
「Copilot が便利らしいけど、どうやって使うの?」「Edge にある Copilot って何ができるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
生成 AI の活用が広がる中で、Microsoft Edge(※以下 Edge)に搭載されている Microsoft Copilot は、業務効率化や情報収集の手間を大きく軽減してくれるツールとして注目を集めています。
とはいえ、初めて使う方にとっては、「何ができるのか」「どうやって使うのか」「どこから起動するのか」といった部分がわからず、導入に踏み切れないケースも少なくありません。
この記事では、Edge で使用できる Copilot の種類や使い方起動方法などをわかりやすくご紹介します。
これから Copilot の活用を始めようとしている企業担当者やビジネスパーソンの方は、ぜひご参考にしてください。
なお、この記事では 2025 年 6 月時点の情報を掲載しています。
Microsoft Edge の Copilot とは
Microsoft Copilot は、Microsoft が提供する AI アシスタントで、チャットを通して情報の検索や会話、アイデア出し、文章生成などが行えます。
Windows の標準ブラウザとして搭載されている Edge でも Copilot は活用でき、PC だけでなくスマートフォン版アプリの Edge でも使用できます。
Copilotには、Edge に標準搭載されているものやブラウザで使用できるものなどさまざまな種類がある点が特徴です。Edge 上で使用できる Copilot については、「Edge で利用できる Copilot の種類」で詳しくご紹介します。
Edge の Copilot の利用料金
Edge の Copilot は、Edge を使用しているユーザーであれば誰でも無料で利用できます。Edge 自体も無料でインストールできるため、基本的に料金は発生しません。
ただし、Copilot にログインしていない場合は機能が制限されます。ログインすることでファイルを Copilot に読み込ませたり、過去のチャット履歴を確認したりできるようになるため、ログインしてから利用を始めるのがよいでしょう。
Copilot には、Microsoft アカウント・Apple アカウント・Google アカウントのいずれかでログインできます。
また、Copilot は基本無料で利用できますが、有料版もあります。有料版では Microsoft Word、Excel といったOffice 製品との連携や、企業の機密情報を守るためのセキュリティ設定が行えるため、企業で使用する場合は有料プランへのアップグレードもぜひご検討ください。
Edge で利用できる Copilot の種類
上記でも触れたように、Edge で利用できる Copilot には、Edge に標準搭載されているものや、ブラウザから起動するものの 3 種類があり、すべて基本無料で使用できます。ここでは、Edge で利用できる Copilot の種類をご紹介します。
なお、具体的な起動方法や使い方は、「Edge の Copilot の起動方法と使い方」でご紹介します。
サイドバーから起動する Copilot

Edge に標準搭載されている Copilot は、Edge のアプリを開いた際に、サイドバーから起動できます。
Web ページを閲覧しながら Copilot とチャットができるため、Web ページに関する質問がしたいときや、Web ページ上の文章をコピー&ペーストしてチャット画面に貼り付けたいときなどに便利でしょう。
ブラウザのタブから起動する Copilot
ブラウザのタブ上からも Copilot は起動でき、「https://copilot.microsoft.com/」をアドレスバーに入力することでチャットを始められます(2025 年 6 月時点)。
ブラウザ版の Copilot では、Edge に標準搭載されている Copilot のように Web ページを見ながらチャットを進めるにはタブを切り替えたり、ウィンドウを分割したりするといった工夫が必要なものの、会話を進める際に「ミカ」「アクア」「エリン」といったキャラクターを設定できるなど、独自の機能もあります。
Copilot Search
Copilot Search は、ユーザーが入力した質問に対して、Microsoft Bing での検索結果をもとに情報をわかりやすくまとめて表示できるツールです。
例えば、「タコはどれくらい賢いのか」と検索した場合、Copilot Search は以下のように回答を表示します。
それぞれの説明文には Copilot が情報源としたページのリンクも張られているため、情報の真偽を確かめる際もスムーズに行えるでしょう。この結果を踏まえて、「タコはほかの動物とどう違う?」などの追加質問も可能です。
自身の手で検索結果をもとに情報をまとめる時間がないときなど、検索結果の概要が知りたいときに役立つでしょう。
ここまで、Edge で利用できる Copilot の種類をご紹介しました。では、具体的に Copilot ではどのような活用方法があるのでしょうか。
EdgeのCopilotの使い方
Edge の Copilot では、チャットでの会話や情報の検索、画像検索などさまざまな活用方法があり、選択した箇所を素早く Copilot に質問したり、再生中の動画を要約してもらったりできるなど、ほかの AI ツールではできない機能も持っている点が特長です。ここでは、Edge の Copilot の使い方をご紹介します。
なお、「Edge の Copilot の利用料金」では、有料版の Copilot では Office 製品と連携できることをご紹介しましたが、実際に連携した際にどのように活用できるかを詳しく説明している記事もあります。業務で Office 製品をよく使う方や、有料版の利用を検討している方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
Copilot で何ができる?無料版・有料版でできることや活用例を紹介
チャットでのやり取り・情報検索
Edge の Copilot では、チャットでのやり取りや情報検索が行えます。

