販売データなどを機械学習する「Cloud Ascent」で潜在的な顧客にAzure提案を

今回は、パートナーさまのビジネスマーケティングを後押しする「Cloud Ascent」を紹介します。マイクロソフトのAIを活用したCloud Ascentを利用することでパートナーさまには新しいビジネスチャンスが創造され、パートナーセンターを通して、見込みの角度が高いお客さまを定期的にレポートに抽出可能となります。該当するお客さまに適切なマーケティング活動やAzureソリューションのご提案を行えるようになります。

日本マイクロソフト
パートナー事業本部
コーポレートソリューション営業統括本部
チャャネルセールス営業本部
チャネルセールスマネージャー
大北崇人 氏

　Cloud Ascentとは、現在取引のあるお客さまに対し販売データやさまざまなデータソースで機械学習を使用して、購入意欲のある潜在的なお客さまを洗い出し、新しいビジネスチャンスに関する最新の顧客傾向レポートを毎月作成できるツールです。パートナーさまは毎月20日にパートナーセンターでCloud Ascentの最新のレポートをダウンロードいただくことが可能です。ではCloud Ascentがどのようにパートナーさまのマーケティング活動に役立てられるのか、以下ではその手順を説明します。

　まず、ターゲットとなるお客さまを何百ものシグナルに基づいて機械学習モデルアカウントの適合性と購入者の意図の両方から、「高」「中」「低」「非常に低」にランク付けを行います。次にこれらのスコアをクラスター化し現在の顧客ベースの顧客の傾向を四つのクラスターに分類します（以下図参照）。四つのクラスターは「Act now」（今すぐ行動する: 営業対応のお客さま）、「Evaluate」（評価: マーケティング対応のお客さま）、「Nurture」（育成: 意識向上キャンペーンを推進する）、「Educate」（教育: 意図の教育と監視）で構成されています。それぞれのクラスターはEducateを最下層としており、「Very Low」「Low」「Med」「High」の4段階でレベルが上がっていきます。

　クラスタリングを使用すると、パートナーさまは、製品、地域、業界、業種などのセグメントに基づいて特定の顧客をターゲットにしたマーケティング活動や営業提案ができます。例えば、Nurtureでは認知度向上キャンペーンでターゲットを絞り込んだり、Educateでは購買意向や顧客の適合性の変化を監視したりする段階として分けられます。この二つはマーケティングチームからのキャンペーン活動や動画配信などのアプローチが有効です。お客さまの意向モデルは毎月、アカウントフィットモデルは四半期ごとに更新され毎月更新されるレポートとして表示されます。

　Cloud Ascentのデータはパートナーセンターの「Downloads Hub」から以下の手順に基づいてダウンロードが可能です。

・パートナーセンター※1
・必要な権限：エグゼクティブ レポート ビューアー、レポート ビューアー
・詳細な手順：ダウンロード ハブの概要※2

　Cloud Ascentをダウンロードすると、主な顧客属性、提案すべき各ソリューションプレイ、ソリューション分野での顧客傾向について利用できます。

　次に提案可能なワークロードが明確化されます。そしてAzureだけではなくMicrosoft 365のアップセルやDynamics 365でも同様に利用可能です。

　ではCloud Ascentにおいてどのようなレポートがダウンロードされるのかを具体的にお伝えします。ダウンロードされたレポートにはお客さまの企業属性の情報が記載されています。企業属性の中身は、お客さま名、従業員規模、業種業態、都道府県、市町村、Microsoftにおけるセグメント、スコアリング（Act Now、Evaluate、Nurture、Educate）に分類しています。

　さらに、該当のお客さまがソリューションプレイの一部に適合しているか判断するためのYES／NOのインジケーターが表示され、どのソリューションを提案すべきかを確認できるようになっています。ダウンロードされたレポートを基に、お客さまのニーズを捉え、より適切な活動が可能になります。QRコードにてデモ動画も準備していますので、ちょっとしたスキマ時間にご参照ください。※3

　今回はCloud Ascentをご紹介しました。Cloud Ascentをご利用いただければ、お客さまの分析データを基に、マーケティング活動や購買意欲のあるお客さまへ適切なAzure提案を行えるでしょう。ぜひこの機会にCloud Ascentをご活用ください。

text：日本マイクロソフト 大北崇人 氏