Artificial Intelligence/Artificial Intelligence Agent
2022年以降に相次いでリリースされた生成AIのサービスは日本国内でも注目され、企業での導入が加速している。この流れを受けて、矢野経済研究所は国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査を実施した。
生成AIの活用状況について、2023年の調査では「全社的に活用している」と回答した企業が1.3%、「一部の部署で活用している」が8.6%であり、利用率は1割未満にとどまった。2024年の調査では「全社的に活用している」が4%、「一部の部署で活用している」が21.8%であり、合計で25.8%の企業が生成AIを活用していた。そして、2025年の調査では「全社的に活用している」が11.3%、「一部の部署で活用している」が32.1%と、合計で43.4%もの企業が利用を開始しているという結果となった。
このように2025年には生成AIの利用率が4割を超え、わずか2年で企業における生成AIの利用は急速に拡大した。近年のITトレンドの中でも浸透の速度は異例であり、生成AIが企業の業務に取り込まれつつあると矢野経済研究所は分析している。
さらに、2025年の調査では「現在は活用していないが、将来的には活用したいと考えている」と回答した企業が23.4%を占めた。この活用意向層を含め、生成AIを利活用するユーザー企業の割合は、近い将来には8〜9割程度に達するとみられる。人口減少による労働力不足への対応を背景に、業務効率化を進める手段の一つとして生成AIを位置付ける動きがうかがえる。
AIエージェント導入への関心が高まる
ChatGPTの登場直後は汎用的なAI活用が中心で、業務への適用範囲には限界があった。こうした課題の解決に向けて業務へのAIの適用に取り組むユーザー企業は、より高度な生成AIの活用を志向している。この動向を受け、AIサービスを提供するベンダー企業も、ユーザーの指示に基づいて業務を進める対話型AIサービスから、AIが自律的に業務を遂行するAIエージェントの実現に向けた取り組みを本格化させ始めている。なお、本調査ではAIエージェントを「目的のために自律的に行動するAI」と定義している。
2025年の調査において、生成AIを活用していると回答した企業215社を対象にAIエージェントの利用状況(単数回答)を尋ねた結果、「利用中」と回答した企業は3.3%にとどまった。ベンダー企業は、エージェント機能を前面に打ち出したサービス展開や実証実験を積極的に進めている。一方で、多くのユーザー企業は対話型AIを業務で活用することになじみ始めた段階にあり、AIエージェントまで踏み込んでいるのは先行的な一部企業に限られているのが実状である。しかし、本調査では「導入検討中」と回答した企業が13.5%、「関心あり(情報収集中)」が49.3%と、前向きな回答が6割を超えている。この結果について、将来的にAIエージェントの導入が徐々に広がっていく可能性が高いことを示唆していると矢野経済研究所は分析している。