「しりとりをしませんか?」のような単純な会話のやり取りはもちろん、「最近肩が凝っているけれどどうしたらよい?」や「最高気温 18 度では何を着ればよい?」といった質問・相談も可能です。
また、Copilot が Web 上の情報をもとに回答を導き出した際は、以下の「1」「2」「3」のように、参照したページのリンクも設定してくれます。

ほかにも、「友達の結婚を祝うメッセージを考えて」「上司に会議を設定するメールを送りたい」といったプロンプト(指示文)を送り、文章を生成してもらうことも可能です。

画像生成
Edge の Copilot では、画像生成も可能です。作成してほしい画像の内容をチャット画面に入力することで、以下のようにプロンプトに沿った画像を作成してもらえます。

「もっとカラフルにして」「背景を追加して」「油絵風にしてほしい」といった追加の指示も可能なため、理想の画像を生成できるでしょう。
Copilotでの画像生成方法などは、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
Copilot は画像生成が可能!使い方や活用のコツを紹介
ファイルの読み取り
Edge の Copilot では、Word や PDF、画像などのファイルを Copilot に読み込ませ、ファイルの内容の要約や、ファイルの内容に関する質問が可能です。
例えば、総務省の「令和 6 年版情報通信白書」の第 1 章「令和 6 年能登半島地震における情報通信の状況」における「通信、放送、郵便等の状況」のPDFファイルを読み込ませた場合、以下のように要約してもらえるため、資料の内容を素早く把握できます。

このように、長文の記事や論文、資料などの概要が知りたい場合や、Copilot に読み込ませた画像に沿って新たに画像生成をしてほしい場合など、さまざまな用途で活用できるでしょう。
音声会話
Edge の Copilot では、以下のようにチャット画面にマイクボタンがあり、クリックすることで音声会話が行えます。
Copilot の音声会話機能では、以下のように音声も変更でき、それぞれ声のトーンや話し方が異なります。
音声会話では、人間と話しているかのように Copilot と会話できるため、テキストで表現しにくい内容を伝えたいときや、他者と話しながらアイデアを出したり思考を深めたりしたいときなどに役立つでしょう。
選択した箇所の質問
Edge のサイドバーから起動する Copilot では、Web ページ上で気になった箇所を選択し、「Copilot に質問」をクリックすることで、選択した箇所を周囲のページ内容に基づいて詳しく説明してもらえます。

例えば、上記のように「Microsoft 365 Copilot」を選択して Copilot に質問した場合は、以下のように Microsoft 365 Copilot の機能を説明してくれます。

