シスコシステムズは2024年11月28日に開催した「「Cisco Partner Conference Japan 2024」において、約25年間提供されてきた従来のパートナー制度を刷新し、新しい「Cisco 360 パートナープログラム」を提供することを発表した。そして今年1月25日に新しいCisco 360 パートナープログラムの提供が開始された。そのCisco 360 パートナープログラムの推進責任者であり、グローバルでパートナー事業を統括するCisco Systems Senior Vice President, Global Partner Salesのティム・クーガン氏が来日し、新しいCisco 360 パートナープログラムの意義を語った。

どれだけ売ったかから
どれだけ価値を提供したかへ

 新しいCisco 360 パートナープログラム(以下、Cisco 360)の最大の特徴は、従来の「製品をどれだけ売ったか」という評価指標から、「顧客にどれだけ価値を提供したか」という評価軸を中心に捉えた点だ。これはプログラムの名称である「360」(正式な名称は“スリーシックスティ”)には顧客のライフサイクル全体(360度)をカバーすること、販売前から導入、運用、最適化までのパートナーのビジネス全体(360度)において顧客に提供した価値を評価すること、などの思想が込められているという。

 つまり単なる製品販売だけではなく、コンサルティング、設計、運用、マネージド、さらにはセキュリティやAI活用支援など、各プロセスにおいて関与の深さが評価の対象となる。

 長年にわたって提供されてきた従来のパートナープログラムを刷新した理由は何だったのだろうか。Cisco Systemsのクーガン氏は「実は従来のパートナープログラムのままでも問題はありませんでした」という。そして「問題がない状態に踏みとどまるのが嫌だったのです。当社とパートナーさまは、お客さまにもっと価値の高いものを提供したいと常に考えています。より価値の高いものを提供するために有効なパートナーさまへの支援ができる制度に変えました」と説明する。

 そして「Cisco 360は当社だけで策定したのではなく、日本を含む世界の3,000社以上のパートナーとグループミーティングなどを実施し、8,000件におよぶ知見を得て再構築しました。今年1月より提供を開始したCisco 360では、複雑な仕組みを削除するとともに、パートナーが持つ専門的な能力と実装力を評価し、柔軟性のある評価基準へ移行し、収益拡大を実現する構成に仕立てました」と説明する。

Cisco 360がもたらす価値とは
求められるマネージドサービス

 Cisco 360はパートナーに提供されるプログラムだが、パートナーの顧客であるユーザーにどのようなメリットをもたらすのか。その点についてクーガン氏は「Cisco 360では当社とパートナーさまが、お客さまにどれだけの価値を提供できるかが評価されます。その評価には例えばパートナーさまが自社の得意分野にどれだけ投資をしたのか、お客さまへの価値提供にどれだけ関与したのか、それからサービスの更新率や拡大率といった点も重視しています。その結果、お客さまはより多くの価値を受け取ることができます」と強調する。

 前述の通り新しいCisco 360では販売実績にとどまらず、顧客に提供した価値を中心に評価される。それは製品を販売することも重要だが、販売した製品を使い続けてもらうという点にも重点が置かれているからだ。

 クーガン氏は「お客さまは購入したテクノロジーが価値を生むことを求めています。お客さまが求めている価値を提供する方法として、シスコシステムズの製品にパートナーさまが提供するマネージドサービスを組み合わせることが挙げられます。今後お客さまもマネージドサービスを必要とするでしょうし、(シスコシステムズの製品の価値を提供することにおいて)ますます重要になると思っています」と話す。

日本のSMBに高いポテンシャル
SMBに強いパートナーを増やす

 グローバルで展開するCisco 360だが、国や地域によってビジネススタイルや顧客が置かれている環境が異なる。Cisco 360は市場ごとの対応も進めているという。
 クーガン氏は「世界の全ての各市場がおのおのユニークです。Cisco 360はグローバルなプログラムですが、市場ごとに最適化した体制を提供していきます」と説明する。

 ただし「私のこれまでの経験では米国のパートナーさまも、日本のパートナーさまも、異なるアプローチやプロセスを経たとしても最終的にはお客さまに対してより高い価値を提供することを目指しています。これは規模の大きなパートナーさまでも、小さなパートナーさまでも同じことです。ですからCisco 360の基本的な構成は、グローバルのどの市場のパートナーさまにもフィットすると考えています」と続ける。

 今回、クーガン氏は日本のパートナーに向けて新しいCisco 360の訴求と関係の強化を図るために来日した。日本のパートナーと直接話をした印象について「非常に感心したのはシスコシステムズの製品とパートナーさまが持つ製品のポートフォリオを融合して独自の価値を提供することに関して、とても興味深いアプローチを取っていることでした。またイノベーションに大変力を入れていることにも感銘を受けました」と話す。

 日本市場への期待について「日本市場にはたくさんのSMBのお客さまがいます。このSMBのお客さまのポテンシャルは非常に高く、SMBのお客さまを増やしていくことが日本市場での成長につながります。今後はSMBにリーチできるパートナーさまも増やして、日本市場での成長を進めていきます」と強調した。

Cisco 360 パートナープログラムの推進責任者であり、グローバルでパートナー事業を統括するCisco Systems Senior Vice President, Global Partner Salesのティム・クーガン氏が来日して、日本のパートナーを訪問した。