テレワークからハイブリッドワークへの移行が進む中、働き方はますます多様化している。このような変化に伴い、第三者による情報漏えいやマルウェア攻撃などに対するセキュリティ対策の重要性が、これまで以上に高まっている。VPNやファイアウォールによって保護されたネットワーク環境であっても、未知のマルウェアへの対応など、新たな脅威に備えるための対策が求められているのだ。こうした背景を踏まえ、富士通では「パソコンはセキュリティから選ぶ時代に」というコンセプトを提唱している。この考え方を具現化した製品の一例として、14インチノートPC「LIFEBOOK U9414/R」と、13.3インチ2in1ノートPC「LIFEBOOK U9314X/S」を紹介する。

包括的なセキュリティ対策を実現

 富士通では多様な働き方に対応するため、さまざまな利用シーンでのリスクに備える一歩進んだセキュリティ対策「Fujitsu Smart PC Security」を提唱している。Fujitsu Smart PC Security では、マルウェア対策や本人認証、データ保護といった多岐にわたる側面からPCの安全性を高めることを目的としている。このコンセプトを体現しているのが、「LIFEBOOK U9414/R」(以下、U9414/R)と「LIFEBOOK U9314X/S」(以下、U9314X/S)だ。

 マルウェア対策として、富士通独自のセキュリティチップ「Endpoint Management Chip」(EMC)とセキュアBIOSの組み合わせがある。PC起動時にBIOSへの攻撃や異常を自動で検知して素早い復旧を実現する。BIOSがウイルスの攻撃を受けて書き換えられ、PCが起動しないといったトラブルを回避できる。さらに両モデルともに、マイクロソフトが提唱するセキュリティ要件「Secured-core PC」に準拠したモデルが選択可能だ。Secured-core PC対応モデルでは、セキュリティチップ「TPM 2.0」の搭載によるハードウェアおよびファームウェアの保護、仮想化技術を利用したVBSによる保護を組み合わせることで、システムを多層的に防御できる。

 本人認証の強化も図られている。顔認証に対応したWebカメラを標準装備していることに加え、指紋認証機能付き電源ボタンや手のひら静脈センサーといった生体認証、ICカードを用いた本人認証を実現する「スマートカードスロット」を追加で搭載することが可能だ。多要素認証によるログインを実現することで、なりすましなどの不正アクセスを防止する。ただし、指紋認証機能付き電源ボタンと手のひら静脈センサーは同時選択できないため、注意してほしい。

 データ保護においては、暗号化機能付きのNVMe PCIe SSDを標準搭載している。内蔵データが暗号化されるため、端末の盗難や紛失があった場合でも情報漏えいのリスクを低減できる。加えて遠隔操作によるPCのロック・データ消去を行える「CLEARSURE Next」にも対応している。PCの電源がオフでも端末のロックやデータ消去を行え、実行結果と位置情報を把握することも可能だ。

 またWebカメラにはプライバシーカメラシャッターが標準装備しており、Webカメラの不正使用による画像データ流出を防げる。加えてU9414/Rでは、容易に着脱できるのぞき見防止専用プライバシーフィルターを選択可能だ。コワーキングスペースといった外出先でも安心して業務を行える。

重さ約879gと軽量で持ち運びやすいLIFEBOOK U9414/R。
LIFEBOOK U9314X/Sはペンとタッチパネルを搭載した2in1モデルとなっている。

富士通独自のこだわりを凝縮

 U9414/RとU9314X/Sは、「モビリティ」「ユーザビリティ」「デザイン」「品質」という四つの富士通独自のこだわりが凝縮されたノートPCだ。こだわりを一つずつ見ていこう。まずはモビリティだ。U9414/Rの本体の薄さは約15.8mm、重さは約879g※1、U9314X/Sの本体の薄さは約16.9mm、重さは約968g※2と、両モデルともに薄型・軽量のボディで持ち運びしやすい。さらにU9414/Rは狭額縁設計により13.3インチモデルと同等のフットプリントでありながら、縦横比16:10、WUXGA解像度の14インチモニターを搭載。画面に表示される縦方向の情報が多く、Webページの閲覧や表計算ソフトの編集などの作業を効率的に行える。また両モデルともに、外出先での長時間使用に耐え得る大容量バッテリーを採用している。U9414/Rは約30時間※3、U9314X/Sは約26.5時間※3の連続使用が可能だ。

