今月のテーマは……
Duet AI から Gemini に名称変更
より多くのユーザーにAIのメリットを享受

2023年の8月号と9月号において、ジェネレーティブAI機能を搭載した「 Duet AI for Google Workspace 」を取り上げたことを皆さまは覚えていらっしゃいますか? このたび Duet AI for Google Workspace は「 Gemini for Google Workspace 」へ名称を変更しました。そこで今号では、改めてこの Gemini for Google Workspace について紹介したいと思います。

庄司大助(Dandy)
所属:グーグル・クラウド・ジャパン
パートナーエンジニアリング本部
役職:パートナーエンジニア
経歴:大学卒業後、日系の中堅企業のIT部門で、ITインフラ担当者として入社後、自動車系IT企業にて、ネットワークエンジニアを経験。その後、マイクロソフトにて、10年以上にわたり、オンプレミスからクラウドまで幅広くプリセールス活動に従事。現職に至る。
宮崎悦子(Kiki)
所属:グーグル・クラウド・ジャパン
パートナーエンジニアリング本部
役職:パートナーエンジニア
経歴:外資系IT企業でオンプレミス・クラウド製品に関するカスタマーサポートに従事した後、プリセールス活動に従事。得意分野はSaaS、コミュニケーションコラボレーション製品。使っていてワクワクするサービスが好き。

名称を変更してラインアップを増加

 日々のPCを使った業務生産性を高めるため、「 Duet AI for Google Workspace 」は2023年8月末から発売を開始しました。今では世界中で100万人以上のビジネスパーソンに利用いただいています。そんな Duet AI for Google Workspace は、2024年2月より「 Gemini for Google Workspace 」へ名称が変更となりました。

 加えて、Gemini for Google Workspace は、より多くのユーザーにAI機能のメリットを享受してもらうため、ラインアップを増やしました。

マルチモーダルなAIモデル

 旧 Duet AI for Google Workspace では、Gmail 、Google ドキュメント 、Google スライド、Google スプレッドシート、Google Meet といった日常的に利用するアプリにおいて、自然対話形式で提案書などの文書作成や、資産管理台帳を新たに作成したい場合にテーブルを簡単に作成するといったユーザーを支援する機能を提供していました。これらを新たなモデル「 Gemini 」が行うようになります。Gemini モデルは、テキストだけではなく、画像、音声、動画といったさまざまな種類の情報を理解するマルチモーダルなAIモデルです。また、Gemini の上位モデルである「 Gemini Ultra 」は、数学/物理/歴史/法律/医学など50種類以上の科目を組み合わせて知識と問題解決能力を問うテストで、その道の専門家を上回る結果を残しました。(出所:Google Japan ブログ)

 このパワフルなAIモデルを Google Workspace に組み込むことで、より品質の高い言語理解、高度な文書作成や要約、コード作成などを支援してくれるようになるでしょう。

アドオンラインアップを追加

 Gemini for Google Workspaceは、名前を新たにしただけでなく、2024年2月末には旧 Duet AI for Google Workspace アドオンをより幅広く、多くの方々に使っていただくため、廉価版のメニューの提供を開始しました。現在、提供している Google Workspace の生成AIアドオンサービスは、「 Gemini Enterprise 」(旧 Duet AI for Google Workspace )と「 Gemini Business 」です。

 Gemini Enterprise は、以前から提供している Duet AI for Google Workspace アドオンの後継となり、機能や価格に変更はありません。

 Gemini Business は、新たに追加となったアドオンサービスです。こちらは、Gemini Enterprise アドオンに比べ、機能的な制約はありますが、あらゆる規模のチームや組織で利用可能なサービスです。制約の一例としては、月に1,000回を上限とした生成AIへのプロンプト入力による成果物の作成、アプリに常駐している生成AIから提案された長いスレッドのメールや文書の要約提案の受け入れといったサービス利用の回数制限などがあります。また、Google Meet にある翻訳、文字キャプションなどの機能はご利用いただけません。しかし、旧 Duet AI for Google Workspace で提供していたHelp me write/visualize/organizeにあるような文書作成、スライドの挿絵作成などの機能は全てご利用いただけます。

 また、Gemini Enterprise/Business を購入いただいたお客さまには、新たにスタンドアロンのチャット機能のサービスである Gemini アプリの利用が可能となりました。旧 Bard の流れをくむ「 Gemini Advanced 」をベースとして、企業での利用で求められるプロンプト入力や生成物がお客さまの利用環境に閉じ、Googleが製品品質の向上のために情報にアクセスしたり、利用したりすることなく、お客さまのプライバシーが保たれるため、安心してご利用いただけます。前述の通り、多くのコンテンツを学習している高性能なモデルを利用可能なため、洞察力に富んだ専門的な回答を得られ、ユーザーへの支援が一層進むと期待されます。このスタンドアロンのチャット機能は、ほかの Gemini for Google Workspace の機能に先立ち、日本語での入出力が可能です。現在は最適化を進めている最中です。日々進化していく Gemini for Google Workspace をぜひお試しください。

Google Workspace 、Duet AI for Google Workspace、Gemini for Google Workspace 、Gemini 、Google Meet 、Gmail 、Googleドキュメント 、Googleスプレッドシート は、Google LLC の商標です。