「Windows に Copilot のアプリがあるらしいけれど、どうやって使うの?」「Windows の Copilot を使いこなしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

Microsoftが提供する Copilotは、ブラウザの Microsoft Edge や Web で使用できるもの以外にも、Windows のデスクトップアプリとして標準搭載されており、チャット形式での情報検索や資料作成のサポートなど、日々の業務を効率化できます。

しかし、デスクトップ上で使用するには Windows のバージョンを満たしている必要があるなど条件があるため、導入段階でつまずく企業も少なくありません。

この記事では、Windows 標準搭載の Copilot を有効化するための手順やショートカットキーの使い方、使用できない場合の原因と解決策をわかりやすくご紹介します。

Windows 標準搭載の Copilot とそのほかの Copilot との違いについても整理しているので、Copilot を活用して社内業務のスピードと質を向上させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、この記事では 2025 年 6 月時点の情報を掲載しています。

Windows 標準搭載の Copilot を有効化する方法

Microsoft が提供する AI アシスタントである Copilot は、チャットを通して情報の検索や画像生成、音声会話などが行え、2025 年 6 月現在は、Windows に標準搭載のデスクトップアプリとしても使用可能です。

そのため、以下のようにタスクバーに Copilot を表示させ、自由に位置を変更したり、ピン留めしたりすることでいつでも気軽に起動できます。

ここでは、Windows 標準搭載の Copilot を有効化する方法をご紹介します。

Windows を最新版にアップデートする

Windows のバージョンが古い場合、デスクトップアプリとして Copilot を使用できません。

また、デスクトップアプリの Copilot が使用できるのは Windows 10 バージョン 22H2 以降の PC であるため、それ以前のバージョンの OS を使用している方は、アップデートや PC 本体の買い替えが必要になります。

参照:Windows 10で Windows (プレビュー) で Copilot を取得する方法|Microsoft

現在使用している PC のアップデート状況や更新を進める際の手順は、以下のとおりです。

アップデート状況の確認と更新手順

【Windows 11 の場合】

1.「スタート」をクリックし、「設定」を開く

2.「Windows Update」をクリックする

3.利用可能な更新プログラムがある場合は、「すべてインストール」をクリックする

4.アップデート完了後、タスクバーの検索ボックスで Copilot を検索し、無事にインストールできているか確認する

詳しい手順は、Microsoft のページをご確認ください。

参照:Windows Updates をインストールする|Microsoft


【Windows 10 の場合】

1.「スタート」をクリックし、「設定」を開く

2.「更新とセキュリティ」をクリックする

3.「Windows Update」をクリックする

4.利用可能な更新プログラムがある場合は、「ダウンロードしてインストール」をクリックする

5.アップデート完了後、タスクバーの検索ボックスで Copilot を検索し、無事にインストールできているか確認する

詳しい手順は、Microsoft のページをご確認ください。

参照:Windows Updates をインストールする|Microsoft

Microsoft Store からインストールする

Windows のバージョンが最新なものの、何らかの原因で Copilot のデスクトップアプリがインストールされていないケースや、デスクトップ上から消えてしまうケースもあります。そのような場合は、Microsoft Store から Copilot のアプリをインストールできます。

1.Microsoft Store アプリで「Copilot」と検索する
または「https://apps.microsoft.com/detail/9nht9rb2f4hd?hl=ja-JP&gl=JP」にアクセスする

2.「ダウンロード」をクリックし、インストールを進める

引用:Microsoft Store

3.インストール完了後、タスクバーの検索ボックスで Copilot を検索し、無事にインストールできているか確認する

Windows 標準搭載 の Copilot のショートカットキー

上記では、Windows 標準搭載の Copilot を有効化する方法をご紹介しました。

有効化された Copilot は、タスクバーの検索ボックスから Copilot のアプリを検索したり、タスクバーにピン留めしてアプリのアイコンをクリックしたりすることで起動できるようになりますが、ショートカットキーを有効にしておくことで素早くアプリを開けるようになります。

Copilot のショートカットキーは、Copilot キーとAlt+Space キーの2通りがあります。それぞれについて詳しくは、以下のとおりです。

Copilot キーを押す

一部のWindows 11 PC では、キーボードに Copilot キーが搭載されています。Copilot キーは Copilot のアイコンが描かれており、キーボード右側の Alt キーの右隣に配置されています。

