働く人生を支え続けるブランドへ
「LAVIE」への統一を決めた意図とは
7月23日、NECパーソナルコンピュータはビジネスPCの新製品発表と、2026年度におけるビジネスPCの事業方針を説明する記者発表会を開催した。同社は法人向けPCブランド「Mate」「VersaPro」を「LAVIE」ブランドへ統一し、2026年7月下旬から新製品を発売していく。なぜ同社は法人向けPCを、LAVIEへ統一していくのだろうか。本記事では会見の内容をレポートしていく。
顧客の声を素早く生産部隊に届ける
AIの変遷に合わせた製品を用意

会見の冒頭はNECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長 檜山太郎氏が登壇し、同社の新体制を受けた変化をこう話す。「開発、設計、製造、マーケティング、販売が一体となった体制によって、お客さまの声をいち早く生産部隊に展開できるようになっています。また、進化する技術を素早くお客さまへ届け、それによってフィードバックをもらえたことが、事業においてとても大切な事柄でした」
続けて檜山氏は、国内のPC市場について「現在、PC市場が大きく動いています。2026年以降、出荷台数は少し落ち着いてきますが、AIシステムへの投資額は増えていきます。今までは機械学習の領域で成長していたAI市場ですが、今後は推論の領域で大きく進化していきます。これはまさにクライアントコンピューティングの世界であり、エッジの世界であり、オンプレミスの世界でもあります」と現状を話す。
檜山氏いわく、クライアントコンピューティングは毎年大きな変化を続けているという。その理由は、我々を囲むITおよびAIの環境変化によるものだそうだ。「生成AIが登場し始めた2023年ごろ、PCはAIをブラウザーで利用するための窓口という位置付けでした。それが2025年には、OSにAIが組み込まれる形で進化しました。そこで登場したのがCopilot+ PCなどです。そして2027年以降はパフォーマンスによって、AIエージェントがこの処理はローカルで行うのか、クラウドで行うのか、もしくはハイブリッドで行うのかを選択していくようになります。我々はこの変遷に基づいて製品を準備し、しっかりとポジション取ることができると考えています」

ではなぜ、檜山氏はポジションを取れると考えているのだろうか。「この1年間、社員全員で切磋琢磨しながら市況をしっかり認識し、生産、販売、研究開発、サポートチームのメンバー全員が一緒になって働いています。当社は初めからこの形でスタートしたのではないかと思わせる雰囲気が出ています。組織内での環境を充実させながら、これからの活動を進めていきます」(檜山氏)
MateとVersaProのコンセプトを
受け継ぎながらLAVIEブランドへ

続いてはNECパーソナルコンピュータ 業務執行役員 兼 コマーシャル事業本部長 宮前 豊氏が登壇し、2026年度のビジネスPCの事業方針を語った。同社の2026年度の事業方針は大きく三つあるという。
一つ目は販売パートナーとの連携強化だ。この取り組みは取引ボリュームに応じた「販売パートナープログラム」を強化/拡充するほか、医療、公共、教育といった特定業種に強みを持つアライアンスパートナーと連携スキームを組み、特定業種向け提案シナリオを立案する組織を新設して実施していく。また、NECパーソナルコンピュータが未導入の顧客へ直接アプローチし、販売パートナーと共に導入までを支援する組織も新設する。
二つ目は、AI活用を加速するコンピューティング環境の拡充だ。これはAI PCを全ラインアップの7割まで拡充する、独自AI「AI Plus Biz」や「AIバッテリー制御」の機能を強化する、パートナーとの協業範囲を拡大するといった取り組みで進めていく。
三つ目は、PCブランドの進化と攻めの商品提供だ。これまでPCは、生産性向上をサポートするデジタルツールという位置付けだった。しかしコロナが収束し、働くことと生活の垣根が薄くなってきている現代では、価値創出と意思決定を支えるビジネスユーザーの伴走者という役割に変化した。そこで同社は、現状の法人向けPCブランド「Mate」「VersaPro」はどうあるべきかと考えた。
「今までMateとVersaProは、ビジネスを止めないプロフェッショナルのためのツールという位置付けのブランドでした。これはこれで非常に重要な意味を持っているため、このコンセプトは継承しつつ、働く人を支え続けるブランドへの進化が必要だという結論に至りました」(宮前氏)
そこで同社は、法人向けブランドを「LAVIE」へ統一することを決断した。

宮前氏はLAVIEに統一する意図について、こう説明する。「LAVIEはフランス語で“人生”という意味です。業務ツールにとどまらず、働く人生を支え続けるブランドとして、LAVIEは最適だと判断しました」
変わり続ける働き方を支える
全7機種の新製品ラインアップ

