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2021年の国内のERPパッケージライセンス市場は上向きへ

2021年の国内のERPパッケージライセンス市場は上向きへ

2022年09月05日更新

国内のERPパッケージライセンス市場は上向きに

Enterprise Resource Planning

 矢野経済研究所は、国内のERPパッケージライセンス市場を調査し、参入企業・ユーザー企業の動向、将来展望を明らかにした。

 2021年のERPパッケージライセンス市場は、前年比10.1%増の1,278億円となった。2020年は新型コロナウイルス感染拡大を要因とする、ユーザー企業の業績悪化懸念などから案件の先送りが発生して前年比1.4%増とほぼ横ばいだったが、2021年は一転して2桁成長する結果となった。

 市場成長の背景として、2021年はコロナ禍によるユーザー企業へのマイナスな影響が小さかったことがある。これに加え、2020年に先送りされた案件の多くが順当にスタートし、先送り分が追加需要として2021年に上乗せされたことも市場を押し上げた要因だと矢野経済研究所は分析している。以上を踏まえ、ERPパッケージライセンス市場は一時的な停滞を脱し、成長軌道に戻ったとみている。また、コロナ禍によって企業活動のデジタル化が進んだことから、クラウドでERPを利用する企業も着実に増加していると指摘した。

 同市場では、2022年1月に施行された「電子帳簿保存法」(以下、電帳法)の改正や2023年10月1日から開始される「インボイス制度」など法制度対応への注目度が高い。電帳法は改正によって要件が緩和されたとともに、電子取引における電子保存の義務化に対し2023年12月末までの2年間、猶予が認められることとなった。ERPパッケージベンダーは電帳法の猶予期間中にインボイス制度を含めた法制度対応の支援を進める考えだという。

インボイス制度への対応に注目

 2022年のERPパッケージ市場は前年比5.2%増の1,345億円の見込みだ。2020年に先送りされた案件の上乗せという特需的な要因があった2021年と比較し、伸び率は下がるが老朽化したレガシーシステムのリプレース、DXの一環としての経営基盤強化といったニーズが市場の成長を支えるとみている。

 コロナ禍で加速したクラウド化はERP導入における継続的なトレンドとなり、クラウドへのシフトはいっそう進展する見通しだ。なお、成長を鈍化させる要因となり得るのは、ウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰や物価上昇、急速に進む円安などによる外部環境の悪化だと指摘している。しかし、ユーザー企業では、経営環境の変化に対応するための手段としてERPに投資する前向きな姿勢が強まっており、景気後退が起きたとしてもERPへの投資凍結や大幅な予算削減に直結することはないと分析した。

2021年度のiPaaS市場は伸長の見込み

Integration Platform as a Service

 クラウドサービスの基盤を提供する代表的なサービスとしてIaaS、PaaS、SaaSなどを導入する企業が増える中、クラウドだけでなくオンプレミスも含めた企業の各種システムと統合的に連携できるPaaSサービス「Integration Platform as a Service」(iPaaS)の需要が高まっている。iPaaSは、APIベースの統合に加え、データベースやファイル連携といった従来型のシステム連携にも対応するコネクターを備え、ローコード/ノーコード型の開発ツールやビジネスモデル設計支援などの機能を備えている製品もあるという。アイ・ティ・アールは、そうしたiPaaSの国内市場予測を発表した。

 iPaaS市場の2021年度の売上金額は28億円で、前年度比36.6%増の高い伸びを示した。2022年度は同42.9%増と2021年度を上回る予測だ。背景として、企業におけるSaaSアプリケーションの利用拡大に加え、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境を志向する企業が増加傾向にあることを挙げた。

 アイ・ティ・アール シニア・アナリストの水野慎也氏は、同市場について次のようにコメントしている。「企業のデジタル化が推進し、システム間のデータ相互利用や、業務プロセスを跨いだ処理の自動化に対するニーズが高まっています。iPaaSは、複数システムのハブとなってデータを受け渡しすることに加え、定義したワークフローに基づき処理の自動化を行います。今後、企業システムはさらに複雑かつ高度な連携を求められることから、拡張性や将来の保守性は大きな課題になると予想されます。このため、企業の各種システムを連携し、一元的な管理を可能とするiPaaSは、企業のデジタル化の推進スピードを早める武器として、利用が拡大すると予想しています」

成長が続くマネージドセキュリティサービス市場

Managed Security

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、広範囲な領域を保護・管理するマネージドセキュリティサービス市場を調査した。

 同調査では、マネージドセキュリティサービスをセキュリティ運用・監視サービス、SIEM運用サービス、Webセキュリティ監視・運用サービス、メールセキュリティ監視・運用サービス、EDRメーカーが提供する「Managed Detection and Response」(MDR)サービスの五つの分野に分類し、各市場の動向を調査している。

 分野別のカテゴリーでの2021年度売上構成のうち、首位はセキュリティ監視・運用サービスだ。同サービスは前年対比110.2%の770億円で、74.7%のウェイトを占めている。理由として、近年のサイバー攻撃の多様化・高度化があり、攻撃の検知、解析も非常に高度な専門性を要する状況となっている。

 加えて標的型攻撃対策製品やEDR、複数のレイヤーのデータを集約・保護して解析を行う「Extended Detection and Response」(XDR)、クラウドサービスの利用を監視して適切なセキュリティ対策を行う「Cloud Access Security Broker」(CASB)、ネットワーク機能とセキュリティ機能を統合し、クラウド型で提供する「Secure Access Service Edge」(SASE)といった特長を持つクラウドセキュリティサービスをはじめ、新たなセキュリティ機器・サービスが次々と登場しているという。

 また、Emotetの活動再開やランサムウェアなど、メールを起点とするサイバー攻撃からの情報漏えいが課題となり、2021年度後半からメールセキュリティを強化する傾向が強まったと指摘した。

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