
広がる#生成AIの商機に注目が集まる
新たなビジネスへの#情熱が渦巻く
今年も北海道から九州まで全国各地で開催
#DIS ICT EXPO 2025 in 関西 レポート
今年も「DIS ICT EXPO」が北海道から九州まで全国各地で開催される。その第一弾となる「DIS ICT EXPO 2025 in 関西」が6月11日に大阪・コングレコンベンションセンター(グランフロント大阪)で開催された。来場者数は3,018名に上ったそうだ。今年度はWindows 10のサポート終了(EOS)やNEXT GIGAなど大きな商機が期待されているが、中でもAIへの関心が非常に高く、ライバルに先んじてビジネスを創出したいと考える意欲的な来場者の姿が目立った。

従来と同じでは取り残される
意欲を持つ来場者であふれる
関西・大阪を皮切りに札幌、徳島、群馬、浜松、熊本の全国6会場で「DIS ICT EXPO 2025」が開催される。その第一弾となる「DIS ICT EXPO 2025 in 関西」にはICTソリューションを提供する世界中のメーカーとダイワボウ情報システム(DIS)のパートナーの112社が出展し、会場には1日で3,018名の来場者が訪れた。
会場には従来通りPCをはじめサーバーなどのインフラ製品やさまざまな業務ソリューション、セキュリティソリューションなどの最新のICT製品が世界中から集結し、来場者に紹介されるとともに、ビジネスのヒントとなるセミナーやワークショップも開催された。
今回のDIS ICT EXPO 2025 in 関西で目を引いたのは、各社が出展する最新ソリューションはもちろんなのだが、展示会場の各ブースに訪れる来場者の姿勢だ。従来もブースの説明員と来場者が熱心に話をする姿が見られたが、今回の会場ではその人数が圧倒的に多く、会話する時間が非常に長いことに驚かされた。
特にAI関連の製品にその傾向が強く、会話の内容に耳を傾けると、提供されるAIの機能に関する質問から、そのニーズや成長の可能性、さらにビジネスを獲得して伸ばしていくシナリオの議論まで、熱気のこもった会話が30分以上続けられる場面があちこちで繰り広げられていた。会場をレポートする筆者も各ブースの説明員に取材をしたいのだが、なかなかその順番が回ってこないというオチまでつくほどだった。
Windows 10のサポート終了(EOS)やNEXT GIGAといった大きな需要が期待できるビジネスはもちろん、あらゆる業種や業務でICTを活用する範囲が広がり、AIなどテクノロジーが高度化している現在、これまでとは違う場所にもビジネスチャンスが潜在しており、それを発掘してビジネスにつなげていくという意欲が来場者から強く感じられた。
ICTビジネスは以前より変化が激しいものだが、AIの出現、普及によってその変化はより速く、より激しくなっており、ビジネスチャンスをつかむにはトレンドを機敏に把握して理解し、素早く行動することが求められる。
今後は従来と変わらないビジネスへの取り組みを続けるプレーヤーと、変化を察知して積極的に行動するプレーヤーとの差が大きく開くことだろう。今回の来場者は圧倒的に後者が多く、変化を察知して有益な行動を迅速に始めるための情報と手段を得る場としてDIS ICT EXPO を捉えているようだ。DIS ICT EXPO の各会場は、これまで以上に熱くなりそうだ。

#生成AIは使いどころが肝心!
四つの領域と徹底比較
生成AIの全社的な活用のためには
習慣として組み込むことが重要
「ChatGPTのリリースから約2年半が経ち、生成AIは驚くほど進化しています」と、ダイワボウ情報システム(DIS) 販売推進本部 クラウド・アプリケーション販売推進部 部長 塚本小都氏は切り出す。例えば、Sunoが開発した音楽生成AI「Suno AI」やGoogleの動画生成AIモデル「Veo 3」のデモでは、専門知識がなくても短時間で高品質な作品が作れることが示された。さらにGoogleの「NotebookLM」が30枚の決算資料を音声で解説するデモも行われ、複雑な文書の理解にも生成AIが有効であることが強調された。
このような進化を続ける生成AIは、若い世代を中心に活用が進んでいる。大学生の62.9%が生成AIを利用した経験があり、中学生の利用率は親世代を上回っている。一方企業における生成AIの導入は、試験的な導入や検討段階にとどまっているケースが多い。その背景について、塚本氏は次のように指摘する。「企業では、まず情報システム部門が生成AIの検証を行うことが一般的です。しかし情報システム部門は、自部門での活用は検証できても、営業やマーケティングなど他部門での具体的な活用イメージを持ちにくく、結果として検証が完了しないケースが多発しています」
このような状況を打開するためには、部署に関わらず生成AIを実際に業務で使用し、習慣として定着させることが重要だと塚本氏は強調する。DIS社内では「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)の月間利用率が95%に達しており、生成AI活用の定着化の好例として紹介された。
生成AIツールは一つだけではなく
役割ごとに複数導入することが重要

