建設業の経理や工事部門の働き方が変わる
「どっと原価シリーズ」

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2023年平均結果」によれば、国内の全産業における就業者6,747万人に対して、建設業に従事する就業者は483万人に及ぶ。建設業は、製造業や卸・流通業に次いで多くの労働者を抱える産業だ。働き方改革というと、デスクワークや営業職などをイメージしがちだが、建設や工事に関わる産業でも、若い働き手を確保し、国内の社会基盤を整備する人材を活用していく上で、重要な課題となっている。それに加え、時間外労働の上限規制に伴う「建設業の2024年問題」への対応も求められる。そうした課題に対して建設ドットウェブの「どっと原価シリーズ」は、工事の進捗や各種コストを見える化し、建設業での原価管理を効率化することで、働き方改革に貢献していく。

原価管理の業務に柔軟に適応

 建設ドットウェブの「どっと原価シリーズ」は、建設業をはじめとした各種業務の原価管理に対応するために、基本モジュールと追加オプションという2段階のシステム構成になっている。基本モジュールでは、受注登録を起点として、実行予算の作成や仕入伝票、原価集計のための予算管理を経て、支払処理を伴う買掛金管理、売上や請求、入金に関する売掛管理など、建設工事の原価、粗利に関わる各種経費を一元的に管理し、建設業の工事の始まりから終わりまでの業務フローを実現する。

 この基本モジュールに追加できるオプションが、見積作成や発注管理、日報管理や手形・小切手発行などの各種オプションだ。豊富なオプションを組み合わせることで、管理したい業務の目的に合わせて柔軟に機能を構成できる。

 また、どっと原価シリーズは「同時アクセスライセンス」が可能だ。オンプレミスでもクラウドでも、どっと原価シリーズをインストールできるPCの台数に制限はない。ライセンスの契約は、同時に利用する最大PC数が対象となる。一般的なクラウドサービスのように、個人のIDによるライセンス契約ではないので、原価管理に関与する社員が増えても、コストを抑えられる利点がある。会計システムや勤怠管理ソフトなど、外部システムとの連携にも対応している。これらの特長が評価されて、どっと原価シリーズは国内で5,000社を超える導入実績がある。

手書きの管理から脱却

 建設業というとスーパーゼネコンのようなスマートな働き方が普及しているようにも感じられるが、産業の裾野は広い。大手ゼネコンから工事や建設を請け負っている建設業の多くは、30人以下の小規模な事業所が割合を占めている。そうした企業では、手書きの台帳やExcelで工事原価を管理している例が一般的だ。

 建設ドットウェブによれば、過去に何らかの原価管理システムを導入していたとしても、工事台帳は手書き資料のままで、日課として実績を読み合わせて進捗状況の確認と工事原価に関連する台帳の擦り合わせを行っているケースもあるという。システムの運用に長けたスタッフがいないといったケースもあれば、経営者が昔ながらの読み合わせによる台帳管理を大事にしているケースなど理由はさまざまだ。紙の台帳は減っているとしても、Excelによる人的な管理を行っている中小の建設業者もまだまだ存在する。こうした事業者には、どっと原価シリーズを提案できる可能性が十二分にある。

 どっと原価シリーズには、オンプレミス版とクラウド版が用意されている。大手の建設業では、セキュリティを重視してオンプレミス版を導入するケースもあるが、中堅や中小の建設業ではクラウド版の普及が進んでいる。オンプレミス版を工事現場や地方の営業所などで利用するためには、リモートデスクトップ接続や仮想デスクトップ基盤の構築が必要になるため、小規模な企業では構築や運用が難しい。それに対して、クラウド版であれば導入コストも抑えられ、インターネット環境があれば、どこにいてもどっと原価シリーズを利用できる。さらに「+Bizシリーズ」というオプションを活用すると、スマートフォン・タブレットからでも日報の提出や出退勤の打刻が可能になる。それだけでも、建設業の働き方改革につながるだろう。

 どっと原価シリーズの導入事例の一つに、導入以前は工事台帳や注文書/請求書などをExcelで作成、運用していた建設業者がある。手書きの出面帳からExcelにデータを入力、工事現場ごとに集計しており、注文書を基に別のExcelのシートで原価集計や支払予定表、請求書の作成を行っていた。資料ごとにExcelが独立して存在するため、変更があった際は何度も入力したり計算したりする必要があった。さらに、月ごとに集計するために、繰り越した工事などは別のファイルへ移す作業も経理の担当者が行っていた。こうした人的で手間のかかる作業をどっと原価シリーズによって置き換えて、働き方改革を実現している。どっと原価シリーズを活用すれば、工事の担当者が入力した注文や経費を、経理担当者や経営者がシステム上から確認できる。その結果、発注から仕入れ、買掛金などの金額チェックが簡単になり、施工者の労務費も含めた原価計算が迅速かつ正確になったという。さらに、クラウド版を活用すれば、場所を問わず現場からの操作も可能だ。

現場の使い勝手に配慮したシステム

 どっと原価シリーズの入力画面は、工事名や請負金額などの基本情報を入力する項目、予算管理、日報管理や仕入・発注管理、原価集計など、工事の原価に関連する項目別に分かりやすい表示になっている。表示されている項目は、建設業者にとってなじみのある用語なので入力に迷うこともない。例えば、日報の入力画面では原価・労務・機械・作業内容という目的別に項目が用意され、1日の作業の中で発生した原価や勤怠状況などを入力できる。また、過去に登録した日報を別の日報に複写したり、作業員や使⽤機械ごとに指定した期間分をまとめて⼊⼒したりすることも可能だ。そのおかげで、報告が短時間で処理できるようになる。さらに、クラウド版であれば工事現場から日報の入力が行えるので、直行直帰が可能になり、働き方改革にもつながるだろう。

 どっと原価シリーズによる働き方改革は、建設現場を指揮する現場監督や棟梁などは工事の情報が一元管理され、予算管理がしやすくなり、経理部門にとっては日報や原価台帳の転記などの事務作業を軽減する。さらに、経営者にとっては工事現場ごとの原価を的確に把握できるようになるなど経営改革にもつながっていく。

 建設業の原価管理は、小規模な事業者ほど課題として抱えているケースが多い。それだけに、集計の作業時間を削減し、請求書発行の業務負担も軽減するどっと原価シリーズは、工事現場をはじめ、一品一葉に対応する製造現場まで幅広い原価管理における働き方改革をサポートできる。