これにより、ページを閲覧中にわからない箇所が出てきた場合や、より理解を深めたい場合などに効率よく情報を集められるでしょう。
閲覧中のページを見ながら対話
Edge のサイドバーの Copilot には、「Copilot Vision」という機能があり、ニュース記事などを閲覧しながら Copilot と音声会話で質問などのやり取りができます。
参照:Microsoft 365(@MSOfficeJP)|X
これにより、ニュース記事や資料などを見ながら気になった箇所をテキストでチャット画面に入力する手間が省けるだけでなく、「専門用語が多くわかりづらい」「記事が外国語で書かれていて読めない」といった場合にも素早く内容を理解できるようになります。
詳しい機能については、以下の Microsoft のページをご確認ください。
参照:Microsoft CopilotでのCopilot Visionの使用|Microsoft
YouTube 動画の要約
Edge のサイドバーの Copilot では、YouTube 動画を要約できます。要約したい動画のページを開き、「このビデオの要約」をクリックしたり、「この動画を要約してください」とプロンプトを送信することで、動画内容を素早くまとめてくれます。
長時間にわたる動画の概要を知りたいときや、動画内に自分が知りたい情報が含まれているかを確認したいときなどに活用できるでしょう。
なお、YouTube では無料版を使用している場合、動画再生前に広告が流れることがありますが、広告が流れている間も動画本編の要約が可能です。
回答をCopilot Pagesに保存する
Edge の Copilot では、回答下の「この応答を編集」をクリックすることで、回答内容を Copilot Pages(ノート機能)に保存できます。
「この応答を編集」をクリックすると、ページ画面が起動し、Copilot の回答内容を編集できるようになります。
このように Pages に回答内容を保存することで、重要な内容がチャットのやり取りで流れてしまうのを防いだり、回答内容をもとにレポートや記事を作成したりできるでしょう。
Edge の Copilot の起動方法
ここまで、Edge の Copilot で活用できる機能や使い方をご紹介しました。実際に、Edge で Copilot を使用する際は、以下の手順で起動します。ここでは、Edge の Copilot の起動方法を PC・スマートフォンそれぞれでご紹介します。
サイドバーから起動する場合
サイドバー(スマートフォンの場合は画面下部)の Copilot の使い方は、以下のとおりです。
PC の場合
1.Edge を起動する
2.画面右上の Copilot アイコンをクリックする


上記の方法で、サイドバーの Copilot を起動できます。ファイルを添付したいときは、チャット画面上の「+」からファイルを選択するか、ファイルを直接チャット画面にドラッグ&ドロップで添付できます。

なお、サイドバーの Copilot の画面サイズは変更でき、以下のように広げることも可能です。

また、画面上部の「新しいチャットを開始」をクリックすることで、チャット画面を切り替えて新しくチャットを始められます。話題を切り替えたいときや、チャットのやり取りをやり直したい場合は、「新しいチャットを開始」からチャットを作り直すとよいでしょう。

画面右上の「…」では、「回答を Copilot Pages に保存する」でご紹介した、これまでに作成したページの一覧や、過去のチャット履歴を確認できます。
スマートフォンの場合
1.Edge のアプリを起動する
2.画面下部の Copilot アイコンをタップする

3.チャット画面にプロンプトを入力する

上記の方法で、Copilot を起動できます。PC 版と同様に、ファイルのアップロードや音声会話も可能です。右上の三本線のマークをタップすると、これまでのチャット履歴を表示できます。
なお、スマートフォン版 Edge のCopilot では、Web ページを閲覧中も画面下部に Copilot のアイコンが表示されます。アイコンをタップすると Copilot とのチャット画面が起動し、ページ内容の要約やページ内容に関する質問などが行えます。