Copilot キーが搭載されているキーボードの場合は、Copilot キーを押すことでCopilotを起動可能です。

なお、Copilot キーとあわせて「Ctrl」が割り振られているキーの場合は、Fn キーを押しながら Copilot キーを押すことで、Copilot を起動できます。

Alt + Space キーを押す

キーボードに Copilot キーがない PC の場合は、Al t+ Space キーで Copilot を起動できます。Alt + Space キーを押すと、以下のように縮小されたウィンドウで Copilot が起動するため、素早くチャットを入力できるでしょう。

引用:Microsoft Bing

なお、Alt + Space キーで起動した Copilot の画面は最前面に固定されるため、チャット画面を開きながら別のページを操作することも可能です。チャット画面の位置やサイズも変更できるため、以下のように画面の端に小さく表示させながら Web ページを閲覧したり、作業を進めたりするのもよいでしょう。

引用:Microsoft Bing

Windows 標準搭載の Copilot が使用できない原因と解決策

ここまで、Windows 標準搭載の Copilot を有効化する方法や、ショートカットキーでの起動方法をご紹介しましたが、Copilot を利用しようとしても、「Copilot にファイルをアップロードできない」「チャット履歴が見れない」「Copilot をインストールできない」など、さまざまな問題が生じることがあります。

以下では、Windows 標準搭載の Copilot が使用できない原因をご紹介します。

ローカルアカウントを使用している

Windows では、Microsoft アカウントとローカルアカウントの2種類のアカウントを使用できます。

Microsoft アカウントは、インターネットに接続することで登録できるアカウントで、Windows のさまざまなアプリを使用したり、PC の設定を別の機種に引き継いだりできます。一方ローカルアカウントは、PC ごとに個別に割り振られているアカウントで、インターネットに接続していなくても使用できるものの、Windows の一部の機能が使用できません。

Microsoft アカウントにログインしておらず、ローカルアカウントで Copilot を使用している場合、Copilot の利用範囲にも制限がかかり、チャット履歴の表示や、ファイルのアップロードが行えなくなります。Copilot のすべての機能を活用したい場合は、Microsoft アカウントにログインしたうえで利用しましょう。

なお、ローカルアカウント(Microsoft アカウントにログインしていない状態)で Copilot を開いた場合は、以下のような画面が表示されるため、画面左下の「サインイン」からログインしてください。

Windows のバージョンが古い

Windows のバージョンが古い場合、Copilot をインストールできません。「Windows 標準搭載の Copilot を有効化する方法」でも挙げたように、Copilot は Windows 10 バーション 22H2 以降の OS でのみ使用できます。これ以前のOSを使用している場合は、すぐにアップデートを行いましょう。

なお、Windows 10 バーション 22H2 以前の OS は、Microsoft からのサポートも終了しています。

サポート期限が過ぎた PCは セキュリティーの面でも危険なため、Copilot の使用にかかわらず、早めのアップデート対応をおすすめします。

  • Windows 10 Home and Pro バージョン 22H2(2025 年 10 月 14 日サポート終了)
  • Windows 11 Home and Pro バージョン 23H2(2025 年 11 月 11 日サポート終了)
  • Windows 11 Home and Pro バージョン 24H2(2026 年 10 月 13 日サポート終了)

PC のスペックが不足している

PC のスペックが不足しており、Copilot による処理の負荷にPCが耐えきれない場合、思うように回答を生成できなかったり、回答の抽出に時間がかかってしまったりすることがあります。

例えば、Windows 10 から Windows 11 へのアップデートに必要なスペックは以下のとおりです。しかし、このスペックはあくまでも最低要件のため、「Copilot を使用するために Windows 11 の最新バージョンにアップデートしたものの、快適に動作しない」といったトラブルが生じる場合もあるため、余裕を持ったスペックを確保しておきましょう。

プロセッサ 1 GHz以上で 2 コア以上の 64 ビット互換プロセッサ または System on a Chip(SoC)
メモリ 4 GB 以上
ストレージ 64 GB 以上の記憶装置
システム ファームウェア UEFI、セキュア ブート対応
TPM トラステッド プラットフォーム モジュール(TPM)バージョン 2.0
グラフィックス カード DirectX 12 以上(WDDM 2.0 ドライバー)に対応
ディスプレイ 対角サイズ 9 インチ以上で、8 ビットカラーの高解像度(720 p)ディスプレイ

参照:Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する|Microsoft

基本的に、一般的な書類作成や Web ブラウジング、Web 会議などの作業を行えるスペックを持つビジネス用 PC であれば問題なく Copilot を使用できますが、Microsoft からはCopilotをはじめとしたAI活用に特化したPC「Copilot+ PC」の導入も推奨されいます。

