国内PC市場では海外のグローバルPCメーカー各社が参入し、シェア争いを続ける中、2024年(1〜12月)の国内ノートPC市場(BtoCとBtoBの合算)において、日本のPCメーカーであるDynabookがシェア1位※を獲得した。Dynabookは東芝時代を含むPC事業開始以来、日本でいち早くモバイルPCを開発・提供し、国内だけではなくグローバルでモバイルPC市場をけん引してきた。Dynabookが多くのビジネスユーザーに選ばれる理由は何か、Dynabook 取締役副社長 渋谷 正彦氏に話を伺った。

※ 出所:IDC Quarterly Personal Computing Model Analysis 2025Q2 Share by Brand(2024年1月〜12月)

「セルフ交換バッテリー」に見る
ユーザーに寄り添うビジネスPCとは

Dynabook  渋谷 正彦 氏
Dynabook
取締役副社長
渋谷正彦

 IT専門の市場調査会社であるIDCの調査結果※によると、国内ノートPC市場(BtoCとBtoBの合算)において2024年(1〜12月)のブランド別シェアで「Dynabook」が14.7%※を占め1位※を獲得した。特にBtoB市場でのシェアの高さが目立ち、全体で約20%※、13インチクラスでは約35%※ものシェアを獲得している。

 なぜこれほど多くのビジネスユーザーがDynabookを選んでいるのだろうか。その答えの一つとして、渋谷氏はDynabookが考えるビジネスPCのあるべき姿を語った。

「当社が目指すビジネスPCとは『人に寄り添う、社会を支える、真のコンピューティング』で、お客さまのビジネスに寄り添い、お客さま一人ひとりの生産性向上に貢献したいと考えています。具体的には、いつでもどこでも使える、つながる、より軽く薄く、より高性能、かつ丈夫で(バッテリーが)長持ち、さらにセキュリティも担保されたPCが、当社が考えるビジネスPCの基本性能です」(渋谷氏)

 渋谷氏が語るビジネスPCを具現化した一例が「dynabook X83 CHANGER」(以下、X83 CHANGER)だ。X83 CHANGERは軽量・薄型の筐体に「セルフ交換バッテリー」を採用していることが最大の魅力だ。セルフ交換バッテリーとは長期にわたる使用でバッテリーが劣化した際に、ユーザー自身で簡単かつ安全に新しいバッテリーに交換したり、バッテリーが切れた際に予備のバッテリーとその場で交換したりできる仕組みだ。

 渋谷氏は「以前のノートPCではバッテリーパックをユーザー自身で取り外すことが当たり前でした。ところが軽量化・薄型化を追求する中でバッテリーは内蔵されるようになりました。しかしバッテリーの故障時の保守対応に時間がかかり、その間、自分のPCが使えないことや、内蔵バッテリーだけでは駆動時間に制限があることなど、お客さまは内蔵バッテリーに不満をお持ちだと分かりました。軽さ薄さを優先した結果、使い勝手を犠牲にしてしまったと反省し、1kgを切る900g台の軽量・薄型の筐体と、使い勝手の良さを両立したX83 CHANGERを商品化しました」と説明する。

 お客さまのビジネスに寄り添い、お客さま一人ひとりの生産性向上に貢献したいと考える、DynabookのビジネスPCのポリシーが反映された象徴的なエピソードだと言えよう。

ビジネスでのAI活用が進み
PCの役割がより重要になる

 ユーザーを取り巻く環境の変化がビジネスPCにさらなる進化を求めている。その要因としてビジネスでのAI活用が挙げられる。これからのビジネスPCには生成AIをはじめとするAIを活用するための性能や機能、工夫が求められる。そこでDynabookはX83 CHANGERを進化させた「dynabook X94 CHANGER(X94/NY)」(以下、X94 CHANGER)を発売した。X94 CHANGERは900g台の軽量・薄型の筐体にセルフ交換バッテリーを採用し、マイクロソフトのCopilot+ PCに準拠した14インチのAI PCだ。

 ビジネスにおいて生成AIの活用が浸透する中で、ビジネスPCの在り方はどのように変わるのだろうか。渋谷氏は「AIは従来のアプリケーションのように特定のタスクを処理させるだけではなく、あるときは仕事を任せ、あるときは相談相手になるなど、ユーザーのパートナーのような存在になります。AIはPCを通じて使うため、PCの役割はより重要になります」と説明する。

 そして「AI活用によってPCを利用する頻度や時間が増え、またPCが扱うデータや処理する演算も増えます。こうした変化においてもビジネスPCの基本性能である、より高性能で長持ちを実現するには、X94 CHANGER に搭載されているインテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)(開発コード名:Lunar Lake)をはじめとするインテルのテクノロジーが不可欠です」と強調する。

インテルのテクノロジーの真価を
最大限に引き出すことがメーカーの役目

 X94 CHANGERに搭載のインテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)にはAI処理専用のプロセッサーである最新のNPU(第4世代 インテル® AIブースト)を搭載しており、Copilot+ PCの要件を上回る40〜48TOPSの性能を備えている。

 またAI処理だけではなくさまざまな処理を高速かつ省電力で行う「インテル® スレッド・ディレクター」も搭載している。これはAI処理の際にNPUだけではなく、処理の種類に応じてCPUやGPUにもタスクを割り当て、処理速度と電力効率を両立する技術だ。さらにCPUの内部には処理性能を優先する「P-cores」と電力効率を優先する「E-cores」が用意されており、CPUでの処理の内容に応じてそれぞれに割り当てる仕組みもある。

 これらのインテル® Core™ Ultra プロセッサーに実装された機能は、Windows 11のスケジューラー(タスクを振り分ける機能)と連携して行われる。つまりインテル® Core™ Ultra プロセッサーとWindows 11の組み合わせがビジネスPCを進化させ、AIのビジネス活用においても、より高性能で長持ちなビジネスPCを実現する。

 渋谷氏は「インテルの優れたテクノロジーをそのまま使うだけではなく、その真価を最大限に引き出すことがメーカーの役目だと考えています」と主張する。

dynabook X94 CHANGER
「セルフ交換バッテリー」を採用したAI PCの最新モデルとなる14インチの「dynabook X94 CHANGER。インテル®Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)(開発コード名:Lunar Lake)を搭載し、マイクロソフトのCopilot+ PCの要件を満たす。またIntel vPro®プラットフォームにも対応する。

 例えばプロセッサーが高速で動作し続けると発熱量が増加し、本来の性能を発揮できない場合がある。そこでインテル® Core™ Ultra プロセッサーにDynabook独自の冷却・放熱技術である「エンパワーテクノロジー」を組み合わせることで、プロセッサー本来の性能を最大限に引き出し、より高性能で長持ちなビジネスPCを実現している。

 また「セキュリティの担保」についても、OSやセキュリティソフトでは防御できないBIOSなどのファームウェアレベルのセキュリティを、Intel vPro®プラットフォームによって実現している。

 渋谷氏は「ノートPC 国内シェア 1位を獲得できたのは、ディストリビューターさまとその先のパートナーの皆さまの協力の成果です。パートナーさまのビジネスにも寄り添い、パートナーさまと一緒にお客さまの困りごとを解決するソリューションを提供することで、2026年もNo.1を目指します」とアピールした。