Copilot で何ができる?無料版・有料版でできることや活用例を紹介

Microsoft 社が提供する AI アシスタントである Microsoft Copilot が、実際の業務でどう役立つのか、自社でも活用すべきなのか、いまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

業務での AI の活用が進む中、Copilot は文章の作成やデータ分析、会議の議事録作成、メール対応など、日々の業務を効率化する役割として注目されています。一方で、「無料版と有料版の違いは?」「Word を使って具体的に何ができるの?」「誤回答や情報漏えいのリスクはないの?」といった不安や疑問もあるでしょう。

この記事では、Copilot で何ができるかを、無料版・有料版それぞれでできることや、Office 製品との連携によってできること、さらに業務へ Copilot の機能をどう活用できるのかまで具体的にご紹介します。

Copilot の導入を検討する方に向けて、使用時の注意点や効果的に活用するためのコツもあわせてご紹介していので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、この記事では 2025 年 6 月時点の情報を掲載しており、記事内で使用しているスクリーンショットはブラウザ上で使用できる Copilot と、Microsoft Edge 上から起動できる Copilot を使用しています。

Copilot で何ができる?無料版と有料版でできること

Copilot は、Microsoft が提供する AI アシスタントで、Windows 11 に標準搭載されているアプリケーションや、Microsoft Edge、ブラウザなどで起動し、基本無料で使用できます。

Copilot は、チャットを介して人間と話しているかのようにやり取りができることから、検索エンジンで検索するよりも手軽に情報を検索したり、タスクを依頼したりして作業を効率化できるでしょう。

Copilot の無料版・有料版の両方でできることは、次のとおりです。

質問や情報の検索

Copilot のチャット画面にプロンプト(指示文)として質問を入力すると、即座に回答を提示してもらえます。例えば、「関ヶ原の戦いについて簡単に教えて」と入力すると、以下のような回答が得られます。

また、上記のとおり、「戦いの具体的な経緯について教えてください」など、追加での質問もサジェストとして表示されるため、情報の深掘りもしやすいでしょう。

しかし、このように Copilot では Web 検索の代替ツールとして利用可能なものの、情報の正確性は保証されていないため、必ず自身の目で真偽を確認しましょう。

文章生成

Copilot では、長文の要約や翻訳が可能です。議事録の作成や記事の要約、外国語の論文の翻訳などさまざまな場面で活用できるでしょう。文章を読み込ませる際は、直接 Copilot のチャット画面に文章をコピー&ペーストで貼り付けられますが、一定の文字数を超えると処理ができなくなります。

参照:簡潔で親しみやすく: Copilot に使用するドキュメントの長さについてのガイド|Microsoft

このような場合は、アップロード機能を使うことで、より長い文章が書かれたファイルも読み込んでもらえます。

キャプチャ - Copilot のアップロード機能

画像生成

Copilot では、画像生成が可能です。作成してほしい画像の内容を伝えることで、プロンプトに沿った画像が生成されます。

イラストや水彩画など画像のタッチなどの指定ができるほか、自身でアップロードした画像をもとに「似たような画像を作成してほしい」といった指示も可能です。

Copilotでの画像生成は、以下の記事で詳しくご紹介しているため、ぜひご覧ください。

Copilot は画像生成が可能!使い方や活用のコツを紹介

音声会話

Copilot では、音声での会話が可能です。チャット画面でマイクボタンをクリックすると、音声会話画面が起動し、音声でのやり取りができるようになります。

Copilot での音声会話は、人間と話しているかのような自然な会話が行えるため、手がふさがっているときに Copilot に質問したい場合や気晴らしに雑談がしたい場合、文字に起こすのが難しく、他者と会話をしながらアイデアを出したい場合などに適しているでしょう。

アイデア出し

Copilot は、アイデア出しを手伝う存在としても役立ちます。例えば、「雨の日の過ごし方を教えて」と尋ねると以下のように読書や音楽、映画といった自宅でできる過ごし方を教えてもらえます。

ほかにも、「朝早い時間から仕事に集中する方法」「上司の仕事の負担を減らすためにできること」「プレゼンテーションをするときに相手が納得しやすい話し方」など業務に役立つアイデア出しも即座に行ってもらえるため、身の回りに相談する相手がいないときでも、一人で悩む時間を減らせるでしょう。