Copilot+ PC では、上記の Windows 11 のスペックに加えて、以下の要件が求められます(2025 年 6 月時点)。

プロセッサ 40 TOPS 以上の実行性能を持つ NPU を備えた、互換性のあるプロセッサまたは System on a Chip(SoC)

2025 年 6 月時点では、以下の製品:
・AMD Ryzen™ AI 300 series
・Intel® Core™ Ultra 200V series
・Snapdragon® X series
メモリ 16 GB DDR5 / LPDDR5
ストレージ 256 GB SSD / UFS

参照:Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する|Microsoft

Copilot+ PC について詳しくは、以下のページをご確認ください。

Copilot+ PC について詳しく見る

Copilot のアプリを無効化する方法

ここまで、Windows 標準搭載の Copilot が使用できないときに考えられる原因をご紹介しました。Copilot を使う中で、「PCの容量が足りないから一時的に無効化したい」「Copilot を有効化してみたものの、業務でまったく使わなくなった」という状況になることもあるでしょう。

無効化するには、アプリをアンインストールする必要があります。以下では、その手順について詳しくご説明します。

Windows 標準搭載の Copilot のアプリをアンインストールする方法は、以下のとおりです。

Windows 11 の場合

【スタートメニューからアンインストールする方法】

1.「スタート」をクリックする

2.「すべて >」をクリックする

3.すべてのインストール済みアプリが表示されるため、「Copilot」を検索する

4.「アンインストール」をクリックする

【設定画面からアンインストールする方法】

1.「スタート」をクリックし、「設定」を開く

2.「アプリ」>「インストールされているアプリ」の順にクリックする

3.すべてのインストール済みアプリが表示されるため「Copilot」を検索する

4.「Copilot」の右横の「…」から「アンインストール」をクリックする

Windows 10 の場合

【スタートメニューからアンインストールする方法】

1.「スタート」をクリックし、一覧から Copilot を探す

2.アプリを右クリックし、「アンインストール」をクリックする

参照:Windows でアプリとプログラムをアンインストールまたは削除する|Microsoft


【設定画面からアンインストールする方法】

1.「スタート」をクリックし、「設定」を開く

2.「アプリ」をクリックする

3.「アプリと機能」をクリックする

4.Copilot を選択し、「アンインストール」をクリックする

参照:Windows でアプリとプログラムをアンインストールまたは削除する|Microsoft

ここまで、Windows 標準搭載の Copilo を有効化する方法をはじめ、うまく使用できないときの原因や無効化する方法など幅広くご紹介しました。

容量などが原因でやむを得ず無効化してしまった場合でも、Copilot を利用できないのかと気になる方もいるのではないでしょうか。

無効化すると Copilot は利用できなくなる?

Copilot には、Windows 標準搭載のもの以外にも、Microsoft Edgeに標準搭載されているものやWebで使用できるもの、スマートフォンアプリなどさまざまな種類があるため、Windows 上から無効化してしまった場合も、Copilot を利用できます。

Edge標準搭載の Copilot

Windows の標準ブラウザであるEdgeでは、以下のように Copilot のアイコンをクリックすることで、Copilot のチャット画面がサイドバーに表示されます。このチャット画面からは、Windows 標準搭載の Copilot と同様に、チャットでのやり取りや画像生成、音声会話などが行えます。

Edge の Copilot は、Edge のアプリがインストールされていれば誰でも利用できるため、Windows 標準搭載の Copilot を無効化した場合でも利用できます。普段からEdgeを利用している方に特におすすめといえるでしょう。

Edgeの Copilot でできることや使い方は、以下の記事で詳しくご紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

Microsoft Edge での Copilot の使い方は?主な機能や起動方法を紹介

Web 版の Copilot

Copilot は Web からでも利用可能で、各種ブラウザのアドレスバーに「https://copilot.microsoft.com/」を入力することでアクセスできます。Web 版の Copilot も、Windows 標準搭載のものや Edge のものと同様にチャットでのやり取りや画像生成などが行えます。

Web 版の Copilot は専用のアプリを必要としないため、容量が足りず Copiloを 無効化した方や、普段は Edge とは別のブラウザを使用している方におすすめです。

なお、Windows 11 標準搭載の Copilot と Edge の Copilot では、ログイン時に Microsoft アカウントが必要となりますが、Web 版の Copilot では、Microsoft アカウント以外に、Apple アカウントや Google アカウントでもログインできます。

