Managed Services

 矢野経済研究所はマネージドサービス市場を調査した。マネージドサービスとは、本来はユーザー企業が担うシステムの運用保守を、ITサービス事業者などへアウトソースできるサービスである。同調査によると、2024年度の国内マネージドサービス市場は、前年度比7.1%増の3兆3,040億円となった。

 この背景には、IaaSやPaaSといったクラウド基盤サービスの利用が進んでいることがある。これらの利用拡大に伴い、複数のクラウドサービスを組み合わせるマルチクラウドや、オンプレミスとクラウドを併用するハイブリッド環境が広がり始めているのだ。その結果、システム構成は複雑化し、ユーザー企業の運用負担も増加している。こうした運用負担を軽減する手段として、マネージドサービスへの期待が高まっているのだ。また市場拡大を後押しする要因の一つとして、フルアウトソーシングサービスが台頭しつつあることも挙げられる。フルアウトソーシングサービスとは、領域を限定せず、複数のシステムを統合してトータルに運用を行うサービスだ。他社によって構築されたシステムを含め、1社のベンダーがマネージドサービスを提供する形態へ移行する動きが強まっている。

 先述したマルチクラウドやハイブリッド環境は、引き続き拡大していくとみられる。ITに関する技術・サービスの変革スピードの速さやIT人材不足などにより、ユーザー企業における運用負担の削減ニーズも継続する見込みだ。また、AIを活用したサイバー攻撃への懸念から、テクノロジーに強みを持つベンダーによる支援サービスを望む動きが加速している。この動きにより、今後はマネージドセキュリティサービスが市場成長をけん引するとみられる。これらを受けて矢野経済研究所は、2028年度の国内マネージドサービス市場が前年度比9.6%増の4兆6,940億円に達すると予測している。

日本国内マネージドサービス売上高推移
出所:矢野経済研究所「マネージドサービス市場に関する調査(2026年)」
(2026年3月26日発表)