アクイジション

アクイジション(Acquisition)には、「取得」「獲得」という意味があり、新規顧客を獲得するためのマーケティング手法。具体的には、見込み顧客に対してさまざまなアプローチを行い、新規顧客に育成するまでの施策のこと。

アクイジションは新規顧客の獲得に要した費用を指すこともある。例えば、100万円で100人の顧客を獲得した場合、1人あたりのアクイジションは1万円となる。新規顧客の獲得には、既存顧客よりコストと時間が約5倍もかかるといわれ、「1:5の法則」と呼ばれている。

アクイジションが用いられる例として、「AARRR(アー)モデル」というフレームワークがある。これは、Acquisition(新規顧客の獲得)、Activation(利用開始)、Retention(利用の継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)の5つの要素の頭文字を取った言葉だ。AARRRモデルをスムーズに進めて効果を最大化するには、アクイジションを着実に成功させる必要がある。

アクイジションに対して、「利用を始めた顧客の維持」を意味する「リテンション」がある。リテンションはAARRRの「Retention」にあたる。ビジネスには新規顧客の獲得も大事だが、獲得した顧客を離さないための施策もまた重要。アクイジションとリテンションはどちらも重視すべきと考えられている。

アクイジションの具体的な施策は、企業間の取引「BtoB(Business to Business)」と一般消費者が対象の「BtoC(Business to Consumer)」によって異なる。BtoBは企業の情報収集や企業訪問といった営業活動が中心で、BtoCは消費者に対して広告を打ち、商品やサービスについて幅広く宣伝する施策が中心となる。

いずれの場合も、アクイジションを成功させるには、見込み顧客の正しい情報を確保しながら短期・長期両方の施策をバランス良く行うことが重要だ。顧客開拓におけるマーケティング活動を自動化・効率化するマーケティングオートメーション(MA)を導入する企業も多い。
(青木逸美)

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