【テーマ】ストレージ不足を解決するSSD

スマホでも便利に使えるポータブルSSD

スマホを使う機会が増えている昨今、仕事のファイルもスマホで作成したり閲覧したりすることが多いだろう。そんな時に役立つのがポータブルSSDだ。大容量のファイル、大量のファイルでも気軽に持ち歩ける製品の活用方法を紹介する。

クラウドストレージとの使い分け

 スマホのストレージは、PCに比べると少ないことが多い。特に数年前のモデルだとスマホは64GBや128GBといったことも少なくない。あっという間にストレージがいっぱいになり、困っている人も少なくないだろう。

 そこでおすすめなのが、ポータブルSSDだ。一昔前なら、microSDカードにファイルを保存することもできたが、最近は対応モデルも減っている。例えば、最近のiPhoneはmicroSDカードには非対応。また、Androidスマホも上位モデルはほぼ使えない。

 ポータブルSSDなら、USB Type-C端子でスマホと接続してファイルをやりとりできる。もちろん、PCでもUSB Type-Cもしくは、アダプターを経由してUSB Type-A端子に接続すればファイルのやりとりが可能だ。一つ所有していると何かと便利に利用できるのだ。

 最近は、iCloudやGoogleドライブなどのクラウドストレージが流行しており、スマホでも一般的に使われている。仕事では、OneDriveを利用して、スマホとファイルのやりとりをしている人もいるだろう。もちろん、それでもいいのだがファイルの容量が大きくなると、やりとりにかかる時間が長くなる。ファイルのアップロードが終わらなくてイライラした経験がある人も少なくないだろう。

 その点、ポータブルSSDなら、PCのファイルをコピーして、スマホで開くのも簡単だ。そもそも、スマホでファイルを開く際には、スマホのストレージにコピーする必要すらない。ポータブルSSD上に保存したファイルをそのままスマホから開けばよいのだ。

 僕の場合は、出先でプレゼンをする場合にはPCにファイルを保存していく上に、トラブル対策としてポータブルSSDに保存したファイルを持ち歩く。こうすることで、万が一故障などでPCが使えなくなったときにも、相手先のPCを借りてファイルを開けるのだ。もちろん、企業のポリシーとして外付けストレージが使えないと開けないが。

 これが、クラウドストレージだと、相手のPCを借りてログインしてダウンロードするハードルはかなり高い。

SSMG-UWCシリーズ(左)は非常にコンパクトなポータブルSSDだ。iPhone 15(右)と比較するとそのサイズ感が分かりやすい。
MagSafeへの取り付けが可能な磁石を搭載している。
iPhoneなどに磁石で取り付けると使い勝手が良好だ。ケーブルは短く平たいタイプなので、スマホに付けて折り曲げて使いやすい。
32gと非常に軽いのでスマホと一緒に持ち歩いても負担が少ない。(画像の数値は実測値)

小型のポータブルSSDが全盛だ

 一昔前のポータブルSSDやHDDは、現在のスマホほどのサイズがあったが、最近は小型化が進んでいる。今回例として紹介するアイ・オー・データ機器の「SSMG-UWC」シリーズは、約幅70×奥行き62×高さ8.2cmで約32gだ。このサイズなら、かばんやポケットに入れて持ち運んでも負担は少ない。ただし、非常にコンパクトだからこそ、置き忘れたり落としたりする可能性があるので注意してほしい。機密データを持ち歩くなら、BitLockerなどでファイルにパスワードをかける手もあるが、そうするとスマホで使えなくなってしまう。とにかく、落としたり、紛失したりしないように気を付けよう。また、使い終わったらファイルを削除したり、フォーマットしたりしておくのも重要だ。特に複数名で1台のSSDを使い回す場合には、ファイルの保存や削除のルールを明確にしておきたい。

 最近のポータブルSSDは、磁石による取り付けに対応している製品が人気で、MagSafeの背面に簡単に取り付けられる。Androidスマホでも対応するケースなどを使っていれば同様に取り付け可能だ。

 ケーブルはちょうど良い長さになっているので、背面に取り付けた状態で利用可能だ。

 特にiPhoneの一部モデル(iPhone 13以降のProモデル)では、ProResでの動画撮影に対応している。その上で、USB Type-C接続のポータブルSSDを接続すると、動画ファイルを直接SSDに保存できる。USB Type-Cの利用が前提なので、実質的に使えるのはiPhone 15以降のProモデルだ。

 実際に使ってみると、思わず膝を打ちたくなるほど便利だ。動画ファイルが直接ポータブルSSDに保存されるので、そのままPCに接続すれば移行できる。iPhone本体に動画ファイルが保存されると、フォルダーが複雑すぎて、ある場所を探すのが大変だが、その心配もいらない。また、iPhoneをPCなどに接続する必要もないので、関係なく使い続けられる。

 iPhoneのストレージが不足気味でも、ポータブルSSDに空き容量があれば問題なく、4Kなどの高画質な動画も着実に撮影できるわけだ。特に、個人のスマホで動画を撮らざるを得ないケースでは、ストレージを圧迫するので、会社としてポータブルSSDを用意したいところだ。

 なお、ProRes動画は最高の画質になるので、ファイル容量はかなり大きくなる。4K60fpsでは1TBで72分しか撮影できない。なお、フルHDに画質を落とせば当然録画時間は延びる。

 また、無料のBlackmagic Cameraアプリを使えば、さらに細かく解像度やコーデックを設定して直接ポータブルSSDに保存可能だ。

iPhoneの標準アプリでSSDが表示されるので、手軽にファイルをやりとりできる。
こちらはSSDに保存したPDFファイルを見ているところ。
直接開いてプレビューできるので、プレゼンの予行練習なども可能だ。
大容量のファイルを保存できるため、4K動画の撮影、保存用途にも向いている。

バックアップも取れる

 もちろん、PCやスマホで作成したファイルのバックアップにも利用できる。iPhoneやAndroidスマホの標準ファイルアプリを使ってコピーしてもよいし、各種のバックアップアプリを使ってもよいだろう。できれば、標準で手軽で確実に使えるバックアップアプリを添付してほしいところだ。

 昨今は、スマホの価格も値上がり傾向で、大容量ストレージを選ぶのもハードルが高い。ポータブルSSDをうまく使うことで、コストをセーブできるだろう。もっとも、SSDの価格も上昇傾向なので、必要な容量をうまく見極めて手に入れてほしい。