今号のAzureから始めるAIとクラウドの未来では、「Azure Accelerate」を紹介します。2025年10月号の記事でも紹介しましたが、Azure Accelerateはオンプレミスやほかのクラウド環境からAzureへの移行やモダナイズを加速させます。マイクロソフトが提供している支援プログラムの一つとして提案が可能です。本稿では、よりビジネスをサポートするAzure Accelerateの支援内容を解説します。

専門家と投資支援のサポートに対応

「Azure Accelerate」は多様な観点からクラウド移行をサポートし、クラウドを活用したビジネスを推進します。パートナーさまが本プログラムを活用することで、Pre-SalesとPost-Salesの二つのフェーズで支援を受けられるようになります。まず、Pre-Salesにおいては、評価や査定を行うアセスメントや価値実証のプロセスであるPoV(Proof of Value)が対象フェーズとなっており、Azureへの移行やモダナイズ案件を短期間かつ低リスクで前進させます。Post-SalesフェーズではAzure Landing Zone(Azure環境を効率的かつ安全に構築・運用するためのフレームワーク)の構築や移行、運用開始を対象としています。パートナーさまのプリセールス実装コストや受注した案件において、構築作業を支援するプログラムとなっています。

 具体的なプログラムの中身は図1の通りです。マイクロソフトのエキスパートと支援金の活用によって、クラウドとAIの活用における変革を加速します。また、Azure Accelerateが対象となるAzureのシナリオについてはCore Migrate and ModernizeやMigrate to VDIからデータ、AIまで多岐にわたります。右下のQRコードの先のWebサイトでは、Azure Accelerateでサポートしている各シナリオを記載していますので、ぜひご確認ください。

 また、アジア・パートナー・エンゲージメント・デスク(PED)サービスも引き続き提供しています。PEDは大きく分けて三つのサービスで構成しています。Co-Sell(共同販売)の機会を増やし、パートナーさま主導の取引を成立させるために、マイクロソフトが提供しているOfferingのガイダンスや申請プロセスの確認を行います。そして、パートナーさまによるプログラム活用の質と量の両方を向上させるためにパートナーさまの理解度を高め、利用可能なリソースを活用するためのプログラムや該当する案件管理、進捗を確認します。最後に、案件の進行を早め、Offeringの申請プロセスを強化するディールコーチングの支援もしています。PEDを利用することでAzure Accelerateの促進につなげられます。

 Azure Accelerateでは「Cloud Accelerate Factory」も提供しています。マイクロソフトのエキスパートによるコストゼロのデプロイ支援によって自社の開発プロジェクトを迅速に始動できます。Cloud Accelerate Factoryは、30を超えるAzureサービスをAzureパートナーと共にデプロイし、レガシーなデータベースやアプリケーションの移行、セキュリティ、データ分析、AIワークロードの最新化など、タイムリーで高品質なデプロイを可能にします。こちらはAzure移行とともにソリューション開発支援を行うプログラムとなっています。システムの中断を最小限に抑え、Windows、Linux、SQL ServerのワークロードのAzureへのシームレスな移行を実現します。セキュリティ面では、Microsoft Defenderの対応やクラウドワークロード保護といったサービスを提供しており、「Microsoft Sentinel」を使用したクラウドセキュリティ体制の強化もサポートしています。

認定を取得しクラウド移行支援を受けよう

 Azure Accelerateを活用するためには「Azure Specialization」(Specialization)「Azure Expert MSP」または「Azure solutions designation」を取得してもらう必要があります。Azure Accelerateはこれらの資格を取得されたパートナーさまが利用できる特典となります。Specializationとは、Microsoft Cloud Partner Programにおける「ソリューションパートナー認定の“上位”に位置付けられる専門分野別の公式認定」です。特定の領域において、高度な技術力、実際の顧客実績、第三者監査による品質保証を満たすパートナーであることを証明するものとなります。Azure Specializationでは特定のワークロードごとに認定を行うため、特定の分野において安心して任せられるパートナーとしてAzure Accelerateが利用可能となるのです。

 なお、ダイワボウ情報システムではInfrastructure領域の中にある「Data Warehouse Migration to Microsoft Azure」と「Microsoft Azure Virtual Desktop」の二つのカテゴリーにおいてSpecializationを取得しています。Azure Accelerateのクラウド支援プログラムを基にパートナーさま向けの対象サービスを展開していますので、具体的なAzure移行の支援策を相談してみてください。

 今回は、Azure Accelerateの詳細概要とビジネスメリットを説明しました。この機会にパートナーさまのプリセールスと実装コストを支援するマイクロソフトのプログラムを活用し、Azureへの移行とモダナイズ案件を短期間・低リスクで進めていきましょう。また、プログラムの利用と併せて、自社製品の収益や専門知識などを証明するSpecializationの取得を提案していきましょう。

text:日本マイクロソフト 大北崇人 氏