スマートフォンアプリの Copilot

Copilot は、Apple・Android 向けにスマートフォンアプリとしても提供されています。

上記で挙げた Copilot と同様に、チャットでのやり取りや画像生成、音声会話などが行えるため、スマートフォン上でも十分に活用できるでしょう。

スマートフォンで Copilot を頻繁に利用する方や、スマートフォンの容量に余裕のある方に特におすすめです。

参照:Microsoft Copilot|App Store
参照:Microsoft Copilot|Google Play ストア

Windows 標準搭載の Copilot だからこそできること

上記のように、Copilot には Edge に搭載されているものや Web 上で使用できるもの、スマートフォン用アプリなどさまざまな種類があるため、「わざわざ Windows 標準搭載のアプリを使わなくてもよいのではないか?」と考える方もいるのではないでしょうか。

Windows 標準搭載の Copilot では、自身が現在操作しているPCに関する質問や、デスクトップ上の内容に関する質問などが行えるため、日常的に Windows の PC を使用している方におすすめです。Windows 標準搭載の Copilot と上記でご紹介した Copilot との違いは、主に以下の 3 つが挙げられます。

自身の PC の仕様や操作方法に関する質問ができる

Windows 標準搭載の Copilot では、自身が使用しているデバイスに関する質問に対して回答してくれます。例えば、「PC とスマートフォンをテザリングする方法」「Bluetooth イヤホンとの接続方法」などの PC の使い方に関する質問ができます。

通常、デバイスの操作方法やトラブル解決方法などを調べる際は、OS ごとに異なるヘルプページを検索したり、AI に自身が使用している環境を伝えたりする必要がありますが、Windows 標準搭載の Copilot を使うことで、自身の環境を伝えずとも現環境に合わせた回答がもらえます。

参照:Windows での Copilot の概要|Microsoft

Edge以外のブラウザでもチャット画面を開きながら操作できる

Alt + Space キーを押して Copilot を起動した場合、Copilot のチャット画面が最前面に固定されるため、ほかのウィンドウを開きながら作業を進められます。

Edge の Copilot では、以下のようにサイドバーに Copilot を表示させ、選択した箇所をCopilot に尋ねたり、表示中のページの内容を要約してもらったりすることが可能です。

引用:Microsoft Bing

しかし、「普段は別のブラウザを使用している」「Google Chrome の拡張機能を使いつつCopilot も活用したい」といった方もいるでしょう。

このようなときに、Windows 標準搭載の Copilot を起動したうえで別のブラウザから開くことで、それぞれのブラウザの機能を使いながら、Copilot も活用できます。

デスクトップ上のテキストや画像に対して質問できる

Windows 11 バージョン 24H2 の Copilot+ PC では、「Ask Copilot」として、Copilot が認識したデスクトップ上のテキストや画像について、Copilot に質問できます。

PC の設定画面を見ながらわからないことが出てきたときや、デスクトップ上に表示している写真について質問をしたいときに、Copilot へテキストを入力したり、写真のファイルをアップロードしたりする手間が省けるため、よりスムーズな情報検索が行えるでしょう。

なお、本機能を使用するには、2025 年 5 月の非セキュリティプレビュー更新プログラム「KB5058499」を適用する必要があります。

まとめ

この記事では、Windows 標準搭載の Copilot を 有効化 するための手順やショートカットキーの使い方、使用できない場合の原因と解決策、Windows 標準搭載の Copilot とそのほかCopilot との違いなどをご紹介しました。

Windows 標準搭載の Copilot はショートカットキーで起動できるだけでなく、起動したチャット画面を最前面で表示できるため、普段使い慣れているブラウザやアプリを使用しながら Copilot とのやり取りを進められるなど、便利な機能が豊富に搭載されています。

記事内でもご紹介したように、Microsoftでは、Copilot をはじめとした AI ツールを快適に活用できるPCとして、Copilot+ PC を提供しています。

Copilot+ PC では、毎秒 40 兆回以上の演算処理が可能なNPUを搭載しており、負荷のかかる処理も高速で行えます。また、ローカル環境で再生したビデオを最長 22 時間、Web ブラウジングを最長 15 時間行えるバッテリーも搭載しているため、充電の減りを気にせずAIを活用した作業に集中できます。

業務でAIを活用したい方や、より高速処理が可能な PC で業務効率化を目指したいといった方は、Copilot+ PC の導入も検討してみてはいかがでしょうか。