ブラウザのタブから起動する場合
ブラウザのタブから起動する Copilot の使い方は、以下のとおりです。
ブラウザのタブから起動する場合は、PC・スマートフォンどちらも同じ手順で起動できますが、アドレスバーに直接URLを入力する方法と、Microsoft Bing から起動する方法があります。
アドレスバーにURLを直接入力する場合
1.アドレスバーに「https://copilot.microsoft.com/」を入力してページを開く
2.チャット画面にプロンプトを入力する
PC・スマートフォンどちらでも、画面左上のサイドバーのアイコンをクリックするとこれまでのチャット履歴や作成したページの一覧が表示され、下矢印のアイコンをクリックすると、「新しい会話を作成」「新しいページを作成」が表示されます。
Microsoft Bing から起動する場合
1.Bing を開く(https://www.bing.com/)
2.検索ボックス横の Copilot アイコンをクリックする
3.チャット画面にプロンプトを入力する
このように、Bing から起動する場合は、検索ボックス横のアイコンをクリックすることで、「https://copilot.microsoft.com/」の Copilot のページが開きます。
Copilot Search を利用する場合
Copilot Search を利用する場合も、PC・スマートフォンそれぞれ共通の手順で起動できます。
1.アドレスバーに「https://www.bing.com/copilotsearch」を入力してページを開く
2.チャット画面にプロンプトを入力する
上記の方法で、Copilot Search を使った情報の検索が行えます。
なお、回答画面で表示される「すべてのリンクを見る」をクリックすると、回答の生成に使用したページのリンクをすべて一覧で表示できます。
また、「推論を表示する」をクリックすると、Copilot が推察したユーザーの検索意図や、回答内容としてピックアップした項目などを表示できます。
Edge で Copilot を利用する際に押さえておきたいポイント
ここまで、Edge での Copilot の起動方法や基本的な使い方をご紹介しました。Copilot を実際に使用する際は、種類によって利用できる機能が異なったり、チャットの回数制限にかかる可能性もあったりするため、以下のポイントも押さえておくことをおすすめします。
サイドバーからの利用がおすすめ
Edge で Copilot を使用する際は、基本的にはサイドバーから Copilot を起動して利用するのがおすすめです。
「Edge の Copilot でできること」でも挙げたように、サイドバーの Copilot では、タブから開く Copilot と異なり、ページ上で選択した箇所を検索したり、閲覧中のページや YouTube 動画を要約したりできるなど、独自の機能を活用できます。
タブから開く Copilot の場合は、Copilot とやり取りする際にタブやウィンドウを切り替える必要があります。また上記の Edge のサイドバーの Copilot で使用できる機能は、Google Chrome などそのほかのブラウザでも使用できないため、Edge で Copilot を使う場合は、サイドバーから起動して使用することで、Copilot の強みを最大限活用できるでしょう。
やり取りに制限がかかる場合がある
Copilot に短時間で大量のプロンプトを送信した場合は、送信制限がかかり、一定時間使用できなくなる可能性があります。万が一制限にかかってしまった場合は、時間を置くことで再度使用できるようになります。
具体的に制限がかかる送信回数は公表されていませんが、一般的なペースのやり取りであれば問題なく使用できるよう設計されているため、日常的に使用したり、1日の中で頻繁に使用したりしても基本的には制限にかかることなく使用可能です。しかし、短時間で大量のプロンプトを送信するときや Copilot に大きな負荷がかかる指示を繰り返すときには、注意が必要です。
Edge の Copilot が利用できないときに考えられる原因と解決策
ここまで、Edge で Copilot を使用する際に押さえておきたいポイントをご紹介しました。実際に Copilot を使用しようとしても、「サイドバーに Copilot のアイコンがそもそも表示されない」「Copilot にファイルをアップロードできない」といったトラブルが発生することがあります。このとき、以下のような原因が考えられます。
サイドバーの Copilot を有効化できていない
サイドバーの Copilot が無効化(非表示)されている場合、サイドバーに Copilot アイコンが表示されず、起動できなくなります。サイドバーの Copilot は、以下の手順で有効化できます。
Edge のサイドバーの Copilot を有効化する方法
【PC の場合】
1.Edge を起動し、右上の「…」をクリックする
2.「設定」をクリックする

3.「Copilot とサイドバー」をクリックする

4.「Copilot」をクリックする

5.「ツールバーの [Copilot] ボタンを表示する」をオンにする

【スマートフォンの場合】
Edge を起動し、画面右下の三本線マークをタップする

2.「設定」をタップする

3.「Microsoft サービス」をタップする

4.「Copilot」をタップする

5.「Copilot の表示」をオンにする

Microsoft アカウントにログインできていない
Microsoft アカウントにログインできていない場合、ファイルのアップロードが利用できず、チャット履歴が表示されません。
未ログインのまま 10 通ほどプロンプトを送信したり、ファイルをアップロードしたりしようとすると、以下のようにログインを促す表示が出るため、このような表示が出てきた際は、ログインのうえ再度やり取りを進めましょう。
まとめ
この記事では、Edge で使用できる Copilot の種類や使い方、起動方法などをわかりやすくご紹介しました。
Edge の Copilot では、Google Chrome などそのほかのブラウザでは使用できない YouTube 動画の要約や、ページ上で選択した箇所の検索など豊富な機能がそろっているため、ぜひ Copilot を使用する際は Edge から利用してみてはいかがでしょうか。
Copilot をはじめとした AI ツールは、一般的なスペックの PC でも使用できるものの、AI にかかる負荷によっては、処理が遅くなったり、うまく回答を生成できなかったりする可能性があります。Microsoft では、Copilot などの AI を快適に使用できるスペックを搭載した PC を、Copilot+ PC として定義しています。
Copilot+ PC では、高速処理が可能な NPU を搭載しており、AI を活用したリアルタイム翻訳や画像生成など高負荷なタスクを多用する方に特におすすめの PC です。
詳しくは、以下の Copilot+ PC のページをご確認ください。