生成AIは四つの領域に分類できるという。一つ目がチャット形式で対話できる「汎用AI」、二つ目が特定の業務に特化した「業務特化AI」。三つ目がビジネスアプリと連携して動作する「ビジネスアプリ+AI」、四つ目が自律的にタスクを遂行する「Agent」だ。セミナーでは、それぞれの領域に該当する具体的なAIツールが紹介された。汎用AIの例としてエクサウィザーズが開発した「exaBase 生成AI」が、業務特化AIとしてアドビの生成AI「Adobe Firefly」やAI Insideが提供しているAI OCRサービス「DX Suite」が挙げられた。さらに「ビジネスアプリ+AI」の例として、Zoomの生成AIアシスタント「Zoom AI Companion」やダイレクトクラウドの「DirectCloud AI」も取り上げられた。
中でもCopilotは、汎用AI、ビジネスアプリ+AI、Agentの機能を横断的に備えている。DIS 販売推進本部 クラウド・アプリケーション販売推進部 サブスクリプション推進グループ 課長代理 坂本 旬氏は、DIS社内におけるCopilotの活用事例をこう語る。「専門用語の分かりやすい説明やタスク管理、会議の要約を行うなど、汎用AIやビジネスアプリ+AIとして活用しています。さらに、TeamsのWeb会議から議事録を作成しタスクを割り当てたり、社内マニュアルを学習させてFAQ対応に活用したりするなど、Agentとしての利用も進んでいます」
最後に塚本氏は、生成AIの導入について「生成AIの導入は、特定のツールのみ利用するのではなく、複数のソリューションを組み合わせることが重要です」と締めくくった。

販売推進本部
クラウド・アプリケーション販売推進部
サブスクリプション推進グループ 課長代理
坂本 旬 氏

販売推進本部
クラウド・アプリケーション販売推進部
部長
塚本小都 氏
#AWSビジネス成功への道筋
~AWSパートナー戦略、DIS支援、事例で描く未来~
販売パートナーとの連携を強化
クラウド利用の拡大を目指す
販売パートナーがAmazon Web Services(AWS)のリセールビジネスを加速させていくためにはどうすれば良いのか。特別講演では、AWSのパートナー戦略やDISが提供するAWSビジネス支援メニュー、AWSビジネスの成功事例などが紹介された。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWSジャパン)広域事業統括本部 パートナービジネス推進担当部長 中野裕介氏は「クラウドのニーズは高まり続けているものの、地方企業においては『導入に一歩踏み切れない』といった声が多く、利用が進んでいないのが実情です。そうした地方企業に対して大きなビジネスチャンスがあると考えています。また、少子高齢化などによって企業におけるIT人材の不足が深刻化しています。クラウドの利用を加速させるためには、IT人材が必要であり、これを補う存在となるのが販売パートナーの皆さまです」と説明する。
AWSジャパンでは「生成AI」「マイグレーション・モダナイゼーション」「人材育成」などを戦略領域に位置付け、販売パートナーと連携しながらサービスの拡大を目指している。生成AIの領域では、ビジネスで成果を上げるための生成AIとして、生成AIアプリを作成できるサービス「Amazon Bedrock」、生産性向上のための生成AIとして、アプリケーション開発を支援する生成AIアシスタント「Amazon Q Developer」などを提供する。
マイグレーション・モダナイゼーションの領域では、メインフレームからの切り替えや仮想化基盤の見直しなどを契機とするクラウド移行を包括的にサポートする。人材育成の領域では、eラーニングプラットフォーム「AWS Skill Builder」をはじめ、さまざまな認定制度やトレーニングプログラムを展開しながら、販売パートナーのスキル向上を支援していく。
豊富な支援策を用意
AWSビジネスを成功に導く
現在、約1,300社の販売パートナーがAWSビジネスを行っている。この勢いを加速させるため、DISではイベントを通じた情報発信やトレーニング講座など多様な支援策を用意する。DIS 販売推進本部 戦略ビジネス推進部 クラウドサービス推進グループ マネージャー 藤井雄哉氏は「販売パートナーさまがAWSのリセールビジネスを行う上で、障壁となる課題をカバーします。ビジネスステージに応じた支援体制によって、販売パートナーさまのビジネスを成功に導きます」とアピールした。
本講演の最後には、DISの支援サービスを活用し、AWSのリセールビジネスを成功させた企業として、Sun Asterisk Customer Experience Rep Division Senior Evangerlist 増渕健二氏が登壇した。増渕氏は、ワークショップ・ロールプレイングを通じて実案件の発掘を目指すトレーニングサービスである「DIS実践提案道場 for AWS」を例に挙げ「自社の状況に合わせてカスタマイズトレーニングが行えたことや、自社の競争優位性を再認識できたことがビジネスを進める上で大きな利点となりました。DISさまの支援サービスを通して得られた新たな発見は、AWSビジネスの成功につながりました」と語った。今後もAWSジャパンとDISは、販売パートナーのAWSビジネス成功に向けて支援を進めていく。

