クラウドプラットフォーム[Microsoft Azure編]

寺田製作所

Microsoft Azureでのデータ連携で
製茶業界の業務負担を軽減

寺田製作所は1911年の創業以来、製茶機械を中心とした多様な機械の開発に携わってきた。現在では製茶機械だけにとどまらず、制御装置や制御盤、製茶業務の利便性を向上するソフトウェアなども提供している。長年製茶業界を支えてきた同社はさらなる業務効率化に供するために、提供済みのソフトウェアのクラウド化や、ソフトウェア同士の連携を目指したのだ。その際に活用したのが、Microsoft Azureだという。

 栽培履歴を抽出し、各種資料を作成する「栽培管理システム」、生葉評価装置により分析された生葉の全窒素・総繊維・水分を管理集計する「生葉評価システム」、荒茶の販売額、入金額を管理・集計する「販売管理システム」、製茶工場における賃金計算を正確・迅速に処理する「労務管理システム」の五つで構成されている。製茶工場で必要となるシステムをそろえ、工場全体の運営を支えてくれるのだ。
 また、Android/iOSで利用可能な茶畑管理アプリ「茶畑日誌」も提供している。本アプリは、茶畑で行った作業内容を自宅やその場で記録・管理可能なものになっている。茶畑の情報は地図と関連付けられるので、見やすく管理が行えるのだ。

製茶を支える機械・制御盤から
ソフトウェアまで幅広く提供

 寺田製作所は、緑茶の原料となる「荒茶」を製造する機械の設計・製造・メンテナンスを主な事業とする企業だ。近年では抹茶原料となる碾茶を製造する「超熱機」や「碾茶炉」、碾茶を粉末に加工する「美砕機」の開発・製造にも注力する。また製茶機械だけでなく、機械をコントロールするための制御盤や、製茶業務の効率化を支援するソフトウェアも提供しているのだ。
 提供するソフトウェアの例として、製茶工場統合システムの「会計さん」がある。本ソフトウェアは、生産者より搬入された生葉の受け入れから生葉代金の支払いまでを行う「計量精算システム」、生産者が記録した栽培履歴を管理し、製茶工場で生産された荒茶に対して栽培履歴を抽出し、各種資料を作成する「栽培管理システム」、生葉評価装置により分析された生葉の全窒素・総繊維・水分を管理集計する「生葉評価システム」、荒茶の販売額、入金額を管理・集計する「販売管理システム」、製茶工場における賃金計算を正確・迅速に処理する「労務管理システム」の五つで構成されている。製茶工場で必要となるシステムをそろえ、工場全体の運営を支えてくれるのだ。
 また、Android/iOSで利用可能な茶畑管理アプリ「茶畑日誌」も提供している。本アプリは、茶畑で行った作業内容を自宅やその場で記録・管理可能なものになっている。茶畑の情報は地図と関連付けられるので、見やすく管理が行えるのだ。

寺田製作所
技術部 電装課
システム技師
宮崎省吾
寺田製作所
技術部 電装課
加茂建一
寺田製作所
技術部 電装課
課長
塚本芳春
寺田製作所
技術部 電装課
システム技師
秋山尚寿

Visual Studioと親和性の高い
Microsoft Azureでデータ連携

 そしてソフトウェアのさらなる展開に当たり、活用しているのがMicrosoft Azureだという。

 寺田製作所 技術部 電装課 システム技師 宮崎省吾氏は、同社がMicrosoft Azureを採用した背景を次のように話す。「Microsoft Azureを使用する前から、当社ではマイクロソフトが提供する統合開発環境『Visual Studio』を利用してシステムを開発していました。そのためMicrosoft Azureは、Visual Studioと非常に親和性が高かったんですね。ですのでクラウドを採用する際に、新たに技術を習得する必要がなかったため、Microsoft Azureの導入を決定しました」

