法務分野以外への進出を目指して新会社を設立
事業戦略
LegalOn Technologiesは10月22日、法務以外の分野への進出を目的とした、新会社On Technologiesの設立を発表した。LegalOn Technologies 代表取締役 執行役員・CEO/弁護士 角田 望氏は、新会社設立の背景についてこう語る。「近年AIの発達が目覚ましい一方で、日本ではその導入・活用がグローバルと比較して大きく遅れています。当社はその原因を『日本の業務オペレーションに適したAIソリューションの乏しさ』『AI活用が個人に委ねられていること』『部署ごとの取り組みの分断』にあると考察しています。これらの課題を解決するためには、AIの活用が不可欠です。当社は法務AI『LegalOn』の開発・提供を通じて培ってきた専門AIの技術力を生かし、高度な専門性が求められる領域において、AIによる支援を実現すべく、新会社を設立しました」
On Technologiesでは、2025年度中に二つの新サービスを提供する予定だ。一つ目が、営業遂行AI「DealOn」だ。DealOnは、受注までの営業プロセス全体をAIがカバーする。管理ダッシュボードを通じてAIの稼働状況や進捗をマネジメントできるため、安心してAIに業務を任せられる。先行機能として、AIによる顧客メールの自動返信を、2025年11月よりトライアル提供する予定だ。
二つ目が、エグゼクティブ専用のAIアシスタント「CXOn」だ。エグゼクティブは顧客・対外活動や戦略立案、意思決定といった重要な業務よりも、メール・文書処理や会議準備、資料確認といった重要度の低い作業に多くの時間が取られている。この課題に対し、CXOnは人間の秘書のように、能動的にエグゼクティブを支える専属のアシスタントとして機能する。
ガバナンス領域にも進出
同社は本記者説明会にて、ガバナンス領域への進出を目的に、ガバナンスAI「Fides」を提供するFidesTechnologyとM&Aを行うことも発表した。
M&Aの活発化に伴い、日本企業はグローバルにグループ会社を増やしている。しかし、海外の子会社やグループ会社を管理できる適切なソリューションが少ないため、グループ全体のガバナンスを徹底することが難しくなっている。これにより、グループ会社の会計不祥事といった、インシデントにつながるケースが発生しているのだ。こうした課題に対応するため、LegalOn TechnologiesはFidesの提供を通じて、ガバナンス領域におけるAI活用を加速させる考えだ。
最後に角田氏は「『専門性×AI』を軸とした戦略の下、法務に限らず経営・ガバナンス・営業などあらゆる専門領域のオペレーションを、AIによって支えていきます」と意気込みを語った。

