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参入ベンダーの拡大が期待される国内電子サインソフトウェア市場

参入ベンダーの拡大が期待される国内電子サインソフトウェア市場

2022年02月07日更新

電子サイン利用が中堅企業まで拡大

Electronic Signature

 IDC Japanは、申請書依頼や承諾作業を電子化し安全、正確かつ法的な契約/同意手続きを行う国内電子サインソフトウェア市場の動向を発表した。

 2020年の電子サインソフトウェア市場は急拡大した。背景には、2020年初頭に生じた新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワーク需要の高まりがある。また、押印のために出社する押印問題を契機に、電子サイン関連の電子署名法などに関する政府見解が相次いで公表されたことも理由として挙げられる。これらの問題により、2021年5月の法案成立から同年9月に施行されたデジタル改革関連法案など、電子サインの適用範囲拡大のための利用環境整備の取り組みが市場促進を急速に促す結果となった。

 2021年2月にIDC Japanが実施したユーザー企業に対する調査では、電子サインソフトウェアは自社システムとクラウドサービスを合わせて31.5%の企業で利用されているという。前回の2020年7月の調査と比較して、利用率が1.9ポイント上昇した。100~999人規模の中堅企業では前回調査と比較して利用率が7.0ポイント上昇しており、IDC Japanは大企業を中心に利用されてきた電子サインが中堅企業にも拡大されつつあると推定している。業種別でみると金融/公共/サービス(不動産を含む)で利用率が相対的に低いが、デジタル改革関連法案の施行や各省庁における書面交付/押印の見直しによって、今後は利用率が低い業種でも電子サインの利用が浸透していく予測だ。

参入ベンダーの拡大に期待

 一方、ユーザー調査で電子サインの利用における課題として最も多かったのが、電子サインの効力がどの契約種別まで適用できるかといった点や、申請依頼や処理作業に関する要件が法的に不明瞭という点だ。この課題が挙げられた理由としては、2020~2021年に法的整備や見解公表を含めた電子サインの利用環境は整ったものの、ユーザー企業で法的整備などの認知が十分に進んでいないことがある。また、電子サインによって成立した文書の証拠力はユーザー企業の判断に委ねられる面が多く、契約によって電子サインの種類や利用時の当人認証に用いる手法、本人確認の可否の選択において、ユーザー企業が参考にできるユースケースの蓄積が少ないことも要因だ。

 現在国内では、複数の電子サイン/ソリューションを提供するベンダーが市場参入している。今後も参入事業者の拡大や、アプリケーションソフトウェアへの電子サイン機能の組み込みなどが期待される。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリスト 太田早紀氏は、電子サインソフトウェア市場の成長に向けて以下のように提言している。「今後電子サインを前提とした契約様式が国内で定着するために、ITサプライヤーは電子サインの適用可能範囲および利用シーンに即した標準ユースケースの提示、他業種への波及効果が期待できる公共/金融における電子サインの利用拡大、電子サイン導入を起点としたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関するコンサルティングを積極的に行うべきです」

タブレット端末市場は出荷台数が減速

Tablet

 MM総研は、国内タブレット端末市場の出荷台数の調査結果と予測を発表した。
 2021年度上期の出荷台数は、前年同期比12.8%減の403万台となった。背景には、GIGAスクール構想による小中学校向けのタブレット配備の特需が2021年度に入って落ち着いたことがある。2021年度下期にかけても前年度並みの特需が見込めないことや、半導体不足の影響で出荷台数の減少が見込まれることから、2021年度の通期出荷台数は前年度比21%減の910万台になると予測している。

 GIGAスクール構想に基づく小中学校向けの端末配備は2020年度に一旦ピークを迎えた。高等学校向けの端末配備も徐々に進んでいるが、小中学校合わせて9学年にタブレットの導入が行われた2020年度の特需と比較すると、導入による市場への影響は小規模になる見込みだ。今後は小中学校に導入された既存端末の買い替えタイミングが注目され、2024年度はそれに伴うプラス効果が期待できる。個人市場では、在宅時間の増加による学習用途向けやエンターテインメント利用によるタブレット需要が引き続き市場をけん引していくとみられる。上記を踏まえ、2022年度の出荷台数は920万台、2023年度は890万台、2024年度は940万台となる予測だ。

 今後のタブレット需要は、徐々に存在感を増す二つ折り形状のスマートフォンとの競合関係もポイントになるとMM総研は分析している。

WAF運用監視サービス市場は拡大へ

Web Application Firewall

 アイ・ティ・アールは、Webアプリケーションに対する不正な攻撃を防御するセキュリティシステム「Web Application Firewall」(以下、WAF)の運用監視サービス市場の国内での規模推移と予測を発表した。

 WAF運用監視サービス市場の2020年度の売上金額は、前年度比11.6%増の105億8,000万円となった。市場拡大の背景には、コロナ禍によりECサイトをはじめとしたWebサービスの利用頻度が増加していることがある。このことから、WAFを活用したWebアプリケーションのセキュリティ対策やWebシステムの安定稼働のニーズが高まっている状況だ。

 WAFは、Webサイトの不正アクセス検知だけでなく、Webサイトの改ざんやWebサイトからの情報漏えい防止もできるというメリットがある。しかし、WAFの有効活用には専任の技術者による日々のアップデートや運用ノウハウが必要だ。そこでWAFの導入だけでなく、設計や運用などをセキュリティベンダーが行うWAF運用監視サービスが、WAFの市場拡大やセキュアなWebシステム構築ニーズの高まりとともに拡大している。上記を踏まえ、2021年度の売上金額は前年度比13.4%増の120億円、2025年度は166億円に達すると見込んでおり、2020~2025年度の年平均成長率は9.4%となる予測だ。

 アイ・ティ・アール コンサルティング・フェロー 藤 俊満氏は、WAF運用監視サービス市場の今後の動向について「最近では安価なクラウドWAFサービスも増えてきており、市場は今後も拡大していくでしょう」と予測している。

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