 続けて宮崎氏は、現状のMicrosoft Azureに対する満足度をこう語る。「今まで使っていたVisual Studioの延長で使えたため、使用に当たって抵抗感はありませんでした。現状は非常に満足しています」

 では具体的に、Microsoft Azureはどのような事例で活躍したのだろうか。「会計さんと茶畑日誌のデータ連携を行う際に活躍しました。従来、会計さんは茶工場内のPCにインストールして使うソフトウェアだったため、担当者が工場外で利用できない課題がありました。また当社が提供する生葉の受け入れ状況をリアルタイムで表示するアプリ『累計くん』も、会計さんのデータを参照する必要があるため、同様に工場外で使えない悩みがありました」(宮崎氏)

会計さんクラウドのPC利用時画面とタブレット使用時画面。本製品に記録したデータは、全てテラダコネクトに保管される。

 そこで同社は、Microsoft Azureで会計さんをクラウド化し、「会計さんクラウド」の提供を開始した。宮崎氏は会計さんクラウドと茶畑日誌の連携について、次のように説明する。「茶畑日誌で記録したデータは、当社のMicrosoft Azureのデータベース『テラダコネクト』を介して、会計さんクラウドの栽培管理システムと連携できます。この連携により、紙による記録用紙への記入や提出が必要なくなり、製茶工場でのデータ入力作業が不要になります。当初はこうしたデータ連携の経験がなかったのですが、Microsoft Azureを活用することで実現できました。お客さまは場所にとらわれず、会計さんや累計くんを使えるようになったのです」

 また、宮崎氏と共にデータ連携に取り組んだ寺田製作所 技術部 電装課 加茂建一氏は、Microsoft Azureの使用感についてこう話す。「私は主にiOSアプリの開発に携わっています。そのため、今までは開発の際にApple製品向けのアプリを開発できる言語『Objective-C』を使用していました。ですが今回はVisual Studioを通して、マイクロソフトが開発したプログラミング言語『C#』を使いました。こちらは非常に有用であり、iOSアプリだけでなくAndroidアプリも並行開発可能で、全て無事にリリースまでたどり着けました。Visual StudioとMicrosoft Azureを取り囲んで開発が行えた点は、良かったと思っています」

宮崎氏は「Visual Studioとの親和性が高かったので、Microsoft Azureを使うことに抵抗感はありませんでした」と語る。

製茶業界は若い世代を中心に
デジタル化の検討が増加

 寺田製作所 技術部 電装課 課長 塚本芳春氏は、製茶業界のデジタル化について、次のように触れる。「製茶業界のデジタル化は、まだこれからの部分が多いです。ですが、徐々にアプリやソフトウェアを活用する方も増えてきました。デジタル化を進めた方が、生産者さま自身も作業予定を立てることが楽になったり、過去の作業記録を確認できるようになったりと、より良い業務が行えるようになるのではないでしょうか」

 続けて寺田製作所 技術部 電装課 システム技師 秋山尚寿氏も、製茶業界におけるデジタル化の関心をこう話す。「製茶業界は高齢者の方が多く従事していたり、山間部に工場を置く方が多かったりするので、デジタル化に明るい方が少ないと感じています。それでも若い従業員の方を中心に、クラウドへの対応やスマートフォンの活用を考える方が増えてきましたね」

 こうした製茶業界のデジタル化への意向も踏まえつつ、宮崎氏は同社の今後のビジネス展望をこう語った。「Microsoft Azureを活用し、製茶業界に関わる方々の『困った』を解消できるサービスを提供していきたいです。会計さんクラウドはまだ一部機能のみを提供しており、開発中の段階なので、引き続き開発を進めていきます。また当社のサービスは製茶業界向けですが、今後は異業種にも応用できればと考えています」


Company Profile
会社概要

寺田製作所

ピコシステム

https://www.web-terada.jp/
本社:静岡県島田市牛尾869-1
設立:1945年3月
従業員数:156名(2025年12月時点)
主な事業内容:製茶業、農業用機械製造業(農業器具除く)、組み込みソフトウェア業