パワーアップした生成AI

2024年7月にAdobe Illustratorデスクトップ版の新機能と機能強化がリリースされました(バージョン28.6)。ベクターデータに特化した最新の「Firefly Vector Model」(ベータ版)を採用することで、構成、ディテールのリアルさ、雰囲気やライティングが改善され、より高品質な画像生成が可能になりました。

参考サイト: Firefly Vector Model

シェイプ生成塗りつぶし(ベータ版機能)

シェイプを選択してプロンプトを入力するだけで、複数のバリエーションの塗りつぶしが生成されます。コンセプトのアイデア出しや、既存の作品にディテールを加えることに最適です。プロンプトの入力がない場合は、シェイプのアウトラインに基づいて塗りつぶしがおこなわれます。

【1】選択ツールで塗りつぶすシェイプを選択します。表示されたコンテキストタスクバー、または「オブジェクト」メニューから、「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」を選択します。

【2】プロンプトフィールドに、生成したいものの説明を入力します。必要に応じて「シェイプの強度とディテール」や「スタイル参照」などの詳細を設定します。入力ができたら「生成」ボタンをクリックします。

【3】塗りつぶしのバリエーションがプロパティパネルに表示され、レイヤーパネルには「生成オブジェクト」が作成されます。再度「生成」ボタンをクリックすると、さらにバリエーションが生成されます。

パターンの生成(ベータ版機能)

生成したいパターンをプロンプトに入力し、必要に応じてオプションを追加するだけで、複数のパターンバリエーションがすばやく生成されます。パターンはスウォッチに追加することができ、いつでも編集することが可能です。

【1】選択ツールでパターンを適用するオブジェクトを選択します。「オブジェクト」メニュー→パターン→生成パターン(Beta)をクリックします。プロパティまたはコントロールパネルの塗りまたは線からアクセスすることも可能です。

【2】「プロンプト」フィールドに、生成したいものの説明を入力します。必要に応じて「カラーを追加やカラープリセットから選択」や「作品に効果を追加」から詳細を設定します。入力ができたら「生成」ボタンをクリックします。

【3】パターンのバリエーションが生成パネルに表示されます。再度「生成」ボタンをクリックすると、さらにバリエーションが生成されます。

刷新されたモックアップ(ベータ版機能)

製品パッケージ、マグカップ、Tシャツなどのオブジェクトの形状を認識し、作成したロゴデータなどのベクターアートをオブジェクトの曲線やエッジに合わせて自動的に調整します。

【1】使用するベクターアートと画像を配置します。「ウィンドウ」メニュー→モックアップ(Beta)をクリックすると、モックアップパネルが表示されます。

【2】選択ツールでベクターアートと画像をまとめて選択し、モックアップパネルの「モックアップを作成」ボタンをクリックします。

【3】ベクターアートが画像に適用され、モックアップが作成されます。ベクターアートはドラッグして画像の任意の位置へ移動することができます。このときオブジェクトの形状に合わせて、ベクターアートが自動で調整されます。

まとめ

今回はAdobe Illustratorの最新の生成AIを採用した新機能について紹介しました。今までは時間のかかる作業だったものが、一瞬でたくさんのバリエーションを生成してくれる時代になり、さらにクオリティまでが向上しています。これらをうまく活用して、クリエイティブな作品をより一層レベルアップさせていきましょう。