AI PCやCopilot+ PCの登場により、PCは単なる作業端末から“体験価値”を提供する存在へと進化している。Windows 10のサポート終了(EOS)を経て、PCの在り方が改めて問われる今、メーカー各社はAI時代の業務環境にどう寄り添っていくのか。レノボ・ジャパン、日本HP、デル・テクノロジーズの3社に話を聞いた。
レノボのCopilot+ PC戦略
業務に自然に溶け込む設計思想

製品企画本部
プロダクトマーケティング部
部長
元嶋亮太 氏
PCの選び方は、スペック重視から“体験価値”重視へと変化しています。Copilot+ PCやAI PCが注目を集めていますが、当社はそれを特別な存在としてではなく、日常業務に自然に溶け込む実用的なPCとして位置付けています。
レノボでは、Copilot+ PC対応モデルとして、インテル「Core Ultra プロセッサー」やAMD「Ryzen AI プロセッサー」を搭載した製品を展開しています。用途に応じて選べるよう、「ThinkPad」シリーズを中心に幅広いラインアップをそろえています。
例えば、「ThinkPad X13 Gen 6」は、約933gという軽さと堅牢性を兼ね備えた13.3インチのノートPCです。AI機能による業務支援はもちろん、長時間駆動のバッテリーやユーザー自身によるバッテリー交換にも対応しており、モバイルワーカーのニーズにしっかり応える1台です。
AI機能はOS上のアプリに依存する部分が多いですが、レノボ独自の工夫もあります。カメラによる人物検知や、誤操作防止のタッチパッドなど、快適性とセキュリティを両立させる設計を行っています。
こうした使い勝手の工夫に加え、サポート面でも国内拠点での対応や、導入後の技術情報提供、セミナー開催などを積極的に行っています。Copilot+ PCの価値を正しく伝えるため、販売パートナーさまへの支援も強化しています。
製品そのものの使いやすさと、導入後の安心感。その両面を支えることで、PC選定は“体験価値”を重視する新たなフェーズに入っています。
Windows 10 EOS後の環境でも、当社はその変化に寄り添い、最適な製品と支援を提供してまいります。


AI PCが支える働き方
快適性とセキュリティの融合

パーソナルシステムズ事業本部
クライアントビジネス本部
CMIT製品部長
岡 宣明 氏
HPはAI PCを軸に、次世代の働き方を支える提案を強化しています。そうした中で、私たちが現在展開しているのが、インテルモデルの「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」と、AMDモデルの「HP EliteBook X G1a 14 AI PC」です。どちらもAI処理に対応した高性能なノートPCで、モバイル環境でも安心して業務に取り組める設計となっています。
AIを活用した「HP AI Companion」や「Poly Camera Pro」など、快適な使用環境を支える機能も充実しています。HP AI Companionは、AIがPCの設定や最適化を支援するアプリで、日常の運用をスムーズに進められます。Poly Camera Proは、映像の補正や視線の調整を自動で行い、オンライン会議の快適性を高めてくれます。
バッテリー性能も大きく進化しています。NPUが処理を担うことでGPUの負担が減り、消費電力も抑えられます。これにより、1日安心して使える駆動時間を実現しています。
そしてセキュリティ面も、当社製品の大きな強みです。「HP Wolf Security」や独自チップによって、端末をハードウェアレベルで保護します。AI時代にふさわしい安心・快適な使用環境を実現します。
こうしたさまざまな機能を搭載したHP EliteBook X G1i 14 AI PCとHP EliteBook X G1a 14 AI PCによって、働く人は定型作業から解放され、より創造的な業務に集中できる環境が整えられます。
“はたらく人に、こだわる自由を。”──このメッセージを、HPのAI PCは確かなかたちで支えていきます。


信頼性と使いやすさを両立
業務に強いAI PC

マーケティング統括本部
クライアント製品 ブランドマーケティング
コンサルタント
白木智幸 氏
デル・テクノロジーズでは、2025年1月にPC製品のリブランドを行い、その中でも法人・ビジネス用途に特化した「Dell Pro」シリーズを中心に展開を強化しています。
Dell Proシリーズでは、Copilot+ PCの要件を満たす構成を選択いただけます。NPU性能が40TOPS以上で、メモリーやストレージも十分な仕様となっており、AI処理をクラウドではなくローカルでしっかり動かせる点が特長です。インテル製とAMD製のプロセッサーを搭載したモデルも用意しており、性能重視のお客さまにも、コストを抑えつつAIを活用されたいお客さまにも柔軟に対応できる内容になっています。
日々の業務における使い勝手にもこだわっています。例えば、「Microsoft Teams」や「Zoom」などのWeb会議ツールで利用できる「コラボレーションタッチパッド」を搭載しています。マイクやカメラのオン/オフといった会議中に必要な操作を素早く行えるほか、誤操作を防ぐ判別機能や、使わない時にスワイプで非表示にできる設計など、実用性の高い工夫が施されています。
さらに、修理や部品交換がしやすいモジュラー型USB Type-Cポートの採用や、バッテリーのコバルト使用量を最大80%削減するなど、環境への配慮とメンテナンス性の改善にも力を入れております。こうした工夫により、業務の継続性を支え、廃棄物の削減にもつながると考えています。
今後もDell Proシリーズをはじめ当社では、AI時代の業務環境にふさわしい信頼性と使いやすさを追求し、お客さまの生産性向上に貢献してまいります。








