Adobe Express
スライドデザインを簡単に
ワンランクアップしよう!
新年度がスタートしてから早くも2カ月を迎えようとしている。新しい人間関係などの環境になじむ必要がある一方で、業務も効率的に進める必要がある。そうした業務効率化を実現するための“周囲から一目置かれる”テクニックを、前回に引き続き紹介していく。今回取り上げるのは誰でも簡単にコンテンツが作成できるデザインアプリケーション「Adobe Express」。実はビジネスパーソンの日常業務にも使える本アプリについて、前回に引き続きアドビの 岩本 崇氏に紹介してもらった。
デザインに合わせた
QRコードを簡単生成
岩本氏_前回、当社は有償無償を問わずさまざまなアプリケーションを提供しているとお話ししました。「Adobe Express」(以下、Express)も、アドビIDを作成すれば無償で使えるデザインアプリケーションです。有償ライセンス(グループ版:1ライセンス当たり税込770円/月額)もありますが、無料版でも使えるデザイン素材や機能が充実しています。デザインアプリケーションというとデザイナーのようなクリエイティブ職のユーザーが使うもの、というイメージがあるかもしれませんが、このExpressはビジネスパーソンの日常的な業務にも役立ちます。
ExpressはWebアプリケーションのほか、スマホやタブレットのモバイルアプリからでも使えます。アクセスして表示されるホーム画面には「クイックアクションを探す」という項目があり、これをクリックすると、「(画像の)背景を削除」「QRコードを作成」「PDFに変換」「画像サイズを変更」といった機能を簡単に使えます。
例えば、今はほとんどのドキュメントに、Webサイトなどに誘導するためのQRコードが掲載されます。Expressであれば数クリックでこのQRコードを生成してそのデータをダウンロードし、ドキュメントに掲載することが容易に行えます。QRコードのスタイル(デザイン)も変えられるため、作成しているドキュメントのデザインに合わせたQRコードを生成することも簡単です。

画像や文章の生成AIが
ちょっとした編集をサポート
Expressでは、おしゃれなテンプレートを用いて広告やバナー、Webサイトなどを簡単に制作できます。ビジネスパーソンにとっては身近なプレゼンテーション資料の制作も、Expressで対応できるんですよ。
Expressの上部タブに「マーケティング」があります。ここをクリックすると、下に「プレゼンテーション」というタブが出てきます。ここからプレゼンテーションをクリックし、使ってみたいテンプレートを選択するだけでよいのです。
テンプレートは検索もでき、例えば「製品紹介」「自己紹介」のようなキーワードで検索をすれば、それらに適したプレゼンテンプレートを絞り込めます。当社では新入社員の自己紹介プレゼンをこのExpressを使って作成してもらっています。Express上では当社の生成AI「Adobe Firefly」も使えるため、背景画像を生成したり、自分の画像の背景を切り抜いたりするような作業も簡単に行えます。
また、プレゼン資料用の文章を編集することもExpressなら簡単です。テキストボックスをクリックすると「書き換え」というメニューが表示されます。これをクリックすると「言い換え」「短くする」「長くする」のように、文章の書き換え編集がワンクリックで行えるのです。記入した文章の表現をちょっと変えたいな、短くしたいなといった編集をExpressがサポートしてくれます。写真を撮ることは得意だけど、文章を書いたり編集したりすることは苦手、といった人でもこういった機能を使えば、魅力的なプレゼン資料を作れるようになりますよ。
Expressは、当社が提供している「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」「Adobe Premiere Pro」といったデザインツールの“いいところ”をぎゅっと閉じ込めたツールです。今回紹介したプレゼン資料の作成のみならず、画像のサイズ変更や、動画に対する字幕生成といった編集作業、リーフレットのデザインなど横断的な編集作業が行えるため、自社でコンテンツを内製化するようなシーンにも使えます。ぜひExpressを使って、ワンランク上のコンテンツを制作してみましょう!


テンプレートを選択
マーケティング>プレゼンテーションとタブをクリックしていくと、プレゼンテーション用のテンプレートが選択できる。クリックするとさまざまなプレゼン用テンプレートが表示される。

キーワードで検索
左上部の検索窓に「製品紹介」など、作りたいプレゼン資料のスタイルのキーワードを入力すると、それに適したテンプレートが表示される。

文章も簡単に生成
Expressには画像の編集、生成のほか、文章の生成機能も搭載されている。ベースとなる文章をテキストボックスに入力すると、それを基に言い換えたり、長さを調節したりするような編集を加えてくれる。

共同編集機能が便利
作成しているコンテンツに対して、ユーザーを招待すれば共同編集が可能になる。例えば3ページのスライドはAさん、4ページのスライドはBさん、といった形で割り振りを行い、編集したり内容の確認を行ったりといったことがリアルタイムで実現できる。

QRコードを簡単に生成
クイックアクションから簡単にQRコードを生成できる。スタイルやカラーも変更できるため、QRコードを挿入したいドキュメントに合わせたデザインにできる点も便利だ。

画像生成機能も使える
画像に対しての編集を、生成AIを用いて行える。本画像は赤くマークした箇所に、鳥を数羽生成してみた。本機能を使えば、例えばTシャツ姿の写真にジャケットを着せたり、ネクタイを着けさせたりといった画像編集も簡単に行える。
Adobe Expressの最新アップデート情報!
2025年4月24日(英国時間)にイギリスのロンドンで開催されたクリエイティブカンファレンス「Adobe MAX London 2025」に合わせて、Adobe Firefly Web版のアップデートが公開された。それに伴い、Adobe Expressにも「アニメーション」「動画」「ブランドコンテンツ」という三つのポイントでアップデートが実施された。その中からいくつかをピックアップして紹介する。まずアニメーションだ。これはワンクリックでモーショングラフィックのような動きを追加できる機能だ。例えば「フォール」を選択すると、全てのテキストとオブジェクトに対して、上から落ちてくる動きを適用できる。動画では、Fireflyによる商用利用が可能な生成動画データを、Expressのエディター内で使用できるようになった(β版)。本機能を使うことで、生成した動画をBロールや背景に使ったり、文字や素材を組み合わせたりしてアレンジを行える。動画編集機能のUIもアップデートされ、より直感的に編集が行えるようになった。ブランドコンテンツでは、画像のスタイルはそのままにバリエーションある類似の画像を生成できる機能が搭載された。これにより、統一感のあるブランドイメージをデザインすることが可能になる。今後もExpressではさまざまな機能強化が実施される。その進化に注目したい。
