今月のテーマは……
プレゼン資料作成に革命が起きる
三つのAI活用ツールが導く黄金ワークフロー
プレゼンテーション資料の作成といえば、構成を考え、テキストを要約し、デザインを整える……という非常に多くの工程を含む大変な作業でした。しかし Google Workspace の進化により、私たちは今、3人の強力なアシスタントを手に入れています。それが「 NotebookLM 」「 Geminiアプリ 」「 Google スライド のサイドパネル」です。これら三つのツールは、それぞれ独自の強みを持っていますが、似たようなこともできるため、使い分けに迷う方が多いのではないでしょうか。そこで今号は、三つのツールがプレゼン作成において、何が得意なのか、どのような成果物を生み出すのか、そしてどう使い分ければ最短距離でゴールにたどり着けるのかを解説します。
論理的リサーチャーと敏腕プランナー
最初に紹介するのは、情報の整理と構造化に特化した「 NotebookLM 」です。NotebookLM の最大の特長は、ユーザーがアップロードしたソース(PDF、Googleドキュメント 、WebサイトのURLなど)のみに基づいて回答を生成する「グラウンディング(根拠付け)」能力です。
一般的な生成AIは、学習データに基づきもっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくことがありますが、NotebookLM は与えられた資料の中に答えがない場合、「情報が見つかりません」と正直に回答します。そのため、大量のマニュアルや議事録を読み込み、正確な要約と構成案を作るといったシーンで無類の強さを発揮します。
NotebookLM は現時点では、スライドファイル(.pptxなど)を直接生成するわけではありません。しかし、スライドを作るための「確かな根拠のある原稿」を作る段階において、最も信頼できるパートナーとなります。
次に紹介するのは、おなじみのチャットボット「 Geminiアプリ 」です。Geminiアプリ の強みは、汎用性の高さ、インターネット上の最新情報へのアクセス、そして対話の柔軟性です。「もっとインパクトのあるキャッチコピーはない?」「競合他社の事例と比較してほしい」といった外部知識を必要とするさまざまなリクエストや、クリエイティブなアイデア出しなどに最適です。
また、最近のアップデートでは、生成した回答を直接 Google スライド へエクスポートする機能も強化されました。Geminiアプリ は、真っ白なキャンバスから最初のドラフトを生み出す「0から1」の工程、あるいは視点を変えるための壁打ち相手として最適です。
仕上げを担う専属デザイナー
最後に紹介するのは、Google スライド のサイドパネルです。これは、実際のスライド作成・編集画面の中で動作するAIです。画像生成機能を使えば、オリジナル画像をその場で生成して挿入できます。
さらに「このドライブ内のドキュメントを基にスライドを作って」と指示すれば、Google ドキュメント の内容を読み取り、適切なタイトルと本文、そしてそれに合った画像を配置したスライドを生成してくれます。
サイドパネル機能を活用することで、外部アプリを行き来することなく、作業フローの中でシームレスにビジュアル化を行える点が最大のメリットです。


三つのツールの黄金ワークフロー
これら三つのツールは、競合するものではなく、リレー形式でバトンをつなぐことで最大の効果を発揮します。Google Workspace をフル活用した推奨の「黄金ワークフロー」は以下の通りです。
Step1:情報の精査( NotebookLM )
まずは NotebookLM に関連資料を全て放り込みます。そして「この資料に基づき、役員報告用の要点を五つにまとめて」と指示し、事実に基づいた正確なテキスト素材を作成します。
・目的:正確性の担保、情報の抽出
・成果物:プレゼンの骨子(テキスト)
Step2:構成の練り上げ( Geminiアプリ )
Step1で作成したテキストを Geminiアプリ に投げます。「この要点を基に、30代の現場マネージャーに響くようなプレゼン構成にして。導入・本題・結論の流れで」と指示し、ストーリーを肉付けします。
・目的:ストーリーテリング、アイデアの拡張
・成果物:スライドごとの詳細な台本
Step3:スライドの生成とデザイン( Google スライド )
最後に Google スライド を開きます。Gemini のサイドパネルからStep2の内容(あるいはそれをまとめたドキュメント)を指定し、「この内容でスライドを作成」と指示します。生成されたスライドに対し、足りない画像などがあれば生成・補完して仕上げます。
・目的:ビジュアル化、最終アウトプット
・成果物:プレゼンテーション資料(完成品)
AI機能といっても、得意分野(守備範囲)はそれぞれ異なります。全てを一つのツールで完結させようとするのではなく、各々の「長所」を理解してチームのように連携させることが、Google Workspace を使いこなし、私たちの業務時間を劇的に短縮する鍵となります。
今後資料を作成する際には、ぜひこの黄金ワークフローを試してみてください。きっとこれまで数時間かかっていた作業が、驚くほどスムーズに進むことを実感いただけるはずです。
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