最大96Wで給電可能なUSBドック
ベルキン「USB-C 11-in-1 Pro GaNドック(150W)」は1本のUSB-CケーブルでノートPCに接続することで、11個の端子を増設できるUSBハブ。製品名のとおり150WのGaN(窒化ガリウム)電源が内蔵されており、146W Power Deliveryに対応。ノートPC(ホストデバイス)に最大96W、周辺機器に最大50Wの電力を供給可能です。
USBハブの多くは外部USB ACアダプターから電力を供給する製品が多いですが、本製品は本体内にGaN電源を内蔵。電力供給能力や相性などを気にせず、シンプルな配線でシステムを組めるのが特徴です。



「USB-C 11-in-1 Pro GaNドック(150W)」のサイズは少し大きめ。本体サイズは132(W)×54.25(D)×91(H)mm、重量は実測901g。毎日携帯するというよりは、自宅やオフィスに据え置きし、海外旅行などで使用する際にはスーツケースに忍ばせていく……という位置づけの周辺機器です。個人的には、本体内にSSD用スロットなどが内蔵されていて、SSDを装着することで外付けストレージとしても活用できるとさらに魅力的だと感じました。
とは言え、USB Type-Aに超小型USBメモリーを装着したり、大容量microSDメモリーカードを挿入しておけば、速度については割り切る必要がありますが、それに近い使い勝手を実現できます。


端子は前述のとおり11個も搭載。前面にはUSB 3.2 Type-A(10Gbps、7.5W)×1、USB 3.2 Type-C(10Gbps、7.5W)×1、USB 3.2 Type-C(5Gbps、20W)×1、3.5mmオーディオコンボジャック×1、SDメモリーカードスロット(USB 3.0)×1、microSDメモリーカードスロット(USB 3.0)×1、背面にはUSB 3.0 Type-C(PowerDelivery 96W)×1、USB Type-C(DisplayPort Alt、8K@30Hz/4K@120Hz、10Gbps、15W)×1、HDMI 2.0(4K@60Hz)×2、有線LAN(1000BASE-T)×1を配置。USB Type-AとUSB Type-Cそれぞれの仕様が異なっているのは少々複雑ですが、端子付近に仕様が記載され、グループ分けもされているので、挿入前に確認すれば迷うことはないはずです。





さて本製品最大の売りは、ノートPCにケーブル1本でつなぐことで、多くの周辺機器をまとめて接続できること。ディスプレー、外部ストレージ、キーボード、マウス、ヘッドフォンなどを個別に接続する必要がないというのは大きなアドバンテージです。

機材の都合で今回は試せなかったですが、「USB-C 11-in-1 Pro GaNドック(150W)」はUSB Type-C端子で8K@30Hzまたは4K@120Hzを1基、HDMI端子で4K@60Hzを2基と、合計3つのディスプレーを接続可能。オフィスや自宅では最大4つのマルチディスプレー環境で効率的に作業して、その続きを外出先で済ませるといった運用ができるわけです。

ストレージ関連の速度については、前面のUSB Type-C、USB Type-AにUSB 3.2 Gen2対応外付けSSDを装着した際にリード930MB/秒、ライト940MB/秒前後を記録。SDメモリーカード、microSDメモリーカードスロットはリード90MB/秒前後、ライトは80~89MB/秒前後となりました。デジカメ、アクションカメラで撮影したデータを素早く読み込みたい場合は、ノートPCにカメラを直結したほうがよいですね。




本体の発熱については、天面の最大温度は46.7℃、底面の最大温度は53.4℃となりました(室温27℃の部屋で4時間放置)。150WのGaN電源を内蔵しているので、このくらいの発熱は予想の範囲内。ただし今回はHDMI×2と、有線LANを使用していません。すべての端子に接続した際にはもっと温度が上昇する可能性が高いです。


自宅で周辺機器を多数接続、ノートPCでの作業を外出先で続けるハイブリッドワークに最適
ベルキンの「USB-C 11-in-1 Pro GaNドック」は、150WのGaN電源を内蔵し、1本のUSB-Cケーブルで11個もの端子をノートPCに拡張するUSBハブ。最大3つの外部ディスプレーを接続できるなど、豊富なインターフェースが特徴。据え置き使用を想定したサイズと重量ながら、電源を内蔵し、多数の周辺機器をシンプルに接続できる点が強みです。
特に、自宅やオフィスで複数のディスプレーや周辺機器をまとめて運用し、外出先ではノートPC単体で作業を続けるようなハイブリッドワークに最適な1台と言えます。