有料版の Copilot でできること

上記では、無料版・有料版の Copilot でできることをご紹介しました。Copilot には、個人向けの有料プランである Microsoft Copilot Pro と、法人向けの有料プランである Microsoft 365 Copilot があります。

有料版の Copilot では、無料版の機能に加えてさらに業務に役立つ機能がそろっているため、企業で利用する際はぜひ有料版の契約もご検討ください。有料版の Copilot でできることは、以下のとおりです。

ピーク時の優先アクセス

Copilot の有料版では、多くのユーザーが同時に Copilot を利用して混み合っている中でも、優先的にアクセスでき、無料版のユーザーよりも高速での処理が可能になります。

2025 年 6 月時点で、Edge やブラウザで使用できる Copilot では、どのモデルを使用しているかは公開されていません。しかし、混雑時はデフォルトで使用しているモデルよりも精度が落ちたモデルに切り替わる可能性があるため、思うような回答がなかなか得られない恐れがあります。

常に精度の高い回答を得たり、高速でタスクを処理したい場合は、有料版の使用がおすすめです。

新機能の優先利用

有料版の Copilot では、最新モデルや最新機能などが開発された際に、優先的に利用できます。Copilot では常にアップデートが行われているため、「最新機能をいち早く体験して業務に活用したい」「新しいモデルで精度の高い出力を行いたい」といった場合は、有料版を利用するのがよいでしょう。

なお、有料版 Copilot の新機能や、ユーザーからのフィードバックによって改善された内容は、「Microsoft 365 Copilot の最新の更新プログラム」にて公開されているため、具体的な更新情報はこちらをご確認ください。

参照:Microsoft 365 Copilot の最新の更新プログラム|Microsoft

Office 製品と Copilot の連携

有料版の Copilot では、Microsoft Word や Excel、PowerPoint といった Office 製品との連携が可能です。業務で Word などを日常的に使う場合、有料版の Copilot を連携することで、業務効率化につながるでしょう。

Copilot と連携できる Office 製品の種類は、Microsoft Copilot Pro と Microsoft 365 Copilot で種類が異なります。それぞれが連携できる製品や、連携することによって行える作業内容は、「Microsoft 365 Copilot と Office 製品の連携でできること」で詳しくご紹介します。

Microsoft 365 Copilot Chat の利用

法人向けの有料プランである Microsoft 365 Copilot では、Microsoft 365 Copilot Chat が利用できます。通常の Copilot と異なり、アイコンには「M365」の文字があわせて表示されています。

Microsoft 365 Copilot Chat は、Microsoft 365 Copilot ユーザーが追加料金なしで使用できるAIチャットで、最新の大規模言語モデル(2025 年 6 月時点では GPT-4o)を利用して、高精度なWeb検索やファイルのアップロードをもとにした指示出しなどが行えます。

なお、Microsoft 365 Copilot Chat では、企業が安全に利用できるようセーフガードが組み込まれており、入力した内容はモデルの学習データとして利用されません。

参照:Microsoft 365 CopilotとMicrosoft 365 Copilot Chatでのエンタープライズ データ保護|Microsoft

Copilot のチャット機能を日常的に使いたいものの、セキュリティー面に不安を感じている方は、Microsoft 365 Copilot に登録のうえ、Microsoft 365 Copilot Chat を利用するのがおすすめです。

詳しくは、以下の Microsoft のページをご確認ください。

参照:仕事を効率よくこなすための頼れる AI チャット|Microsoft
参照:Microsoft 365 Copilot Chat の概要|Microsoft

Microsoft 365 Copilot と Office 製品の連携でできること

ここまで、有料版の Copilot でできることをご紹介しました。「Office 製品と Copilot の連携」でも触れたように、有料版の Copilot では Word や Excel などの Office 製品と連携することで、作業をサポートしてもらえます。

個人向けの有料プランである Microsoft Copilot Pro と、法人向けの有料プランである Microsoft 365 Copilot でそれぞれ連携できる主な Office 製品は、次のとおりです。

Microsoft Copilot Pro Microsoft 365 Copilot
Word、Excel、PowerPoint、Outlook Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams、OneNote、Loop、Viva など

