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経営層と現場のギャップの把握が求められるIT活用提案

経営層と現場のギャップの把握が求められるIT活用提案

2022年05月10日更新

経営層に訴求できるIT活用提案が必要

IT Solution

 ノークリサーチは、中小規模のユーザー企業に向けたIoT/XR/ドローン/ロボット活用を促進するソリューション提案に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

 DXが全国的に推進されている今、中堅・中小企業においても幅広いIT活用提案が求められている。だが、業種によって最適なIT活用提案は大きく異なることに加え、経営層の期待と現場のニーズも常に一致しているわけではない。そのため、ITを提供するベンダーや販社/SIerなどのIT企業は、最初に経営層と現場のギャップを把握する必要がある。

 ITソリューション提案を行う業種の一例として、ノークリサーチは組立製造業での調査結果を挙げる。組立製造業の経営層・現場視点別の回答を見ると、現場では製品を製造する工程の可視化/自動化の需要が高いことが分かる。一方、経営層では、営業活動や商談の遠隔化/オンライン化を求める声が多くなっている。つまり経営視点では、短期的な売上増に直結するITソリューションが重視されやすいとノークリサーチは分析している。そのため、IoTなどを活用した製造工程の改善を実現するには、経営層からも同意を得られる提案シナリオが求められるのだ。こうした現場と経営層のギャップを埋めるには、IT活用における現状の課題を把握する必要がある。

 ノークリサーチは、組立製造業でのIoT/XR/ドローン/ロボット活用の課題も調査している。その調査によると、収集したデータの業務への活用や、目的に応じたIoTセンサーの選択がIT活用を阻む課題として挙がっている。これらの課題を解決して業務改善の効果を得ることができれば、経営視点におけるIoT活用などのニーズを高められる。

協働ロボットの併用も要検討

 収集したデータの業務への活用に際して、組立製造業の中では、データ分析結果を元に機器/設備を自動的に制御できる機能や、センサー/サーバー/分析ツールが全てそろったサービスがIoT/XR/ドローン/ロボットなどに必須だという声が多い。従って、組立製造業に対してIoTを活用した製造工程の改善を訴求するには、データから分析し、さらに機器/設備の制御を一気通貫で提供するサービスが必要とされている。中堅・中小の組立製造業に幅広く訴求する場合、他社との協業も活用しながら、IT企業側が機器/設備の制御といったOTの領域まで踏み込んで取り組むことが望ましい。

 目的に応じたIoTセンサーの中では、測量系IoTセンサーやカメラ/イメージセンサー、運動系IoTセンサーといったセンサー系のデバイスのニーズが高い。IT企業側には製造ラインに合わせて適切なセンサーを提案するスキルが求められるため、従来よりも一歩進んだ製造現場への理解が必要となる。人間と同じ空間で作業できる安全性を備えた産業用ロボット「協働ロボット」のニーズも比較的高く、IoT活用が進んでも人による手作業がゼロになるわけではないため、製造工程全体の効率化を図る上では協働ロボットの併用も視野に入れることが重要だ。

成長が続くHRTechクラウド市場

HRTech

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、HRTechクラウド市場の規模と予測を発表した。同調査では、クラウドをベースにソーシャルやモバイル、ビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のITを使った人事関連ソリューションをHRTechクラウドとし、その中でも「採用管理クラウド」「人事・配置クラウド」「労務管理クラウド」「育成・定着クラウド」の4分野に分けて調査を行っている。

 2020年度のHRTechクラウド市場の規模は444億円で、2021年度には前年度比130.2%の578億円となった。背景には、前年にみられた新規案件の減少や商談の長期化を乗り越え、波状的に起こる新型コロナウイルス感染症の流行に対して、電子化を含めたテレワークや非対面の業務推進を支援するストックビジネスの強みが発揮されたことがある。

 東京オリンピック・パラリンピック以降のHRTechクラウド市場は、労働人口の減少が進む中でテレワークや就業の多様性を反映し、採用、人材確保・活用・育成などの人事政策がさらに重要度を増している。上記を踏まえ、2022年度の同市場は前年度比132.2%の764億円となる見込みだ。2024年度には翌年に控える大阪万博の影響で上昇軌道が想定され、リニア新幹線開業が目前となる2026年度には年平均成長率31.5%で推移し、2,270億円の市場規模になると予測している。

テレワーク対応で活性化するDaaS市場

Desktop as a Service

 アイ・ティ・アールは、仮想デスクトップ環境を提供するクラウドサービス「Desktop as a Service」(DaaS)の国内市場の規模推移および予測を発表した。

 DaaS市場の2020年度の売上金額は、前年度比22.0%増の260億6,000万円となった。背景には、同市場のシェア上位のベンダーの大半が2桁成長になり、一部の大手ベンダーの躍進が市場の成長をけん引したことがある。クライアント環境の集中管理やクライアント統制、アウトソースによる管理負担の軽減などの需要のほか、コロナ禍でのテレワーク対応の手段の一つとして、DaaSの新規導入が進んだ。また、これまで導入が進んでいなかった部署・部門にも導入が拡大したことで、DaaS市場の活性化につながった。

 2019年からDaaS市場に参入した大手ベンダーがさらなる新サービスをリリースしたことも影響し、ユーザー企業のDaaSへの関心が高まっている。以上のことから、今後もDaaSの導入が進むとみており、同市場の2020~2025年度の年平均成長率は15.9%、2024年度の市場規模は501億円に達する予測だ。

 アイ・ティ・アール シニア・アナリスト 三浦竜樹氏は、DaaS市場の将来動向について「コロナ禍をきっかけにポータルサイトから迅速にDaaS環境を構築でき、コストも抑えられるケースがみられるパブリッククラウドDaaSの導入検討が増えてきています」と予測している。

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