インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)は、顧客にとって価値のあるコンテンツや体験を創出し、企業の商品やサービスを見つけてもらう(Get Found)マーケティング手法。顧客から自発的に企業に興味や関心を持ち、ファンになってもらうまでの一連のプロセスを指す。
従来のテレビCMやダイレクトメールなど、広告で働きかけるアウトバウンドマーケティング(Outbound Marketing)では、企業が顧客に情報を一方的に押しつけていた。しかし、インターネット環境やデバイスの普及によって顧客行動も変容し、アウトバウンド型では効果が薄れてきた。顧客は自分の意思で商品・サービスを選びたいと考え、事前にインターネット経由で情報を収集する。その際、いかに自社サービスを認知してもらい、興味や関心を高めるかが重要になってきた。
インバウンドマーケティングは、検索エンジン(SEO)やSNSによって、顧客に商品やサービスを見つけてもらうことからスタートする。広告らしさがないため、顧客に嫌悪感を抱かせず、自然な購買行動につなげやすい。また、自ら見つけたことで、商品やサービスに興味や愛着を持ちやすくなる。広告費を抑えながら優良な顧客を獲得でき、クリック数、PV、SS(セッション数)などの効果測定が可能というメリットもある。
一方で、顧客に見つけてもらうまでに時間がかかるというデメリットもある。認知に至るまでマーケティングの効果が見込めないため、初期段階ではアウトバウンドマーケティングとの併用も考えられる。何より、顧客に満足と感動を届けることが不可欠なので、顧客にとって有益で質の高いコンテンツ制作が成功の鍵となる。
(青木逸美)