また、Microsoft Copilot Pro のみに登録している場合は、Webバージョンのアプリでのみ使用可能で、デスクトップアプリでは使用できません。個人向けのプランを利用しつつ、デスクトップアプリで Copilot を連携させたい場合は、Microsoft 365 Personal または Microsoft 365 Family への登録が必要です。

以下では、Microsoft 365 Copilot と Office 製品の連携でできることをご紹介します。

Word

Word の Copilot では、ドキュメント上に Copilot へのプロンプト入力画面を表示でき、Copilot に指示を出しながら文章の生成が行えます。

また、ドキュメントの文章をもとに、テーブルを作成することも可能なため、タイムスケジュールなどを作成する際にも役立つでしょう。

なお、通常の Copilot のように、ドキュメント外にチャット画面を表示し、ドキュメントの内容に関する質問や要約の作成などが行えます。

参照:Word での Copilot|Microsoft

Excel

Excel の Copilot では、シートに入力された内容をもとにグラフを作成したり、データの分析が行えます。これまでは自身の目で確認したり考えたりする必要があった内容も、Copilot のチャット画面に入力して尋ねることで分析作業を効率化できます。

また、「このデータを〇〇するための関数を教えてほしい」など、シートを用いて行いたいことを実行するためのプロンプトを尋ねることで、瞬時にシートへ反映できる関数を生成できます。

「〇〇に該当するデータに色をつけてほしい」「データを〇〇順に並べ替えてほしい」といった指示にも対応できるため、Excel の扱いに慣れていない方でもやりたいことに合わせてスムーズに作業を進められます。

参照:Excel での Copilot|Microsoft

PowerPoint

PowerPoint の Copilot では、指示した内容に沿ってプレゼンテーションの下書きを作成できます。このとき、より生成されるプレゼンテーションの精度を高められるよう、Word や PDF、TXT ファイルなどを読み込ませることも可能です。

また、PowerPoint 上で開いたプレゼンテーションに関する質問や、プレゼンテーションに掲載されている画像の内容について知りたい場合は、PowerPoint と連携した Copilot のチャット画面に質問事項を入力することで回答を得られます。

スライド数の多いプレゼンテーションを Copilot が読み取り、要約することも可能なため、プレゼンテーションの作成・閲覧ともに作業時間を短縮できるでしょう。

参照:PowerPoint での Copilot|Microsoft

Outlook

Outlook の Copilot では、作成したい内容に沿ってメールの下書きを生成できます。「年度末にチームメンバーへの感謝を伝えるメールを作成したい」「会議のスケジュールを確認するためのメールを作成したい」といった要望を送ることでおおまかなメールの内容を作成してもらえるため、1 からメールの文章を考える手間がなくなります。

また、Outlook と Copilot を連携することで、長く続いたメールスレッドの要約も可能です。これにより、「結局どのような話にまとまったのか」「最も重要なポイントは何か」などをメールを遡らずともすぐに理解できるでしょう。

参照:Outlook での Copilot|Microsoft

Teams

Teams の Copilot では、Teams で行われたWeb会議内容を文字起こしし、会議でどのようなことを話し合ったのか、何が決まったのかなど要点をまとめられます。

また、Copilot が会議内容の読み取りを始めてから5分以上経過してから会議に参加した場合は、これまでに話した内容を概要として Copilot が伝えます。

会議が長時間続き、重要な点を整理しづらくなってしまったときや、会議に遅刻して内容についていけなくなった場合も、Copilot を活用することで会議内容を正確にキャッチアップしやすくなるでしょう。

参照:Teams での Copilot|Microsoft

OneNote

OneNote の Copilot では、OneNote 上に残したメモの概要をまとめられます。メモを参考に書類を作成するときなどには、共有可能な形式へまとめやすくなるため、書類作成の時間を縮められるでしょう。

また、メモに残した内容をもとに ToDo リストを作成したり、具体的なプランを作成したりするなども可能で、メモの整理やアイデア出しに役立ちます。

OneNote の Copilot は、メモに記した内容から書類をまとめるときや、イベントや事業の企画をするにあたって多くのアイデアをメモに残したいときなどに活用できるでしょう。

参照:OneNote での Copilot|Microsoft

Loop

Loop の Copilot は、チャット画面に作成したいコンテンツの内容を記載することで、ブレーンストーミングや計画の概要作成、コンテンツの下書きなどが行えます。

