今号のAzureから始めるAIとクラウドの未来では、オンプレミス環境から「Microsoft Azure」へのクラウドシフト移行について検討を進めるため改めて情報を整理しながら紹介します。最近のオンプレミスやクラウドを取り巻く市場動向においては、まずサーバーのサポート終了(EOS)への対策が喫緊の課題となっています。そこで、EOSの対策の選択肢を見ていきましょう。

サーバーサポート期限を確認

 マイクロソフトのサポートに関しては、SQL Server 2016が2026年7月14日、Windows Server 2016が2027年1月12日にEOSを迎えます。二つの製品を利用されているお客さまは更新の方針をこの期間内に検討し、実施する必要があります。一部ではオンプレミスサーバーの調達の長期化による供給の問題も起きています。また、セキュリティの課題としては、ランサムウェアの増大によるセキュリティの脅威が拡大しており、その流れの中で脱VPNの需要が高まっています。さまざまな課題が多方面で起きている今だからこそ、このタイミングを単なるサーバー更新のタイミングではなく、今後5〜10年のIT基盤を見直す重要な機会と捉えてもらいたいと考えています。これにより、単なるオンプレミス環境のOS更改の検討ではなく、クラウドシフトを含めた企業のIT基盤全体を見直す絶好の機会が到来しています。このような状況を踏まえ、「Microsoft Azure」の強みや移行メリットを紹介します。

 それでは、Microsoft Azureの移行がお客さまやパートナーさまに有効な理由を説明します。まずEOSによるハードウェア更新やインフラ更改の負担の大幅削減が可能となる点です。オンプレミスを利用する場合、EOSのタイミングが来るたびに、サーバーの更新を検討しハードウェアの比較検討、選定、調達を行い、その上でOSのアップグレードとアプリケーションの検証を実施し、移行のための作業が行われます。これらの工程は、EOSのタイミングで都度繰り返される非常に負荷のかかる作業となります。一方でMicrosoft Azureの場合、マイクロソフトがサーバー、ストレージ、ネットワーク、データセンターなどを管理しているため、物理サーバーの更改や調達、設置、保守契約の更新作業が不要になります。Microsoft Azureは必要な時に必要なリソースを利用できるため、お客さまはサーバーライフサイクル管理から解放されます。クラウドへの移行はEOSへの対応そのものをなくすものではありませんが、EOSのたびに発生するサーバー更改のプロジェクトへの負荷を軽減可能となります。

 当社では、「Microsoft ライフサイクル ポリシー」として、製品の利用期間を通じて受けられるサポートに関するガイドラインを公開しています。本サイトの「お知らせ」というメニューでWindows OSやMicrosoft Azureなどの製品サポートに関する新着情報を提供しています。現段階でサポート終了、廃止する製品と期限日をアプリケーション単位でチェックできます。

 長らくマイクロソフト製品を使っている場合は、当該の製品とバージョンを確認してみてください。そこで製品がサポート範囲内であるのかという点と脆弱性に対応するまでのスケジュールなど判断目安が分かります。

Microsoft Azureへの移行メリット

 セキュリティ面においてもMicrosoft Azureは非常に堅牢です。EOS対応ではサーバー更改だけに目が向きがちですが、本質はセキュリティリスクへの対応です。マイクロソフトは年間数兆件規模の脅威シグナルを分析し、数千人規模のセキュリティ専門家と数百億ドル規模の投資でクラウドを保護しています。オンプレミスの場合、お客さま自身でサーバーやパッチ管理、脅威検知、SOC運用などを実施する必要がありますが、Microsoft Azureの場合、マイクロソフトが継続的にDDoS対策やID、ネットワーク保護、そしてさまざまな脅威分析へ投資しており、お客さまは最新のセキュリティ投資の恩恵を継続的に受けられます。オンプレミスでは自社単独で対応しなければならないセキュリティ対策を、マイクロソフトのグローバルな知見とともに実現し大きな価値を生み出します。つまりMicrosoft Azureへ移行することで、インフラ更改の準備に追われるのではなくお客さまのIT部門をインフラ管理からビジネス価値創出へ解放するための基盤となります。

 クラウド移行がどうしても難しい場合には、「Azure Arc」の導入をおすすめします。Azure Arcは、オンプレミスやさまざまなクラウド環境をAzureのリソースとして登録し、「Azure Portal」から一元的に管理できるサービスとなります。クラウド移行を急がずとも、運用管理やセキュリティをAzure基盤で統合できるため、ハイブリッドクラウド時代の運用基盤として活用可能です。

 Azure Arc対応サーバーを活用する手段もあります。Azureの外部 、企業ネットワーク、または別のクラウドプロバイダーでホストされているWindowsおよびLinuxの物理サーバーと仮想マシンを管理するという方法です。Azure Arcでは、Azureの外部でホストする仮想マシンについて、Azure内の各仮想マシンを表す「ハイブリッドマシン」と見なされます。これらのハイブリッドマシンは、Azure仮想マシンを管理するのと同じ方法で管理します。仮想マシンをAzure Arcに接続すると、接続された各仮想マシンには「Azure リソース ID」がひも付けられます。また、ほかのAzureのリソースとともに「Azure リソース グループ」に含めることになります。仮想マシンを Azure Arc 対応サーバーに接続すると、Azure仮想マシンと同様に脆弱性の管理、脅威の検出、OSの更新プログラムの管理など、多くの運用機能を実行できます。

 今回は、オンプレミス環境からMicrosoft Azureへのクラウドシフト移行について、その詳細とメリットを説明しました。昨今の市場動向や取り巻く環境を踏まえ、EOSを機会にぜひクラウド利用を検討してみてください。

Microsoft ライフサイクル ポリシーのガイドラインが載ったWebサイトはこちら!
https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/

Windows Serverの機能を強化するAzure Arcの詳細もチェック!
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-arc/servers/overview