるNetskope One AI Command Centerを発表した。

 Netskope One AI Command Centerは、現在組織内にあるAIアセットは何か、承認済みのAIかシャドーAIか、誰がAIアセットにアクセスしているのかといった社内のAIに関する情報を一元化し、閲覧が行えるようにするものだ。社内におけるAI導入のリスクを可視化でき、「どのAIが稼働しているか」「実際に対処すべきリスクはどれか」「脅威のスピードに合わせてどう対応するか」という、セキュリティチームが現在直面する課題に応えられるものになっている。

 またナラヤナスワミ氏は、AIの活用とセキュリティ確保の取り組みとして、「Netskope One 統合データセキュリティ」にも触れる。「AIセキュリティを語るとき、重要な要素になるのが、データセキュリティです。そのため私たちも、データセキュリティに対する投資を続けています。そしてデータセキュリティへの対応として用意するのが、Netskope One 統合データセキュリティです。こちらはデータのアクセスについて、ダッシュボードから一元的に確認が可能なソリューションになっています。どのようなデータがアクセスされているかや、どういったデータ資産が存在しているかを明らかにするものです」

同社はデータセキュリティに関するソリューションとして、Netskope One 統合データセキュリティを用意している。

セキュリティとネットワーク運用を
効率化する新アーキテクチャ

 三つ目のNewEdge AIインフラの説明は、Netskope Japan シニアソリューションエンジニアマネージャー 小林宏光氏から説明が行われた。小林氏は、同社が提供するプライベートクラウド「NewEdge」を次のように説明する。「NewEdgeは、世界で220以上の国・地域に対応できるように展開しています。全てのデータセンターで、全てのセキュリティ機能を提供できるのです。また今後AIの通信がさらに大容量・高速化するに当たって、NewEdgeはお客さまのニーズを満たせるようにしていきます。そのために、AIアプリケーション向けの通信を最適化する『NewEdge AI Fast Path』を用意しました。主要なAIアプリケーション・クラウドへのアクセスにおいて一桁ミリ秒のレイテンシーを実現します」

NewEdge AI Fast Pathを説明するNetskope Japan シニアソリューションエンジニアマネージャー 小林宏光氏。

 四つ目のAIエージェントについて、小林氏はこう話す。「AIを使ってセキュリティとネットワーク運用を効率化するために、当社はエージェント型アーキテクチャ『Netskope One AgentSkope』を発表します。本アーキテクチャは、AIを活用してセキュリティオペレーションを簡素化するAISecOps、ポリシー設定を簡素化していくポリシーレコメンダー、AIでさまざまなアラートを可視化するインサイトとインテリジェンス、セキュリティデータについてのチャットボットを管理者に提供するプロダクトアシスタントの四つを柱にしています」

セキュリティとネットワーク運用の効率化を目指し、同社はNetskope One AgentSkopeを発表した。

 Netskope One AgentSkopeは、初回リリースでは六つの機能を提供する。

 一つ目は、エージェント型DLP分析を実現する「Netskope DLP AISecOps Agent」だ。このソリューションではセキュリティ運用アナリストの行動を模倣して、エンドツーエンドのデータ保護ワークフローを実行する。コンテキストに基づくリスク評価、インテリジェントなトリアージと調査、自律的なリスク修正を実施していくのだ。

 二つ目は、ゼロトラスト時代のリモートアクセスソリューション「Netskope Private Access AIOps Agent」だ。同社が提供するユニバーサルZTNA(Zero Trust Network Access)ソリューション「Netskope One Private Access」の設定を自動的に監査し、使用されていない設定を削除し、アクセス権限の不必要な残置を防いでくれる。ユーザーの利用パターンに基づいて、詳細なアプリケーションセグメントとポリシーを生成するのだ。

 三つ目は、インサイダー脅威向けの「Netskope Insider Threat AISecOps Agent」だ。本ソリューションは内部脅威のトリアージと分析に重点を置き、DLPアラートとユーザー行動データを組み合わせることで、悪意あるアクティビティを特定する。組織を内部脅威から保護するものになっているのだ。

 四つ目は、会話型アシスタントの「Netskope CCI Insights Agent」だ。8万5,000を超えるクラウド、AI、SaaSアプリケーションにわたる複雑なリスク属性やコンプライアンス認証について、SOCアナリストが自然言語でクエリを実行できるように支援する。アプリケーションリスクデータを、対話形式で利用可能なのだ。

 五つ目は、重大インシデントと根本原因を可視化できる「Netskope DEM Insights Agent」だ。組織のIT環境の健全性を俯瞰的に把握し、詳細なテレメトリーデータを関連づけることで、重大なインシデント、組織全体に影響を及ぼすトレンド、パフォーマンスのボトルネックを明らかにする。

 六つ目は、大量のデータの活用を支援する「Netskope DEM Data Intelligence Agent」だ。デジタルエクスペリエンス管理が収集する詳細なテレメトリーデータや未加工メトリクスを、自然言語による対話型インターフェース通じて、実用的なインサイトへと変換する。直観的な操作でユーザーエクスペリエンスの問題を迅速に把握・解決できるため、トラブルシューティング業務を大幅に効率化可能だ。

 最後に再度ナラヤナスワミ氏が登壇し、同社のAI戦略について「当社はすでにAIネイティブなプラットフォームを提供していること、お客さまが安全にAIを使えるように、私どもの技術が広く展開されていること、組織がAIの導入を図る中で、高速な環境が必要になったら当社のプラットフォームを使ってほしいこと、安全にAIを活用できる環境を提供することが、四つの柱です」と振り返った。