Microsoft アプリケーション×Azureの
活用シナリオをご紹介

Microsoftの各種アプリケーションをご利用いただいているお客さま、パートナーさまにおいてAzureを一緒に利用している、あるいは今後導入を検討している方は多くいらっしゃるでしょう。そのような皆さまに向けて、MicrosoftのアプリケーションとAzureを連携させ、業務改善を実現できる活用パターンについて紹介します。

日本マイクロソフト
パートナー事業本部
コーポレートソリューション営業統括本部
チャャネルセールス営業本部
チャネルセールスマネージャー
大北崇人

Teams×Azure OpenAI Serviceをチャットボットに

 数ある活用パターンの中で最初に紹介するのは、チャットボットとしての活用です。コミュニケーションツールであるMicrosoft Teams(以下、Teams)は、当社の多くのお客さまやパートナーさまに導入されています。実際に利用されている企業さまも多いのではないでしょうか。このTeams上では、言語AI学習プラットフォーム「Azure OpenAI Service」をBotアプリケーションとして活用可能です。

 通常業務の中で使っているTeamsをチャットボットとして応用することにより、社内コミュニケーションだけでなく顧客とのコミュニケーションの促進が期待できるでしょう。Teamsに準じた認証も行えるのです。個別チャットと同じインターフェースで、かつ対話形式での自然なコミュニケーションができるため、ユーザーのフィードバックなどを使用した自己学習による正確な応答を実現します。

M365×Microsoft Purviewによる保護

 次に、Microsoft 365(以下、M365)と情報保護ソリューション「Microsoft Purview」(旧称:Microsoft Information Protection)との連携があります。

 国内における情報保護対策は、サイロ化されたセキュリティツールや、それを支えるチームの旧態依然なインシデント対処などさまざまな課題があり、事後対応になりがちです。しかし、昨今はマルウェア被害などセキュリティインシデントが深刻化しており、事前防御や包括的で継続的なセキュリティ態勢を整備しておくことが求められています。さらに組織は、ビジネス継続・信頼構築のため、特定のプロジェクトのデータなど独自の情報を保護することが重要です。

 M365のアプリケーションとサービスには、Microsoft Purviewの「データのラベル付け」と「情報保護」の機能が組み込まれています。クラウド、オンプレミスのハイブリッド環境全体のデータを把握し、機密情報を可視化、識別します。そして、Azure上でデータのセキュリティレベルに応じて、ラベル付けによる分類と暗号化、タグ付けを行い、機密データを把握、保護、損失を防止できます。機密情報がどこに保存されていても、どこに移動しても、それらの情報の検出、分類、保護が可能になります。また、ID、アクセス管理、脅威保護、クラウドセキュリティ、エンドポイント管理、プライバシー管理機能も活用できます。

 ポリシーの構成と管理および分析結果の確認を、オンプレミス、M365のアプリケーションとサービス、デスクトップとモバイルデバイスの全てについて1カ所で行える点も強みです。

 Microsoft Purviewを使用することで、機密情報を保護し、コンプライアンス要件を満たすことが可能になります。

M365のIDや情報をMicrosoft Entra IDで管理

 最後は、M365認証とAzure Active Directoryから名称を刷新した、クラウドIDおよびアクセス管理ソリューション「Microsoft Entra ID」(以下、Entra ID)の活用パターンです。M365を利用する際の認証については、クラウドベースのユーザーIDと、認証サービスのEntra IDを利用しています。Entra IDは、Azureのサービスの一つで、「認証」と「認可」の機能を提供するものです。M365を利用されているお客さま、パートナーさまが、このEntra IDを導入することで、M365を含めた複数あるサービス・ソフトウェアのID・認証情報をEntra ID上でまとめて管理し、クラウドサービスのアカウント認証を一括で実現します。

 認証方法は、従来のパスワード認証をはじめSMS、電話、スマートフォン認証アプリケーション「Microsoft Authenticator」のほか、トークンによる多要素認証に対応しています。認証機能がより強化されました。Entra IDでは、さらにWindows 11に搭載されているWindows Helloによる生体認証、PIN認証(端末にひも付く番号)にも対応しているため、どのようなシーンであっても、豊富な選択肢から認証を行えます。

 今回はMicrosoftアプリケーションとAzureの活用パターンをいくつか紹介しました。AzureとM365との組み合わせは、Azureの導入を検討していたり製品に業務改善の課題を抱えていたりする企業さまのビジネスをサポートします。自社環境を生かした、M365やAzureのビジネス活用については、近くのダイワボウ情報システムの担当者の方にぜひご相談ください。

text:日本マイクロソフト 大北崇人 氏