同社は2026年7月に、LAVIEブランドから新PCを全7機種発表する。
まずは、14インチノートPCの「BM94C」だ。本製品は99.9Whrの大容量バッテリーを搭載しながら、最軽量構成時で約999gの軽量さを実現している。JEITA3.0に基づいて測定したバッテリー駆動時間は、動画再生時で30.5時間、アイドル時で50.8時間、Teams利用時で16時間以上となっている。2日間は充電をせずに過ごせるため、出張時でもモバイルバッテリーやAC電源を持ち歩く必要がなくなるのだ。
さらに東レ製の最新カーボンを活用し、軽量さと剛性を両立した。また天板とパームレスト面に防指紋・耐摩擦コーティングを施し、指紋が拭き取りやすい上、擦り傷が付きにくいボディに仕上げたのだ。
次は、14インチノートPC「BM74C」「BM54C」だ。BM94Cがフラッグシップモデルである一方、BM74CとBM54Cはより広い顧客に長時間や軽量の恩恵を体験してもらうためのモデルになっている。両モデル共にJEITA3.0動画再生測定時で最大22.6時間駆動する、交換可能なバッテリーを搭載しているのだ。また交換に当たってのユーザーの使いやすさを意識し、カバーのネジにはPCの背面カバーを裏返しても脱落しない「脱落防止リング」を付けている。さらには、プラスドライバーで四つのネジを外すだけで交換できるようにもなっているのだ。



三島氏は、BM94C、BM74C、BM54Cの三つに共通する強化ポイントを次のように話す。「ポイントは三つあります。一つ目は大画面化です。14インチの液晶を採用して画面を大きくしつつ、軽さは1kg以下をキープしています。二つ目は最新AI CPU対応です。最新のAI対応CPUを選択可能で、しっかりとパフォーマンスを向上しています。三つ目は接続性の向上です。BM74Cは5G/LTE、BM54CはLTEに対応しています。さらにBM94C、BM74C、BM54C共に、最新規格のWi-Fi7に対応しているのです」
次は、16インチと15.6インチを選択可能なノートPC「BN76C」「BN56C」と、16インチノートPC「BN56R」だ。多様な業務に応えるAI時代のノートPCで、16:10の縦長アスペクト比により、オフィスワークの作業効率を上げてくれる。また、会議が連続しても充電が切れないように、JEITA3.0動画再生測定時で最大14.9時間のバッテリー駆動を実現している。加えて、3方向にUSB Type-Aポートを付けていたり、大型のタッチパッドを備えていたりするといった、使いやすさも意識しているのだ。



さらに業務を止めないために、ハードウェアとデータの冗長性にも力を入れている。まずハードウェア面はバッテリーのほかに、SSDとメモリーも交換可能なセルフメンテナンス設計になっている。またキーボード面は、水こぼしに強い防滴設計にしている。
次にデータ面は、壊れた際のバックアップとして二つ目のSSD(2nd SSD)を搭載できるようになっている。そして2nd SSDを利用した、ローカル自動バックアップソリューション「LAVIEスマートバックアップ」が使えるのだ。
LAVIEスマートバックアップとは、ユーザーデータを自動でバックアップし、万が一のトラブル時に復元が行えるものだ。一度設定すれば、その後は自動でバックアップをしてくれる。バックアップを保存するのはPCに搭載した二つ目のSSDなので、クラウドへのデータ保存に不安を感じるユーザーでも安心して利用可能だ。また自動でファイルの優先順位を判断するため、容量が不足している際も、限られた容量内で最適なバックアップを実現できる。
最後は、13インチタブレット「BT53C」だ。オフィスから現場まで、シーンを選ばない一台になっている。そのためあらゆる場所での利用を想定して、500nitの明るさにより、屋外でも視認性を保てるようにしたのだ。また5G対応のため、どこでもネットワークを使用可能だ。
さらに利便性を上げる周辺機器として、充電式のデジタイザーペン(別売)や、ペンの収納が可能なカバーキーボード(別売)も用意している。

AI Plus Bizも進化しており、PCに詳しくないユーザーでも、ボットとの対話形式で不明点を解消していける。従来は曖昧な質問だと回答が絞り込めなかったが、AIが次に選ぶ候補を出す対話形式となったので、利用者が質問を考え込む必要がなくなったのだ。
さらにはAIミーティング機能も強化されており、マイクが口元にないタイプの機器を使っている場合でも、周囲のノイズを抑制するようになった。
また保守メニューにおいても、引取保証拡張が最大7年になったり、予期しない事故による障害をカバーする「アクシデント・ダメージ・プロテクション」が盗難にも対応したりするといった更新がなされている。
最後に三島氏は、「これから働く人の伴走者として、LAVIEブランドで商品を強化していきます」と意気込みを話した。