Loop はチームメンバーと共同編集できる点が特長ですが、Copilot を使ってチームメンバーでコンテンツを編集することも可能です。

例えば、チームメンバーの一人が Copilot を使ってテキストを短くまとめるよう指示してコンテンツに変更を加えた際、Copilot のチャット画面に変更履歴が表示されます。変更履歴からコンテンツを元に戻したり、同じプロンプトをコピーできたりするため、共同編集を行いながらコンテンツをスムーズに仕上げられるでしょう。

参照:Loop における Copilot|Microsoft

Viva

Viva の Copilot は、従業員の生産性やエンゲージメントを向上させるために役立つ機能がそろっています。

例えば、従業員のコミュニケーションプラットフォームである Viva Engage で Copilot を使用する場合、従業員に響く説得力のあるコンテンツや、従業員のニーズや興味関心に沿ったコンテンツを作成してもらえます。これにより、従業員にとって役立つ情報やモチベーションを高めるメッセージを届けられるでしょう。

また、従業員への情報共有を効率化できる Viva Amplify(アンプリファイ)では、文章の自動書き換えやテキストの文量調整、トーンの調整などが行えます。これにより、従業員への情報共有時に、従業員へよりわかりやすくまとめられた情報を伝えられます。

参照:Viva の Copilot のヘルプとラーニング|Microsoft

Copilot と Office 製品の業務活用例

ここまで、Microsoft 365 Copilot と Office 製品を連携することで行えることをご紹介しました。これらの機能を実際の業務で活用する際は、以下のような例が挙げられます。ここからは、Copilot と Office 製品の業務活用例をご紹介します。

Word での文書作成

Word の Copilot では、業務で頻発する報告書の作成や企業で運営するブログ・SNS の投稿文、求人原稿などを作成する際のサポート役として活用できます。

例えば、「ワークライフバランスを維持することが仕事において重要であるという内容の記事を作成してほしい」「営業職を募集する求人原稿を作成したい。給与は月給〇〇円+賞与で、主な業務内容は〇〇、〇〇です」といった内容を Copilot に送信することで、プロンプトに沿った文書を作成してもらえます。

生成された文章をもとに追加のプロンプトを送信したり、再生成したりすることもできるため、理想の内容になるまで微調整するのもよいでしょう。

参照:Word の Copilot を使用してコンテンツの下書きと追加を行う|Microsoft

また、Word の Copilotでは、すでに自身の手で仕上げた報告書などの書類を Copilot に見てもらい、不足している内容を尋ねて追加してもらうといったクオリティ向上を目的に活用することも可能です。

Excel での関数作成やデータ分析

Excel の Copilot では、シート上に記載された情報をもとにデータを整理したり、情報の分析を行ったりできます。

Excel の操作に不慣れな場合、1つのアクションを行おうとする際に、入力すべき関数を検索したり、自身の手作業で入力しながら関数を微調整したりする必要があり、なかなか思うように入力内容が反映されないこともあるでしょう。

しかし、Excel の Copilot ではチャット画面に「1000 以上の数値のセルを黄色で塗ってほしい」「2025 年 1 月~ 2 月のデータで判断できることは何?」「A 列には『シート 2』の〇〇の情報を反映させたい」など、やりたいことを送信するだけで、Copilot が反映してくれたり、実行のための関数を教えてくれます。これにより、Excel の初心者でもスムーズな作業が可能になるでしょう。

なお、Copilot では Excel の操作を試したり練習したりする際に利用できるデータセットのサンプルも生成してもらえます。Copilot にデータセットのサンプルがほしい旨を伝えることで、複数のデータがまとめられた Excel ファイルが提供されます。

キャプチャ - Excelでの Copilot - データセットのサンプル作成

PowerPoint でのプレゼンテーション作成

PowerPoint の Copilot では、生成したい内容に合わせてプレゼンテーションを作成できます。

例えば、「学校の教員不足に関する資料を作成してほしい」とプロンプトを入力すると、テーマに合った内容のテキストや画像を用いて簡単にまとめたプレゼンテーションを作成してもらえます。このとき、プレゼンテーションのスライドだけでなく、スピーカーノートも作成してもらえるため、実際にプレゼンテーションを行う際の原稿作成にも役立つでしょう。

