「オープンイヤー構造」&「イヤーカフ型」の完全ワイヤレスイヤフォン
「LinkBuds Clip」は、耳を塞がない「オープンイヤー構造」、かつ耳たぶを挟み込む「イヤーカフ型」のデザインを採用した完全ワイヤレスイヤフォンです。ケースのサイズは実測50×50×32mm、重量は実測54.32g(イヤフォン込み)。イヤフォン本体のサイズは実測32×23×21mm、重量は実測6.28g(カタログスペックでは約6.4g)となっています。ケースはやや厚みがあるものの、ジーンズの前ポケットに入れていても気にならないサイズ感と言えます。






ドライバーユニットは10.0mm。接続方式はBluetooth 5.3で、対応BluetoothプロファイルはA2DP、AVRCP、HSP、HFP、対応コーデックはSBC、AAC。伝送帯域(A2DP)は20Hz~20,000Hz(44.1kHz sampling)です。接続はマルチポイントに対応しており、2台の機器へ同時接続できます。

基本的にBluetooth対応デバイスであれば利用可能ですが、ファームウェアのアップデートや各種詳細設定を行うには、スマートフォン向けアプリ「Sony Sound Connect」(Android、iOS対応)が必須となります。

バッテリー駆動時間はイヤフォン単体で約9時間、充電ケース併用時でプラス約28時間。合計すると最長約37時間の利用が可能です。また、ケースで3分間充電することで約60分再生できるクイック充電にも対応しています。

カラーはラベンダー、グレージュ、グリーン、ブラックの4色を用意。イヤフォン本体はIPX4相当の防滴性能を備えており(音出口部分、通気孔、マイク穴を除く。充電ケースは対象外)、小雨や汗程度であれば問題なく使用できます。

音楽に没入するのではなく、音楽と生活音を調和させるイヤフォン
本製品最大の特徴は、ソニー初のイヤーカフ型イヤフォンであること。アーム部分は折り曲げ可能で、耳たぶを挟み込むように装着します。イメージとしては、イヤリングに近いです。耳穴を塞がず、周囲の音を聞きながら音楽を楽しめる点が特徴で、音楽に没入するというよりも、生活音との調和を重視した設計と言えるでしょう。

実際に使ってみた感想としては、「意外」と言っては失礼かもしれないが、装着感は良好です。筆者自身、イヤリングのような装飾品を身に着けた経験はないものの、耳たぶを挟み込むことによる圧迫感はほとんど感じませんでした。また、2時間ほど連続で装着してみましたが、痛みが出ることもなかったです。もちろん耳たぶの厚みによって個人差はあるでしょうが、その点も考慮したうえでアーム部分の圧力が設定されているのだと思われます。


音質についても、総合的には好印象。耳穴に差し込まず、やや離れた位置に音出口部分があるためなのか、より音に広がりが感じられました。また、高音、低音ともにバランスよく再生されており、「スタンダード」、「ボイスブースト」、「音漏れ低減」という3つのリスニングモードが用意され、「Sony Sound Connect」からイコライザー機能も利用できるため、好みに応じた音作りが可能です。
一方で、不満点を挙げるとすれば、音の解像感はやや控えめだと感じました。耳穴を塞ぐカナル型イヤフォンのほうが(構造上)、音ひとつひとつをより明確に聞き分けやすいという印象です。また当然ではありますが、ある程度の音漏れは覚悟する必要があります。「音漏れ低減」に切り替えたとしても、隣に立っていれば音はそれなりに聞こえてきます。なんの音楽が再生されているのかとか、会話の内容まで判別できる可能性は低いものの、少なくとも電車内での利用は避けたほうがよいと個人的には感じました。
イヤーカフ型とカナル型など、イヤフォンは使い分ける時代
今回のイヤーカフ型イヤフォン「LinkBuds Clip」と、カナル型のノイズキャンセリングイヤフォンは、メリットとデメリットがまったく逆の関係にあります。「LinkBuds Clip」は、周囲の音と、音楽や通話を違和感なく同時に聞ける点が最大のメリットですが、音漏れするため使用場所は選びます。ただ、会議室のメンバーとオンラインのメンバーが同時に参加する会議のときは、どちらの音声も聞こえるので、シチュエーションによってはイヤーカフ型イヤフォンのメリットが活かされるでしょう。
一方、カナル型ノイズキャンセリングイヤフォンは外音を遮断し、音楽に没入できるうえ、音質面でも有利です。ただし周囲の音を聞くにはモード切り替えや自動切り替え機能を利用する必要があり、自動切り替えは完璧とは言えず、長時間使用すると疲れやすいという側面もあります。
こうした点を踏まえると、「LinkBuds Clip」とカナル型ノイズキャンセリングイヤフォンは、どちらか一方で置き換える存在ではなく、用途に応じて使い分けることでこそ最大のメリットを享受できる関係にあると言えるでしょう。