広域事業統括本部
パートナービジネス推進担当部長
中野裕介 氏

販売推進本部
戦略ビジネス推進部
クラウドサービス推進グループ マネージャー
藤井雄哉 氏

Customer Experience Rep Division
Senior Evangerlist
増渕健二 氏
BOOTH INTERVIEW

当社はAI-OCRサービス「DX Suite」を提供しています。本製品はAI-OCR機能を強化したことで、お客さまから負荷が下がったと意見を聞いています。さらに人名か会社名かなどより細かく指示を行えば、もっと精度を上げられます。紙の業務の負担が多いお客さまの課題を、ダイワボウ情報システムさまや販売店さまと解決します。(AI inside Partner Sales事業部 Scale Partner Sales Division Scale Partner Sales Unit 田上百合子氏)

当社の「DirectCloud」はユーザー数無制限のクラウドストレージです。集約したナレッジをフォルダー単位で問い合わせ、マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」などと連携すればデータを要約した回答を行えます。本製品はファイル共有やファイルサーバーを使う方全てに提案しています。DirectCloudに上げたファイルは、本製品の中だけでセキュアに扱えます。(ダイレクトクラウド 営業本部 営業部 ダイレクター 日比野 明氏)

当社の「Zoom」は、多様な機能を使えるプラットフォームに進化しています。さらに文字起こしや電話サービス「Zoom Phone」など、AIで業務を支える機能を複数備えています。特に対面会議の録画・録音内容を自動で文字起こし・要約可能な「ボイス レコーダー」は、Web会議の業務改善に役立ちます。(ZVC JAPAN 公共サービス営業本部 自治体営業部 西日本エリア担当 シニアアカウントエグゼクティブ 村尾晶弘氏)

当社の「exaBase 生成AI」は最新のLLM(大規模言語モデル)を活用可能な社内向けのChatGPTを提供しています。チャットの中にPDFをアップロードしてデータを分析する機能も搭載します。音声ファイルの文字起こしのほか、画像認識によるデザイン案の提案なども可能です。セキュリティ要件が厳しいお客さまとの実績があり、安全に活用できます。(エクサウィザーズ AIプロダクト事業本部 公共事業推進 長谷川和重氏)
PICKUP BOOTH

グーグルのブースでは、SaaSである「Google Workspace」と生成AI機能である「Gemini」が紹介されていた。展示されているパネルでは、Geminiで実現するAI機能の詳細が参照できた。また「Chrome OS」についてのパネルも展示されていた。こちらでは、ほかのOSと比較して導入時間が63%削減されるなど、OSの優位性も確認できた。そのほか「Google for Education」の「教育DXパッケージ」「GIGAスクールパッケージ」など、教育機関向けのさまざまなサービスも紹介されていた。

日本マイクロソフトのブースでは「Microsoft Copilot」「Microsoft 365 Copilot」「Copilot+ PC」を中心に展示が行われていた。Windows 10のサポート終了(EOS)の喚起もあり、それに関連してWindows 11 ProやMicrosoft 365もアピールされていた。マイクロソフトは今年で設立50周年を迎え、展示ブースにも「50」のマークが示されていた。同社は全ての製品にAIを組み込むことを宣言しており、今後セキュリティ製品を含めたマイクロソフトの製品全てにMicrosoft Copilotを組み込む予定だ。なおMicrosoft Copilot/Microsoft 365 Copilotは、本イベント内で操作体験会が開かれた。その様子はP.127をチェックしよう。


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