生成されたスライドをもとに、「この内容を 15 ページのスライドでまとめてほしい」など追加で指示を出すことで、プレゼンテーションの内容をより細かく整理して指定した枚数のスライドに仕上げるなど、ブラッシュアップが行えます。

参照:【Copilot for Microsoft 365 TV】PowerPoint編(Microsoft 365 Japan)|YouTube

PowerPointでプレゼンテーションを自動生成するメリットなどは、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

パワーポイントの AI 自動生成ツール 8 選!利用時の注意点も紹介

Outlook でのメール作成・要約

Outlook の Copilot では、下書き作成機能を使うことで、書きたい内容に沿ってメールの下書きを作成できます。

例えば、「〇〇さんと△△さんに、プロジェクトの進捗状況を確認。進捗状況の確認とあわせて、今後の進め方を相談する会議を設定したい。候補日は〇月〇日〇時~、〇月〇日〇時~」といったようなプロンプトを送信することで、メールの下書きが作成されるため、微調整を行うだけで素早くメールを送信できるようになります。

また、外国語で書かれたメールを受け取った際も、Copilot の要約機能を使うことで、長文で書かれた英語の文章を日本語で簡潔にまとめて内容を把握することが可能です。

このように、Outlook の Copilot ではメールの作成だけでなく、メールの読み取りや内容把握も素早く行えるようになり、ほかの業務に集中しやすくなるでしょう。

Teams で議事録の作成

Teams の Copilot では、会議の音声データをもとに、文字起こしや議事録の作成が可能です。

例えば、Teams で実施されたWeb会議に参加できなかったときに、Teams 上の会議チャットでは、会議の参加者や各参加者が話したタイミング、会議のメモ(議事録)などを表示でき、会議で話した内容をわかりやすく把握できます。

また、議事録に書かれた内容に対して質問したい場合や議事録に書かれていない内容について詳しく聞きたい場合は、Teams 上で Copilot のチャット画面を開いて質問することで、より詳細な情報を伝えてもらえます。

なお、会議に途中から参加した場合も、Copilot ではこれまでの会議内容を要約して教えてくれます。スケジュールの都合上、会議に参加できない場合や、遅刻してしまった場合も、Copilot があることで安心して業務に臨めます。

Copilotを使用する際の注意点

ここまで、Copilot を Office 製品と連携することでできることや具体的な業務での活用例をご紹介しました。このように、業務効率化に役立つ機能を豊富に持つ Copilot ですが、使用時にはいくつかの注意点があります。

送信する内容によっては対応できないものがある

Copilot はすべての質問や依頼に対応できるわけではないため、注意が必要です。複雑すぎるタスクや、文字数の多い質問を投げかけた場合、一部が反映されておらず納得のいく回答が得られない場合があります。

Copilot に複雑なプロンプトを正確に読み取ってもらうには、プロンプトを分割して送信したり、細かく「ここまでの内容で、どこまで理解したか教えてください」と確認を取るとよいでしょう。

誤った回答をすることがある

Copilot は瞬時に質問に回答してくれますが、Copilot はユーザーの入力内容をもとに学習した内容や Web 上の情報を集めて回答を生成するため、生成内容が 100 %正しいとは限りません。

また、実際は正しくない情報であるのに、正しい情報であるかのように話すハルシネーションを起こしている場合もあるため、Copilot の話す内容をうのみにせず、必ず自身の目で情報が正しいかを確認することが大切です。

個人情報や機密情報を入力しない

無料版の Copilot を使用する際は、入力する情報が学習データとして利用されてしまうため、入力内容に注意が必要です。

特に、個人情報や企業の機密情報を入力してしまうと、情報漏えいにつながりかねません。個人や企業に関わる情報を含んだ内容でやり取りを行う際は、法人向けの有料プランである Microsoft 365 Copilot に登録して入力内容が学習されない環境下で行うなど、安全な環境で Copilot を利用しましょう。

Copilot で理想の回答を導き出すためのコツ

上記では、Copilot を利用する際の注意点をご紹介しました。注意点も意識しつつ実際に Copilot を利用してみたものの、思うような回答が得られず業務に役立てられない、といった悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。ここでは、Copilot で理想の回答を導き出すためのコツをご紹介します。

