今号のAzureから始めるAIとクラウドの未来では、2025年7月から新年度である「FY26」を迎えた当社の新たな市場戦略を紹介します。昨年度のFY25では、六つのカスタマーソリューションエリアを軸とし、AIを中心に市場に大きなインパクトを残せました。今年度はその六つのカスタマーソリューションエリアを三つに定義し、ビジネスを推進していきます。
包括的なシステム刷新を支援
「Azure Accelerate」とは2025年7月に新たに統合・刷新されたクラウド支援プログラムです。「Azure Migrate & Modernize」「Azure Innovate」「Cloud Accelerate Factory」の三つの既存オファリングを一つの統合したサービスとして提供する包括的な支援の枠組みとなっています。この統合により、クラウド移行およびAIなどの導入・移行・革新において、ソリューションプレイやプロジェクトの規模を問わず、シンプルで明快なオファー体系を実現し、プロジェクトサイズの基準が明確になりました。そして、登録プロセスも簡素化され、併せて、パートナーさまが活用できる費用やプログラム、ツールも拡充しています。さらに、パイプラインの構築や案件獲得を後押しする「Go-to-Market」の支援もあり、販売スピードの向上にもつながっています。
Azure Accelerateには大きく三つのメリットがあります。詳細は以下の通りです。併せて、それらを支援する体制も準備しています。
1.専門家による支援
マイクロソフトとパートナーさまとのエコシステムでの専門知識の活用や、Cloud Accelerate Factoryを活用し、無償での技術支援、導入サポートを受けられます。Cloud Accelerate Factoryは、マイクロソフトが提供するクラウド導入支援プログラムです。主な目的は、企業がAzureへの移行やモダナイゼーションを迅速かつ効率的に進められるよう、マイクロソフトとパートナーさまによる共同支援モデルをお客さまへ提供することです。これらは、プロジェクトの規模にかかわらず、パートナーさまと共同提供を通じて30を超えるAzureサービスの導入を支援します。それには数千に及ぶ顧客導入から得られた実証済のベストプラクティスを活用し、Azureのプロジェクトを加速させられます。
2.マイクロソフトによる投資支援
パートナーさまがあらゆるAzureのプロジェクト内で特定のマイルストーンを実行するために、プロジェクトのサイズと種類、プロジェクトのフェーズに応じた支援金を提供します。これには、PoV(Proof of Value)の構築や、Azure上でのソリューションの実装などが含まれています。こちらを活用することで、より迅速にビジネス成果を上げられます。そして、Azureクレジットも準備しており、導入コストを抑えながら迅速なクラウドに展開できます。無料のオンデマンドコンテンツや組織の学習を支援するためのトレーニングも提供しています。またその中にはAzureの資格取得のための準備も対象に含まれており、社内の皆さまのスキルアップの実現が可能です。
3.包括的なリソースの提供
アセスメントサービスとAIで強化されたツールを活用し、クラウドへの移行の簡素化を実現します。またそれらのリソースは全てのプロジェクトフェーズに対応しており、評価、PoC、パイロット、フル導入まで、あらゆる段階で支援します。そして移行、データベース、分析、アプリケーション、AIにわたる全てのシナリオでサポートしています。

三つの支援策とAzure製品で提案
前述した内容を支援する窓口も準備しています。それが「アジア・パートナー・エンゲージメント・デスク」(PED)というサービスです。PEDでは、マイクロソフトのオファリングに関するガイダンスの提供、作成依頼、申請プロセスの確認を行います。パートナーさまが本プログラムの理解度をより高め、利用可能なリソースを十分に活用してもらうためのプログラムも準備しております。また、申請プロセスを迅速化し、申請数を増やす支援も行います。ぜひとも本支援窓口を活用してください。
今回は、Azure Accelerateの具体的な内容を紹介しました。すでに多くのパートナーさまが本プログラムを活用し、何千もの企業のクラウド移行を進めています。
この機会にAzure Accelerateを活用し、お客さまのオンプレミス環境のクラウドへの移行を進めていきましょう。もしくはすでにクラウドをご利用いただいている場合は、お客さまの業務環境をアップデートするものとしてAzureのクラウドの利用を促進していきましょう。


text:日本マイクロソフト 大北崇人 氏