One人事の「One人事 [タレントマネジメント]」は、人事労務システムをワンストップで提供している「One人事シリーズ」と連携する人事評価システムだ。中小企業から大企業まで、国内で60万人以上が利用している。タレントマネジメントシステムとして、人事評価・人材育成・人材配置・スキル管理・エンゲージメント・離職防止などの効果が期待でき、各社員の能力を最大限に引き出して組織の成果や、社員一人ひとりの働き方の進化に貢献する。

タレントマネジメントに必要な機能とは

「One人事 [タレントマネジメント]」は、企業の人事管理部門が求める人事評価のための指標を多数そろえている。その代表的な機能は、目標管理をはじめとして人事評価に関連する項目に、人材育成や配置のためのデータベース、スキル管理、エンゲージメント、人的資本の情報開示、人材データベース、組織図だ。さらに社員の声をキャッチするためのアンケートや管理部門が人事データを確認できるダッシュボード、データを詳細に調べるクロス分析の機能も備える。加えて、ほかのOne人事シリーズのデータと連携するための仕組みやシングルサインオンにも対応している。

 数ある機能の中で、特に優先的に求められる従業員育成のためのタレントマネジメントが、人材配置・人材育成・スキル管理・人事評価・エンゲージメント・離職防止などだ。まず人材配置では、組織シミュレーションによる仮想的な配置から、人材抜てきやジョブ型人事といった制度に対応できる。次に人材育成の中には、社員研修の管理や後継者育成、キャリアパスといった、社員の成長につながる管理システムが用意されている。そしてスキル管理ではリスキルにも対応する。こうした人材の配置や育成にスキル管理といった項目は、主に攻めの人事に求められるタレントマネジメントになる。

 そこまで積極的に活用するイメージが抱けない企業でも、One人事 [タレントマネジメント]を導入するメリットは、人事評価システムの改善や向上にある。人事評価に関連する機能では、社員評価制度管理や目標管理制度「Management by Objectives」、目標設定と成果管理のフレームワーク「Objectives and Key Results」、さまざまな立場の人が多角的に評価する「360度評価」が活用されるケースが多い。そうした評価制度のデジタル化にも効果的だ。

Excelの評価シートからの脱却

 One人事では、One人事 [タレントマネジメント]の導入が効果を発揮する企業規模として「社員数50名以上」を推奨している。50名未満の社員数であれば、社長や役員が全社員の働き方やスキルを把握しているケースもある。しかし通常の記憶力で把握できる人間の数は、100名が限界だという分析もある。大企業になれば、人事部門にも専任者が在籍して社員データベースを的確に管理しているのだろうが、中堅や中小企業になると社員台帳をExcelのワークシートで作成している例も多い。そのワークシートに、あまり正確ではない社員のスキルや評価を書き込んでいるかもしれない。こうした人事管理と評価手法では、従業員は人的資本としての価値を見いだしてもらえず、経営層は埋もれた人材の可能性を引き出せずに、事業の成長や発展への人的投資ができないままとなる。

 反対に、効果的なタレントマネジメントシステムを活用できれば、適材適所への人材配置が可能になり、経営者も従業員も幸せな働き方を実践できるようになる。そのために、One人事 [タレントマネジメント]は人材管理のデータベースとして、企業が求める社員のタレントを可視化する仕組みを提供している。

ノーコードで人材管理DBを設計

 One人事 [タレントマネジメント]は、一般的な組織で利用する人材管理のためのデータベースを任意の情報シートで作成でき、入力項目をノーコードで作れる。会社ごとに異なる項目や追加したい評価内容などがあれば、データを格納し計算するフィールドを簡単に設計することも可能だ。関数も用意されているので、項目ごとの集計や連携などもノーコードで開発できる。直感的なUIを採用したノーコード開発により、人事の担当者でも自社に合わせたタレントマネジメントを構築可能だ。

 もちろん、人事評価や査定の設計に関しては、専門のコンサルタントや社労士などによるアドバイスも重要になる。だが、多くのコンサルタントは書面による説明や資料の提供が中心になるので、実際にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しようとしてもシステム化の段階でとん挫する懸念がある。そうした心配に対してOne人事では、顧客の運用の実現に向けた作成アドバイス・説明まで伴走でのオンボーティング支援を提供している。専任の担当者が、企業の人事担当や役員に寄り添って設定を代行してくれるので、導入から運用まで確実に推進できる。

 そうしたOne人事 [タレントマネジメント]が適応できる業種の幅は広い。人材を大切にしている企業であれば、全て対象となるだろう。その中でもOne人事 [タレントマネジメント]が求められるケースには、段階があるという。第一段階は、従業員の把握だ。Excelのワークシートで社員台帳を管理している企業であれば、その一覧表をOne人事 [タレントマネジメント]のデータベースにするだけでも、かなりの効果が期待できる。Excelによる管理では、個々の社員にメールなどで人事評価のためのファイルを送り、記載した結果を返送してもらう。それだけでも手間がかかるが、戻ってきた記載内容を転記する手間もかかる。そうした業務の負担が、One人事 [タレントマネジメント]により解消される。それだけでも効果は大きい。続く第二段階は、集めたデータベースを基にした人事評価や平等な評価制度の実現だ。この段階になると、アンケートによる社員のスキルや意識の収集なども効果を発揮してくる。そして第三段階で、ダッシュボードによる社員情報の可視化や分析へと進化する。第三段階になると、経営層が求める人的資本経営へと近づく。さらにアンケートやほかの勤怠管理システムなどと連携すれば、社員のやる気や働き方をダッシュボードで可視化して、離職リスクの防止・改善なども検討できるようになる。

「すべての企業が、データを活用したテクノロジーの力で、従業員一人ひとりの可能性を最大限に引き出せる社会を実現する」というビジョンの下に開発されたOne人事 [タレントマネジメント]は、企業経営における「中央神経系(セントラル・ナーバス・システム)」として、組織の隅々にいる社員一人ひとりの状態を収集し分析することで、組織全体の活力を最大化していく。