質問の背景や意図を伝える

Copilot から返ってきた答えがイメージとずれていた場合、こちらの質問意図がうまく伝わっていない可能性があります。

そのため、プロンプトを送信した際に、「私は〇〇という作業がしたいです」「〇〇という背景で△△を作る必要があります」など、質問をするに至った背景や意図を指示とあわせて含めることで、Copilot が意図に沿った回答をしやすくなるでしょう。

なお、「あなたはプロのライターです」のように立場を指定することでも、回答の精度を上げやすくなります。

参考となるテキストや回答例を含める

プロンプトを送る際に、参考となるテキストや回答例を含めることで、精度を高めやすくなります。

例えば、「以下の参考情報をもとに作成してください」という指示とあわせていくつかのサイトや論文の文章を貼り付けたり、「添付したドキュメントの文体をまねして記事を生成してください」と参考となる Word ファイルを添付したりすることで、添えられた情報に合わせた回答が得られやすくなります。

具体的な指示を出す

「SNS の投稿文を作成して」のようにあいまいなプロンプトの場合、イメージとはずれた内容が生成されてしまいます。「20 代の女性に向けて、自社の新商品コスメを宣伝する際の SNS 投稿文を作成してください。文体はカジュアルで、絵文字も使用してください」といったように具体的に指示を出すことで、回答精度を高められます。

なお、このように具体的に条件などを指定してプロンプトを送信する際は、「深津式プロンプト」が役立ちます。深津式プロンプトには「深津式プロンプト」「深津式プロンプト 2」があり、それぞれ以下のようなテンプレートとして多くのユーザーに使用されています。

深津式プロンプト
#命令書:
あなたは、プロの〇〇です。
以下の制約条件と入力文をもとに、 最高の〇〇を出力してください。

#制約条件:
・~~~
・~~~

#入力文:

#出力文:
深津式プロンプト 2
#命令書:
あなたは、プロの〇〇です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の〇〇を出力してください。

#制約条件:
・~~~
・~~~

#入力文:

#出力文:

このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は質問をしてください。

深津式プロンプト 2では、最後の一文を付け加えることで、Copilot が回答を生成する際に不足していると感じた情報をユーザーに示せるようになり、Copilot が勝手に情報を補完することを防げます。

プロンプトを見直しながら改善を重ねる

複雑な指示を出した場合は、一度で理想どおりの回答を得られることは少ないでしょう。すぐに「うまく活用できない」と諦めるのではなく、質問を分割して送信したり、細かくプロンプトを加筆修正しながら、理想の回答に近づけるよう改善を重ねることをおすすめします。

なお、Microsoft では、Copilot ですぐに利用できるプロンプト集を公開しています。通常のチャットのやり取りに加えて、Word や Teams でも活用できるプロンプトの例を豊富に掲載しているため、こちらもぜひご活用ください。

参照:Copilot for Microsoft 365 ここから始める、すぐに使えるプロンプト集!|Microsoft

Copilot の 使用に適した「Copilot+ PC」の導入もおすすめ

この記事では、Copilot で何ができるかを、無料版・有料版それぞれでできることや、Office 製品との連携によってできること、さらに業務へ Copilot の機能をどう活用できるのかまで具体的にご紹介しました。

Copilot は基本無料で利用できる AI アシスタントですが、有料版の Microsoft 365 Copilot などを利用することで、Word や Excel といったさまざまな Office 製品と連携できるため、業務効率化に大いに役立てられるでしょう。

Copilot を活用するためには、処理能力の高い PC が必要となり、スペックが不足している場合は生成に時間がかかったり、うまく生成内容を読み込めなかったりする場合があります。

このような AI を快適に利用できる PC として、Microsoft では Copilot+ PC を定義しています。Copilot+ PC は、AMD Ryzen™ AI 300 シリーズ、Intel® Core™ Ultra 200V シリーズ、Snapdragon® X シリーズといった高性能なNPUを搭載しているため、高速処理が可能となり、Copilot の強みを最大限に生かせます。

また、Windows 11 の前身の OS である Windows 10 は、2025 年 10 月 14 日にサポートが終了します。Windows 11 を搭載した新しい PC へ買い替え予定の方は、業務で最新技術を多様に活用できる強力なパートナーとして、Copilot+ PC の利用も検討してみてはいかがでしょうか。

詳しくは、以下のページをご確認ください。