レノボ・ジャパン
Yoga Book 9i Gen 8

13.3インチマルチモードPC「Yoga Book 9i Gen 8」は、レノボが展開するノートPC「Yoga Book」シリーズの3代目となるモデルだ。本のように使えるノートPCを目指して設計されたYoga Bookシリーズは、初代のAndroid版10.1インチ2in1タブレット「Yoga Book」と同モデルのWindows版「Yoga Book with Windows」が2016年、2代目の10.8インチノートPC「Yoga Book C930」が2018年にリリースされた。そこから5年の歳月を経て発表された本製品には、どのような魅力が秘められているのだろうか。
text by 森村恵一

デュアルモニターを満喫できるPC

 Yoga Book 9i Gen 8は、CPUにインテル Core i7-1355U プロセッサーを採用したハイエンドなマルチモードPCだ。最大の特長は、二つの13.3インチ2.8K有機ELディスプレイにある。2画面の2.8Kモニターにより、1台のノートPCだけでデュアルモニターを満喫できる魅力を備えているのだ。モニターは、2画面とも10点マルチタッチとペン入力に対応する。本体のヒンジは360度まで折り畳めるので、タブレットとしても使用可能だ。

 インターフェースは、Thunderbolt対応のUSB Type-Cポートを三つ搭載している。加えて、本体を縦向きにも横向きにも立てかけられるフォリオケース、Bluetooth対応の物理キーボード、ペンが付属する。物理キーボードはフォリオケースにマグネットで着脱できるので、フォリオケースにYoga Book 9i Gen 8を立てかければ、大画面のノートPCとしても使えるのだ。本体重量は約1.34kgで、一般的なA4ノートPC程度の重量になっている。

上画面で参考資料を見ながら、下画面で文字やイラストを描くといった使い方ができる。

2タイプのキーボードを選択可能

 物理キーボードをYoga Book 9i Gen 8の上に置くと、仮想タッチパッドの「Virtualタッチパッド」が表示される。さらに、下画面を同時に8本の指でタッチすると、ソフトウェアキーボードの「Virtualキーボード」を表示可能だ。Virtualキーボードは画面内で上下に移動でき、上部に置いた場合は下部にVirtualタッチパッドが、下部に置いた場合は上部に天気などの情報が表示される。用途や気分によって、物理キーボードとVirtualキーボードを使い分けられるのだ。

 Virtualキーボードを使う場合は、一般的なノートPCのように本体だけを持ち運べばよい。一方、物理キーボードを使う場合でも、フォリオケースを活用すればかさばらずに持ち運びが可能だ。フォリオケースは折り畳んだ際の隙間に物理キーボードを収納できたり、付属のペンを差し込めるバンドが用意されていたりするので、付属品をコンパクトにまとめられる。

 また付属の物理キーボードを使えば、2画面をフルに活用できる。一般的なノートPCを使い込んでいる人でも、自宅やオフィスのフリースペースでモバイルモニターを活用しているように、作業の効率化を考えるとモニターは一つより二つの方が良い。特にWeb会議を頻繁に行う人にとって、マルチモニターの有無は作業効率に大きな影響を与える。

 例えば、Zoomで自分のスライドを共有するときにモニターが一つしかないと、Web会議の画面とプレゼンテーションの画面を並べて表示するのが困難になる。時には、会議の参加者に見られたくないチャットまで画面共有されてしまう心配もある。こうした課題も、マルチモニターならば解決できる。

 かといって、常にモバイルモニターをかばんに入れて持ち運ぶのは面倒だ。持ち運ぶために、モバイルモニターのバッテリーも気にしなければならない。そうした手間と課題を、Yoga Book 9i Gen 8のデュアルモニターは解決してくれる。フォリオケースに立てかけて使えば、カフェで優越感に浸れるだろう。

文字入力は、物理キーボードとVirtualキーボードの好きな方を選択可能だ。

多彩に活用できるPCの理想形

 Yoga Book 9i Gen 8の360度まで折り畳めるヒンジを活用すれば、ラップトップとして使うだけではなく、反転させてタブレットでも、三角形に開いてテント型でも、そして平面に開いて液晶タブレットのようにも利用できる。ヒンジ部分には四つのスピーカーが内蔵されているので、Dolby Atomsによる迫力のあるサウンドが楽しめる。

 そして、スワイプによってコンテンツを画面間で移動可能だ。さらに表示中のコンテンツを5本指でタップすると、2画面に跨ってコンテンツを表示できる。例えば行数の多いExcel資料を見たいときは、Yoga Book 9i Gen 8を縦置きにして、Excel資料を5本指でタップすれば一覧性が向上する。加えて、Virtualタッチパッドの右にあるペンアイコンをタップするとペンでメモを書けるので、直感的に仕事のアイデアを書き残しておくことも可能だ。

 画面の奇麗さとデュアルモニターの多機能性により、ビジネスからプライベートまで活用できる1台といえる。これだけハイスペックな1台を手に入れたいユーザーは、デバイスにこだわりのある人物が多いだろう。Yoga Book 9i Gen 8をビジネスで活用する提案を受け止める顧客は、ノートPCユーザーの中でも、良い製品へ積極的に投資する得意先になる可能性も高い。

 同社の「Lenovo Go USB Type-C ワイヤレス マルチデバイスマウス」をはじめとしたBluetoothやType-Cレシーバーでの接続に対応するマウスも併せて提案すると、間違いなくハイエンド志向なビジネスユーザーの心に刺さる1台になるだろう。