Chromebookで業務プロセスの最適化を実現する「Gluegent Flow」

稟議をはじめとした各種申請を決裁するまでの“業務の流れ”は、あらゆる企業にとって必須の業務プロセスだ。2〜3人の従業員数であれば、稟議書や申請書などは不要かもしれない。だが、従業員が増えてくれば、申請から承認、決裁、さらには購買などの手配に至るまで業務の流れが生まれる。この業務の流れが途絶えてしまうと、現場の業務に支障を来す。そうならないために、イントラネットの普及に合わせてワークフローシステムが、さまざまな企業で導入されてきた。サイオステクノロジーの「Gluegent Flow」も、2011年のサービス提供以来、多くの企業から支持されているワークフローシステムだ。

業務の流れを止めない運用プロセス

 昭和時代は紙の稟議書が主流だった。オフィスには、課長や係長といった承認者の机上に2段になったトレーが置かれていて、上段が「申請」で下段が「承認」された書類を置く場所となっていた。令和時代になって社内ネットワークが普及してくると、業務の流れを加速させるためにオンプレミスのワークフローシステムを導入する企業が増えてきた。紙の稟議書からワークフローへの電子化は、ビジネスの速度を劇的に変化させた。しかし、平成時代の後半に普及したワークフローシステムも、令和時代になると新たな課題に直面した。働き方改革とコロナ禍により、イントラネットだけで利用できるオンプレミスのワークフローシステムには限界が来たのだ。在宅でも移動中でも、スマートフォンやタブレットから承認して業務の流れを止めない運用プロセスへの変革が求められるようになった。

 そうした要望に応えるのが、柔軟な働き方に対応したサイオステクノロジーのワークフローシステム「Gluegent Flow」だ。Gluegent Flowは、シンプルな操作性により誰でも簡単に使えるワークフローの構築と運用を実現する。Google WorkspaceやMicrosoft 365に対応し、認証の連携やデータの自動処理も可能だ。フルクラウドのサービスなので、Chromebookでも全ての機能を利用できる。また、トラブル発生時のサポートを行う「クラウドコンシェルジュ」と導入支援や利活用セミナーなどを行う「カスタマーサクセス」という二つのユーザーサポートを提供しており、初めての導入やほかのシステムからの移行といった不安を抱えるユーザーに寄り添った支援体制を用意している。

三つの導入段階を容易にクリア

 一般的なワークフローシステムの導入には、三つの段階がある。第1段階はメールアドレスの取得だ。Gluegent Flowは、独自のユーザーアカウントによるワークフローの構築にも対応しているが、通常は従業員が業務で登録しているメールアドレスを利用する。Google WorkspaceやMicrosoft 365を導入していれば、アカウント連携ができるので、この段階はクリアされる。

 続く第2段階は申請書の準備だ。ワークフローシステムの導入が頓挫してしまうケースでは、この段階に落とし穴がある。一般的なワークフローシステムは、システム部門が主導して必要な申請書や承認プロセスを整備していく。しかし、システム優先で申請用のフォームを設計してしまうと、使い勝手が悪く、現場で利用する従業員が混乱するケースがある。ワークフローを導入していない企業では、Excelで作成したファイルをメールに添付して申請を行っている場合もある。そうした運用をワークフローに移行するためには、できるだけ“前のまま”の形式を利用した方が良い。

 Gluegent Flowは、そうしたニーズに応え、Excelのデータをコピー&ペーストで入力フォームに変換できる。今まで運用していたワークフローの形式を踏襲できる入力フォームの作成は、ITに不慣れなユーザーでも迷うことなく簡単に扱える利点がある。あらかじめ61種類(取材時点)のテンプレートが用意されているので、ひな型をベースに必要な項目を追加して、オリジナルの申請フォームも編集できる。さらに「Google ドキュメント」もテンプレートに利用可能だ。こうしたフォーム作成の柔軟さと利便性は、第2段階のハードルをかなり低くする。

 そして、第3段階がワークフローモデルの作成だ。Gluegent Flowでは、「日報」や「稟議」などの名前を付けて、経路の種類を選んだら、利用したい入力フォームを指定するだけで、ワークフローモデルを登録できる。全ての操作は、Webブラウザーから項目を選択して文字を入力するだけなので、現場主導でワークフローの整備が行える。もちろん、Google Workspaceのアカウントと同期できるので、Chromebookでログインしたユーザーは、個別にGluegent Flowに再ログインすることなくワークフローを活用できる。さらに、Google Workspaceとの連携により、添付ファイルを「Google ドライブ」に自動で保存したり、承認や申請を「Gmail」で通知したり、入力項目のマスターデータとしてGoogle ドキュメントとGoogle スプレッドシート活用することも可能だ。ちなみに、ワークフローの通知は、Gmailのほか、「Chatwork」や「LINE WORKS」といったビジネス向けチャットツールにも対応している。

数社に跨る業務フローも構築

 Gluegent Flowは、Chromebookで入力フォームの作成からワークフローモデルの構築まで、全ての機能を活用できる。また、社内だけではなく複数の社外取引先に跨る業務フローの構築も行える。例えば、外部の委託業者をワークフローモデルと連携すれば、故障や修理の申請に対して、保証期間か否かを判断し、自社または委託先のどちらが対応するかを振り分けられる。さらに、修理した商品を配送業者に依頼するまでを一連のワークフローに組み入れることも可能だ。

 そのほかにも、2022年1月に改正された「電子帳簿保存法」に対応するためにGluegent FlowとGoogle Workspaceを連携し、Google ドライブでラベルを設定して決裁ファイルを自動で保存するといった運用もできる。

 Google WorkspaceやMicrosoft 365などの海外で開発されたグループウェアの多くは、業務の基準が各自に割り当てられているメールアドレスが基本で、提供されるサービスの中にワークフローは組み込まれていない。海外では、業務プロセスの中でワークフローを必要とする場合、サードパーティー製のサービスを組み合わせている。日本企業においてChromebookによる働き方改革を推進する上でも、Google Workspaceに対応したワークフローシステムの提案は効果的だ。もちろん、Gluegent Flowはフルクラウドのサービスなので、Chromebookをはじめ、WindowsやMac、iPhone、Androidでも利用できる。あらゆるOSやデバイスに対応する柔軟なGluegent Flowの提案は、将来的にChromebookへのリプレース促進にもつながるだろう。