 続いてユーザビリティだ。両モデルともに有線LAN、HDMI、USB Type-A×2、Thunderbolt 4対応のUSB Type-Cなどの豊富なインターフェースを標準搭載しており、インターフェースの不足に悩まされることがないだろう。さらにU9414/Rのキーボードは、各指の力に応じてエリアごとにキーの重さを2段階に調節したり、キートップをわずかに凹形状にした「球面シリンドリカルキー」を採用したりすることで、タイピングがしやすい設計となっている。またU9314X/Sはタッチパネルと筆圧を検知する標準添付の「太ペン」を活用した直感的な操作が可能だ。太ペンは3分の充電で90分の連続使用ができ、本体に内蔵する際に充電が行われるため、電池交換の手間がかからない。

 次にデザインだ。富士通では、PC本体の外観だけでなく、実用性や快適性にまでこだわって設計している。U9414/Rは長いヒンジ構造を採用することで、効率的な吸排気を確保しつつ、排気孔を目立たせないすっきりとしたデザインを実現している。U9314X/Sはモニターにコーニングが開発した強化ガラス「ゴリラガラス」を採用。透明性と強度を両立させている。

 最後に品質だ。両モデルともに米国国防総省調達規格「MIL-STD-810H」に準拠した振動試験や高温試験などをクリアしており、高い堅牢性を備えている。さらに富士通独自の200kgfの全面加圧試験や落下試験を突破しており、満員電車による外圧や机からの落下にも耐えられるのだ※4。

AI処理を高速かつ省電力で

 U9414/RとU9314X/Sは、AI処理に最適化されたアーキテクチャを搭載した「AI PC」となっている。CPUに「インテル Core Ultra 7/5 プロセッサー」を採用。インテル Core Ultra 7/5 プロセッサーは、CPU・GPUに加え、AI処理専用のNPU「インテル AI ブースト」を単一のパッケージに統合したプロセッサーだ。NPUの搭載に加え、CPUとGPU、NPUの全てにAI処理を高速化するアクセラレーション機能を実装しており、省電力かつ高速でAI処理を行える。

 U9414/RとU9314X/Sでは、どのようなAI処理が行えるのだろうか。U9414/RとU9314X/SはキーボードにCopilotキーを搭載しており、AIアシスタント機能「Microsoft 365 Copilot」(以下、Copilot)※5をワンタッチで起動できる。Copilotでは、テキストや音声、画像を使用したチャット形式の情報検索、メールのやりとりやWebサイト、PDFといったドキュメントの要約、文章や画像コンテンツの生成などが可能だ。手間のかかる作業をCopilotに依頼することで、業務の効率を向上させられる。

 さらにU9414/RとU9314X/Sには、Web会議をより快適にするためのAI機能を二つ搭載している。一つ目が「AIカメラエフェクター」だ。AIカメラエフェクターでは、暗い部屋でも太陽光や照明による逆光を自動で補正し、人物が画面の中心に映るように追従する。さらに、相手を見ているように視線を補正するため、より自然なコミュニケーションが可能だ。またシワやシミなどを自動で補正したり、背景をぼかす、またはほかの画像に変更したりすることもできる。二つ目が「AIノイズキャンセラー」だ。会議に必要な人の声と、犬の鳴き声や工事現場の騒音といった環境ノイズをAIが識別し、不必要な環境ノイズのみを抑制する。クリアな音声を相手に届けられるのだ。

 優れたセキュリティ機能やAI処理に最適化されたU9414/RとU9314X/Sは、ニューノーマルな働き方を支えてくれるノートPCだ。


※1 通常モデル(大容量バッテリー/タッチパネル非搭載モデル)。
※2 通常モデル。
※3 アイドリング時。
※4 無破損・無故障を保証するものではありません。
※5 別途有償。

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