ダイヤテック
Majestouch Xacro M10SP

ライターを始めてからずっと、自分のタイピングスタイルに合うキーボードを探し続けてきた。そんな経験から、キーボードの一つの理想形は、左右分離型のエルゴノミクスキーボードだと感じている。しかし過去に製品化された左右分離型キーボードは、一体型キーボードの中でキー配列が分割されているものが多く、とにかく場所を取った。それに対してダイヤテックの自社ブランド「FILCO」のエルゴノミクスキーボード「Majestouch Xacro M10SP」は、コンパクトさとエルゴノミクス設計を両立した究極の分離型キーボードとなっている。
text by 森村恵一

タイピング作業と肩凝りの比例関係

 座席に座ってデスクでキーボードを長時間打ち続ける作業は、どうしても肩と腰に負担がかかる。長く座って作業するほど、原稿を書き終えた後に感じる身体の負担は大きい。そうした苦痛を軽減するために、こだわってきたのがタイピングとキーボードだ。少しでも負担を軽減できるように、キーを見ないで打てるよう訓練し、打鍵感を重視したキーボードを選んできた。

 しかし、どんなにタッチの優れたキーボードでも解決できない問題があった。それがキー配列だ。一般的な日本語配列キーボードは、テンキーレスであれば69〜91程度、テンキーありであれば106〜109程度のキーが整然と配置されている。キーボードが開発された当初から、キーは1列に並べられてきた。そのため、必然的に左右の指で打とうとすると、肩幅よりも狭い位置に手を伸ばさなければならなくなる。この体勢で集中してキーを打ち続けていると、身体に負担がかかることを実感するのだ。

 ライターに限らず、プログラマーや文書・表作成の業務が多いオフィスワーカーも、キーボードの優劣と肩凝りの比例関係は、実感しているのではないだろうか。そんな悩みを軽減する可能性を秘めたキーボードが、ダイヤテックのエルゴノミクスキーボード「Majestouch Xacro M10SP」だ。本体は左右に分離されており、左側の本体にPC接続用のUSB Type-Cポート、左右連結用のUSB Type-Cポート、USB Type-Aポートを、右側の本体に左右連結用のUSB Type-Cポートを備える。ほかにねじ状の高さ調節用脚が四つ付属しており、これらをキー背面に取り付けると、キーボードに角度を付けられるのだ。例えば、手前を高くしたり、中央を高くしたりといった調節が行える。

静音性の高い製品をラインアップ

 ダイヤテックによれば、国内でも自分専用のキーボードを求めるユーザーが増えているという。一般的なキーボードは、キーがそれぞれ個別のスイッチになっている「メカニカル式」と、キーボード全体に1枚のメンブレンシートスイッチを敷いている「メンブレン式」の2種類に分かれる。Majestouch Xacro M10SPは、このうちメカニカル式のキーボードとなっている。メカニカル式は打鍵感を選べる上、個別のキーを交換可能なので、長く使い続けられるメリットがあるのだ。

 Majestouch Xacro M10SPは、メカニカルキーボード用のスイッチなどを手掛ける独CHERRYが製造・提供する「CHERRY MXスイッチ」を採用している。CHERRY MXスイッチのうち、接点部にごくわずかにソフトな感触がある「MX茶軸」モデル、接点部にはっきりとした感触がある「MX青軸」モデル、滑らかで軽いキータッチの「MX赤軸」モデル、MX赤軸よりも打鍵音を抑えられる「MX Silent Red 静音赤軸」モデルの4種類をラインアップする。

 フリーアドレスで使うため、打鍵音を抑えたいユーザーはMX Silent Red 静音赤軸モデル、自宅だけで使用し、しっかりとした打鍵感とクリック音を求めるユーザーはMX青軸モデルなど、用途や好みによって製品を選択可能だ。今回借りたモデルはMX Silent Red 静音赤軸モデルで、滑らかで軽いキータッチと高い静音性を体験できた。

業務効率アップに寄与するマクロ専用キー

 Majestouch Xacro M10SPが開発された背景にはエルゴノミクスの追求に加えて、本製品最大の特長である、キーを組み合わせて使う機能をワンキーで実行可能な「マクロ専用キー」の使い勝手の追求もある。一般的なキーボード配列では、マクロ専用キーはキーボードの左右端など、隅に追いやられていることが多い。これでは、文字を打ちながらマクロ専用キーを使おうとすると、指がホームポジションから離れてしまう。

 その不便さを解消しようと、Majestouch Xacro M10SPでは、マクロ専用キーを人差し指で押しやすい位置に配置した。一般的なキーボードの中にマクロ専用キーを並べると配列に違和感が生じやすかったところを、分離型のエルゴノミクスデザインを採用して、マクロ専用キーと使いやすさを両立させたのだ。

 マクロ専用キーは8個搭載されているが、レイヤーと呼ばれる4種類の登録パターンを組み合わせると、最大で32種類のマクロ専用キーを活用可能になる。利用者から寄せられた声によれば、Ctrl+C、Ctrl+V、Ctrl+Xを登録するケースが多いという。

 キーボードの活用方法としては、テレワークの普及により自宅でノートPCにキーボードをつないで使うケースが増えている。ノートPCの前に一般的なキーボードを置くと、机の手前のスペースが狭くなりがちだが、Majestouch Xacro M10SPなら左右に分離できるためスペースを大幅に狭めずに配置することが可能となる。ライターやプログラマーだけにとどまらず、タイピングする時間が長く、肩や腰の疲労を感じやすいオフィスワーカーにも、ぜひMajestouch Xacro M10SPを使ってもらいたい。