皆様、こんにちは。
ダイワボウ情報システム Nutanix 担当の畠中です。

前回の記事 では、Nutanixクラスタの起動と正常性確認について解説しました。
今回は、これからNutanixを導入する方に向けて、Prism Centralの概要、展開手順、そしてライセンス適用までの流れ をご紹介します。

はじめに

 Nutanixを導入し、実際に利用開始するまでには、以下のような流れで構築作業を進めていきます。

 前回の記事では、機材到着後に実施するクラスタの起動作業について解説しました。本稿ではその続きとして、Prism Centralの役割を整理したうえで、具体的な展開方法とライセンス適用手順 を説明します。
 なお、Prism Centralの展開作業についても弊社で対応可能ですので、ご希望の場合はお気軽にご相談ください。

Prism Centralとは

 Prism Centralは、Nutanixクラスタ上に展開する管理用の仮想アプライアンスです。Nutanix環境におけるライセンス適用はPrism Centralから実施するため、導入時には必ず展開が必要 となります。
 ※現行では、Prism Elementから直接ライセンス認証を行うことはできません。

 新規クラスタを展開する場合は、あわせてPrism Centralを展開する必要があります。すでにPrism Centralが存在する環境では、新しいクラスタを追加登録し、複数クラスタを一元的に管理することも可能です(図1)。

 また、一部の機能はPrism Centralから有効化・設定を行います。

 たとえば、

  • Flow Virtual Networking(NCI Pro以上)によるオーバーレイネットワーク設定
  • Intelligent Operations(NCM Starter以上)による運用自動化

といった機能が該当します。

図1:Prism Centralによる、複数Nutanixクラスタの管理

Prism ElementとPrism Centralの違い

 Prism ElementとPrism Centralの主な違いは、管理対象展開方法 にあります。

管理対象

  • Prism Element:単一クラスタの管理
  • Prism Central:複数クラスタの一元管理

展開方法

  • Prism Element:展開不要 ※AOSに内包されているため、クラスタ起動時から利用可能
  • Prism Central:展開が必要 ※クラスタ起動後に、Prism Elementから仮想アプライアンスとして展開

 いずれもWeb UIを通じて操作しますが、Prism ElementはCVM上の管理画面に、Prism CentralはPrism Central VMの管理画面にアクセスします。

図2:Prism Elementの管理画面への接続
図3:Prism Centralの管理画面への接続

Prism Centralの展開

1|Prism Centralの展開準備

展開要件

 Prism Centralを展開するために、事前に以下の設定が必要となります。

要件 理由
iSCSIデータサービスIP 展開時にVolume Groupを使用するため。クラスタ展開後にPrism Elementから設定します。
Prism ElementのVirtual IP(VIP) マイクロサービスインフラストラクチャ(Prism Central 7.3以降で必須)で使用するため。クラスタ展開後にPrism Elementから設定します。
DNS/NTPサーバー(7.3以降必須) マイクロサービスインフラストラクチャで使用するため。Foundation時、またはクラスタ展開後にPrism Elementから設定します。

※ マイクロサービスインフラストラクチャとは、Flow Virtual NetworkingやObjectsなど、コンテナベースのサービスを展開するための基盤機能群を指します。

iSCSIデータサービスIPとVirtual IP(VIP)の設定

 iSCSIデータサービスIPは、仮想マシンがVolume Groupへ接続する際に使用されるIPアドレスです。Prism CentralはVolume Groupを使用するため、iSCSIデータサービスIPの設定が必須となります。

1|Prism Elementダッシュボードにアクセスし、左上のクラスタ名をクリックします。

2|Cluster Detailsの下部にあるData Services IP欄、Virtual IP欄に値を入力し、「Save」をクリックします。

2|Prism Centralの展開

Prism Elementの展開ウィザード

1|Prism Elementダッシュボードから、「Register or deploy new Prism Central」をクリックします。

2|表示されるダイアログで「展開」をクリックします。

 ここでは、

  • Prism Centralの新規展開
  • 既存Prism Centralへのクラスタ登録

を選択できます。今回は新規展開のため、「Prism Centralの新規展開」を選択します。

Version(仮想マシン名・イメージ選択)

1|Prism Central VM名を入力します。

2|現在のクラスタと互換性のあるPrism Centralのバージョンが表示されるため、インストールするバージョンを選択し、「次へ」をクリックします。

※ クラスタがインターネットに接続されていない場合は、「Prism Central 1-click deploy from Prism Element」ファイルと「Metadata」ファイルを手動でアップロードします。ダウンロードにはMy Nutanixへのパートナー登録が必要です。

Size and Scale(Prism Central VMのサイズ設定)

 Prism Centralのサイズ(Extra-Small、Small、Large、Extra-Large)を選択します。サイズ選択後、チェックボックスを有効にすると、Prism CentralをHA構成(仮想マシン3台でクラスタ構成)にすることができます。

 管理対象となるVM数や使用機能に応じて、適切なサイズを選択してください。サイズによって必要リリースが変わります。クラスタのリソースを圧迫する可能性があるため、サイジングの際には展開するサイズと必要リソースを加味する必要があります。
 なお、Extra-Smallは基本機能およびライセンス認証用途に限定されます。

Configuration(ネットワーク設定)

1|Networking Details

 以下の情報を入力します。

  • ネットワーク(事前に作成が必要)
  • サブネット
  • ゲートウェイ
  • DNS(複数指定可、「,」区切り)
  • NTP(複数指定可、「,」区切り)
  • コンテナ
  • Prism CentralのIPアドレス

2|Internal Network Configuration

 プルダウンを開き、Nutanix内部のネットワーク設定を確認します。Prism Central展開時には、内部通信ネットワークとして 192.168.5.0/24 が使用されます。特別な要件がある場合を除き、本設定はデフォルトのまま使用することを推奨します。

 システムの都合によりこのネットワークを他の用途で使用したい場合は「Use default settings」のチェックを外し、設定を行うことができます。

 この内部ネットワークはマイクロサービスインフラストラクチャのためのKubernetesノード間の通信用にVXLANを使用したネットワークです。

3|「展開」をクリックするとPrism Centralの展開が始まります。

4|Prism Centralの展開が終了すると、作成元のクラスタにPrism Central VMが展開されていることが確認できます。

5|展開確認後、ブラウザに「https:// Prism CentralのIPアドレス:9440」に接続することで管理ページにアクセスすることができます。初回ログイン時にはPrism Elementと同様に初期パスワードの変更、EULAの登録、Pulseの設定が必要です。

3|Prism Centralへのクラスタの登録

 Prism Centralへのクラスタの登録はPrism Elementを通して行います。

1|Prism Elementダッシュボードから、「Register or deploy new Prism Central」をクリックします。

2|「接続」をクリックします。

3|Prism CentralのIPアドレス(またはFQDN)、ポート、ユーザー情報を入力することでクラスタをPrism Centralに登録することができます。

4|登録後、Prism Elementダッシュボードに登録先のPrism Central名が表示されます。

4|ライセンス適用

 Prism Central展開後は、ライセンス適用を実施します。

最後に

 今回はPrism Centralの概要、展開方法、ライセンスの適用についてご紹介しました。これによってNutanix環境の構築は完了となります。次回のNutanix導入ガイドでは仮想マシンの作成方法についてご紹介予定ですので、引き続きご覧いただけますと幸いです。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました。