今月のテーマは……
ユーザーの右腕的存在
「 Geminiアプリ 」を業務で使いこなす

前号では「 Google Workspace 」の生成AIアドオンとして「 Gemini for Google Workspace 」のラインアップと、マルチモーダルなAIモデルとして進化した「 Gemini 」について取り上げました。今号では、Gemini for Google Workspace に追加された Gemini アプリについて紹介します。

庄司大助(Dandy)
所属:グーグル・クラウド・ジャパン
パートナーエンジニアリング本部
役職:パートナーエンジニア
経歴:大学卒業後、日系の中堅企業のIT部門で、ITインフラ担当者として入社後、自動車系IT企業にて、ネットワークエンジニアを経験。その後、マイクロソフトにて、10年以上にわたり、オンプレミスからクラウドまで幅広くプリセールス活動に従事。現職に至る。

日本語対応を順次強化

 旧 Duet AI for Google Workspace から提供しているHelp me Write/Visualize/Organizeといった生成AI機能は、プロンプト入力、生成される成果物も、英語のみとなっており(2024年4月原稿執筆時点)、日本語の対応を楽しみにしていただいているお客さまはとても多くいらっしゃいます。こちらは2024年中のリリースを計画しておりますので、もうしばらくお待ちください。

 今回ご紹介する Gemini アプリは、日本語で利用いただけます。日本語での入力が可能で、生成される文章も日本語で返ってきます。ただ、最適化を図っている成長途中ですので、今後のさらなる進化にご期待ください。

▲ Gemini のプロンプト入力画面。

ユーザーの業務をサポート

 では、この Gemini アプリで一体何ができるのでしょうか? 旧 Bard と同様に、自然言語で質問やリクエストを投げかけると、それに対して答えを返してくれます。例えば、プログラミングについてサンプルスクリプトを聞いてみたり、製品に関する質問をしてみたり、Google スプレッドシートやExcelのような表計算アプリで関数を教えてもらったり、新製品のキャッチコピーの素案を作成してもらったりするなどさまざまな活用が可能です。

 将来、機能も含め、より業務で使えそうなシーンについても紹介します。Gemini アプリは、インターネット上のあらゆる情報を学習し、その膨大な知識を基に、答えを返してくれます。テキストでの質問だけではなく、マルチモーダルな特性を生かし、与えた画像を基にした返答もできます。例えば、プロンプトに画像をアップロードして、それを基に、製品の拡販につなげるためのヒントを得るといった使い方も可能です。

 実際に「ECサイトで子供用の帽子を販売したいです。お母さんの年齢層に合わせて、この製品のセールスポイントを考えてください」という画像を添付したプロンプトを投げかけて、Gemini アプリが返してくれた内容が、右の画像です。もちろん、答えはユーザーが100%求めているものではないかもしれません。しかし、Gemini アプリによって自分が考えているプランが全く違っていたりしないか? といった確認に利用することで安心感を得たり、ゼロからいろいろな観点を考え出す時間を短縮し、効率的に情報をまとめたりするなどのことができるようになると考えられます。

▲ Google Workspace の優れている点を尋ねたところ、箇条書きを交えながら分かりやすく回答してくれた。

企業に求められるプライバシーに配慮

 今後は、個別に指定した画像だけではなく、日ごろ業務で利用している Google ドライブ上に置いてあるデータも学習コンテンツとして、連携できるようになる計画です。先ほど挙げた例ですと、ECサイトでのマーケティングを担当される方向けのシナリオでしたが、営業職向けのシナリオについても一つ紹介しましょう。

 営業職の方は、担当顧客に提案を採用してもらうため、担当企業の決算報告、中長期計画などの情報から提案の筋道を立てて、シナリオの正当性や有効性をアピールするといった活動を何度もされているかと思います。そこで、先述のインターネット上から得られる、企業の中長期計画のような情報だけでなく、過去に提出した提案書、または社内にある同業他社向けの提案書なども考慮に入れ、どういった提案が受けて入れてもらいやすいのか? といったヒントを Gemini アプリから得られるようになります。このように、Gemini アプリはAIコラボレーターとして、ユーザーの右腕となって、業務の効率化、品質の向上をサポートしてくれます。

 自然言語で会話できるチャット形式のAIサービスは、他社も提供していますが、これらのサービスを個人ではなく、企業で使う場合、プライバシーの心配があり、利用をちゅうちょされるお客さまも一定数いらっしゃると感じています。しかし、この Gemini アプリは、企業向け Google Workspace のアドオンとして提供していますので、企業に求められるプライバシーに配慮しています。具体的には、お客さまが入力したプロンプト、出力された成果物を、Google が今後の製品開発に生かすために参照、利用することはありません。また、ほかのお客さまが同様のプロンプトを入力した際、他社で答えた内容・回答を使いまわすことはなく、ほかの利用者に、プロンプトや出力結果を知られることもありませんので安心して利用できます。詳しくは Google Workspace の公式ブログもご参照ください。企業内に閉じたAIサービスとして、Gemini アプリ、Gemini for Google Workspace をぜひご活用ください。

▲ 画像を添付したプロンプトを投げかけたところ、その画像に見合った的確な内容で回答してくれた。
▲ Google Workspace データ保護の取り組みについてはこちらをご参照ください。

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