ビジネスに最新のPCが必要な理由

PCをビジネスで利用する場合、PCの性能は仕事の生産性に直接影響を与える。そこでこのコーナーではビジネスで使っているPCの課題を指摘し、仕事に効果をもたらすにはPCをどのようにトランスフォーメーションすればいいのかを連載していく。初回のテーマは仕事で使用中のPCのパフォーマンスについて取り上げる。PCの性能が高いほどアプリケーションの動作やデータの処理が速くなり、仕事の生産性が向上する。逆に言えばPCを長期間にわたって使い続けると、最新のPCとの性能差が大きくなり、相対的に生産性が低下することになる。

2023年11月8日と9日に兵庫県姫路市で開催されたダイワボウ情報システム主催の「DISわぁるど in 姫路」にインテルが出展し、第8世代と第13世代をそれぞれ搭載したPCを使って、アプリケーションのデータ処理にかかる時間の比較を来場者に実演した。

生産性が低下していることに気付かず
同じPCを長期間使い続けていないか

 PCは新しいほど性能が高く、アプリケーションの動作やデータの処理の速度が向上することは誰もが知っているだろう。しかしPCを購入あるいは導入した後に、その時々の新製品に触れるユーザーはほとんどいない。そのため今使っているPCの性能が最新のPCに対してどれくらいの差が生じているのか、生産性が低下しているのかを知らずに仕事をし続けているのではないだろうか。

 では長く使い続けているPCと新しいPCを比較した場合、どれくらいの性能差が生じるのか簡単な実験を行った。用意したのは2台のPCだ。1台は4〜5年間使われたであろう第8世代インテル®CoreTM i7-8550U プロセッサーを搭載したPCで、メモリーはDDR4 8GB、ストレージはインテル®OptaneTM メモリー 16GBとHDD 1TB、グラフィックスはCPUに内蔵されるインテル®UHD グラフィックスだ。

 もう1台は第13世代インテル®CoreTM i7-1360P プロセッサーを搭載したPCで、メモリーはDDR5 16GB、ストレージはSSD 1TB、グラフィックスはCPUに内蔵されるインテル®Iris®Xe グラフィックスだ。なおOSはいずれもWindows 11 Homeを搭載する。

 これら2台のPCでPowerPointの17枚のスライド、約95MBのファイルをPDFファイルに変換するのにかかった時間と、Excelの7列、1,789行、約1MBのデータをグラフ化するのにかかった時間、そしてAdobe Photoshopで1枚が約24MBのRAW画像を100枚、画質12でJPEGに変換するのにかかった時間を計測した。

第8世代と第13世代の性能差に驚く
新しいPCはCPU以外のスペックも進化している

 各実験はそれぞれ3回計測して平均値に近い数値を採用した。まずPowerPointのファイルをPDFに変換するのにかかった時間は第8世代を搭載するPCが43秒で、第13世代を搭載するPCが17秒と大きな差が生じた。Excelのグラフ化では43秒と15秒、Adobe Photoshopでの画像変換では9分8秒と2分57秒となり、両者で大きな差が生じた。

 実験に用いたPCのスペックにおいてメモリーの容量やストレージの種類などが異なり、スペック上は第8世代を搭載するPCが不利ではある。しかしこのPCが発売された当時、メモリーの容量は8GBが主流であり、ストレージもまだSSDは主流ではなかった。

 つまり新しいPCはCPUだけが進化しているのではなく、ほかのスペックも進化しており、総合的に性能が向上しているというわけだ。仮にメモリーの容量やストレージの種類をそろえて実験しても、両者の差はそれほど縮まらないだろう。

 この実験では第8世代と第13世代をそれぞれ搭載するPCを比較したが、これほど世代が離れていれば性能差が大きくなるのは当然だと指摘されるだろう。しかし第8世代を搭載するPCを比較対象に取り上げたのには理由があるのだ。

800万台の第8世代搭載PCに対して
最新CPU搭載のAI PCを今すぐ提案

 インテルがGfK Japanに依頼して実施した調査によると、第8世代を搭載するPCは2019年と2020年だけで800万台も販売された。なぜこれほどまでに第8世代を搭載するPCが売れたのかというと、Windows 7のサポート終了とコロナ禍による需要が重なったからだ。そしてこの800万台のPCが現在も稼働しており、入れ替えの時期を迎えているのだ。

 PCの需要が活性化する大きな要因の一つ、OSのサポート終了が再び訪れる。2025年10月に迫っているWindows 10のサポート終了だ。MM総研が2022 年3 月に発表した調査「国内法人PC 稼働台数推移と予測」によると、国内の企業では2,600万台のWindows 10搭載PC が稼働しているという。さらに第8世代を搭載した800万台ものPCは導入から4〜5年が経過しており、入れ替えの時期を迎えている。

 Windows 10搭載PCの入れ替え提案はもちろんのこと、特に800万台の第8世代搭載PCに対するより新しい世代のインテル®CoreTM プロセッサー搭載PCへの入れ替え提案は仕事の生産性向上につながり、顧客により高い価値を提供できるはずだ。

 特に最新のインテル®CoreTM Ultra プロセッサーにはAI処理を高速化するアクセラレーション機能が実装されており、インテル史上最も優れたAIパフォーマンスと電力効率を実現している。すでに多くの企業がChatGPTをはじめとした生成AIを業務に活用しており、生産性の向上を図っている。さらにインテル®CoreTM Ultra プロセッサーを搭載する「AI PC」を使えば、仕事の生産性は飛躍的に向上する。

 今使っているPCが最新の製品ではないのならば、ぜひ最新のPCに実際に触れて、パフォーマンスの違いを自身で体感してほしい。