Instagramの「ハイライト」とは?

Instagramのストーリーは通常24時間で消えてしまいますが、ハイライトを使うとストーリーをプロフィールに残すことができます。お店への行き方や商品紹介、FAQ、実績紹介などをまとめておけば、訪問者がいつでも確認できるため、企業や店舗のアカウントにとっては大切な情報発信の場でした。

従来はプロフィール写真や自己紹介文のすぐ下に丸アイコンが並んでいたので、目立つコンテンツとして、固定しておきたい情報を伝えるための重要な役割を担っていました。

新仕様「ハイライト」は「タブ」へ移行

今回の仕様変更により、ハイライトはプロフィールの上部から姿を消し、投稿グリッドやリールなどと同じ位置に並ぶ「ハイライト」タブとして表示されるようになっています。デザイン上の統一感や見やすさの向上を狙った変更ではないか考えられますが、これまでの目立つ場所から移動してしまいました。

さらに、この新しいハイライトタブでは、これまでの丸い小さなアイコンではなく、サムネイル形式で表示されています。つまり、ユーザーが「わざわざタブを開く」というひと手間をかけなければならず、従来のように自然と目に入る形ではなくなった点が大きな違いです。

プロフィール画面でハートのアイコンをタップ

プロフィールグリッドと同様の表示になったハイライト

なお、ストーリーズのリンクスタンプを活用して、WebサイトやECサイトなどへリンクを貼っている場合、機能はそのまま引き継がれているので、これまでと同様外部サイトへの導線として活用することができます。

仕様変更によるInstagram運用への影響

この表示変更は、単に見た目が変わるだけではありません。Instagramの運用に以下のような影響があると考えられます。

視認性の低下

プロフィール訪問時に自動的に目に入っていたハイライトが、タブへ移行したことで、視認性が下がるため、ハイライトへのアクセス数が減る可能性があります。

第一印象の変化

ハイライトのアイコンを独自のデザインにするなど、世界観の統一を図りながらブランドの構築をしていた場合、第一印象でのアピール力が弱まるかも知れません。

ユーザー導線の見直しが必要

重要な情報を「ハイライトを見てください」と案内していた場合、その導線を修正する必要が出てきます。例えば、従来は「詳しくはプロフィールハイライトを見てください」と記載していた文言を「プロフィールのハイライトタブからご覧いただけます」のように、変更します。

カバー画像のデザインの再調整

ハイライトのカバー画像と言えば円型のアイコンでしたが、プロフィールのタブへ移行したことにより、長方形のデザインになりました。円型のアイコンを使っていた場合は、新しいサイズに合わせて設定し直す必要があります。

一方で、今回の仕様変更に伴い、プロフィール画面に並んだ投稿(グリッド)の順番を変更できる機能が実装されるなど、従来にはなかった機能も加わっています。新しい機能については、次回詳しく解説します。

まとめ

Instagramの仕様変更は突然行われることも少なくなく、今回のハイライトの移行もその一例です。機能がなくなったわけではなく、表示場所が変わっただけですが、企業アカウントの運用においてはユーザー導線や世界観の表現に影響を与える大きな変化です。
こうした機能変更に振り回されるのではなく、「新しいルールの中でどう見せるか?」という視点を持って、柔軟に対応していきましょう。

2021年8月16日にスタートした本連載も、おかげさまで100回を迎えることができました。SNSの進化の速さと、その変化を継続して発信して来られたことに感慨深い思いです。中には10万人以上の方に読んでいただいた記事もあり、読者の皆様には心より感謝申し上げます。
これからも、少しでもSNS運用に役立つ視点をお届けできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。