シスコシステムズ、サステナビリティ戦略を発表

サステナビリティ

 シスコシステムズは8月8日、自社のサステナビリティ戦略について記者説明会を実施した。同社のサステナビリティの取り組みは、2021年9月に発表した目標「2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出を実質ゼロにする」に基づいている。

 同社 代表執行役員社長 中川いち朗氏は、自社のサステナビリティに関する三つの取り組みをこう語る。「一つ目は『再生エネルギーの使用』です。再生可能エネルギーからの電力使用は、グローバルで89%に達しています。二つ目は『気候変動対策』です。当社の基金『Cisco Foundation』では、気候変動対策に対して10年間にわたって100億円の投資を行います。三つ目は『ハイブリッドワークの推進』です。ハイブリッドワークに最適なオフィス作りに取り組み、電力消費の削減を目指します」
 また同社は、顧客のサステナビリティを支援するソリューションとして以下の三つを提供している。

 一つ目は、データセンターの消費電力を最適化する「サステナブルデータセンター」だ。データセンターネットワークの電力消費量を可視化・監視するソフトウェア「Nexus Dashboard」によって、消費電力の削減を支援する。二つ目は、オフィスの消費電力を最適化する「スマートビルディングワークスペース」だ。ネットワーク全体を管理するプラットフォーム「Cisco Spaces」とPoE給電対応のIoT機器を用いて、未使用のスペースをシャットダウンすることで、電力を削減する。三つ目は、持続可能なネットワークを展開する「未来のインターネット」だ。運用の効率化を実現するアーキテクチャ「Cisco Routed Optical Networking」によって、ネットワークの構築・拡張コストを削減する。これらについて、同社 執行役員 高橋 敦氏は「幅広い技術の領域でソリューションを有している点は、当社ならではの強みです」と語った。

一元的な総合支援窓口を開設

 本会見では、顧客やパートナー企業に向けた循環型経済の促進プログラムも紹介された。実施中のプログラムには、同社のハードウェア製品の使用期間に応じてインセンティブを付与する「Cisco Green Pay」、不要な機器を無償で回収する「Environmental Sustainability スペシャライゼーション」などがある。 

 さらに、顧客やパートナー企業に向けたソリューションとプログラムを一元的に支援する総合窓口として、「シスコ サステナビリティ推進支援センター」を8月8日に開設した。中川氏は「サステナビリティの取り組み推進のため、当窓口をお客さまに広く活用いただければと思います」と展望を語った。